アニメ批評その905 少女革命ウテナ
大変有名な作品なので、私も視聴すべき・・・
なのですが、時間が無さ過ぎてechoさんにお願いしました^^;
有難うechoさん!
評価:★★★(シュールでスタイリッシュな演出と難解なストーリー、女の子版エヴァンゲリオン)
概要
少女革命ウテナはJ.C.STAFF制作のテレビアニメ。
『美少女戦士セーラームーン』シリーズのメインスタッフだった幾原邦彦が、制作集団ビーパパスを結成、少女漫画家さいとうちほと組んで世に放った異色作。
男装の麗人、影絵の少女達による不可思議な劇中劇など、宝塚歌劇と前衛舞台劇を折衷したような徹底したアバンギャルドな演出が特徴。
また、学園といった閉鎖世界や王子様といった少女漫画的モチーフを中心に、決闘、同性愛や近親愛といった多くの要素を扱っている。
テレビ東京系列で1997年4月から放送された。全39話。
あらすじ
幼い頃に自分を助けてくれた王子様に憧れ、自分も王子様になりたいと願うようになった少女・天上ウテナは、入学した鳳学園で「薔薇の花嫁」と呼ばれる少女・姫宮アンシーと出会う。
エンゲージした者に「永遠」に至る「世界を革命する力」を与えるという「薔薇の花嫁」をかけて戦い続けるデュエリストたちは、ウテナがかつて王子様から貰った指輪と同じ「薔薇の刻印」と呼ばれる指輪を持っていた。
ウテナもまたこの決闘ゲームに巻き込まれ、その背後にある「世界の果て」へと迫っていく…。
天上ウテナ
本作の主人公
鳳学園中等部二年
幼い頃に両親と死別した際に白馬に乗った「王子様」に救われ、彼に憧れるあまり自身も王子様になろうとする男装の少女。
姫宮アンシー
本作のもう一人の主人公。
決闘勝者に「世界を革命する力」を授ける「薔薇の花嫁」として、デュエリストたちに争われる少女。
温室のバラ園の世話をし、エンゲージした決闘勝者以外とは人付き合いが無い生活をしている。
桐生冬芽
鳳学園の生徒会長。
学園一のプレイボーイ。
生徒会メンバーで唯一「世界の果て」と呼ばれる人物と通じている。
桐生七実
冬芽の妹。
気が強く高飛車、プライドの高い性格。
極度のブラコンで兄に近づくウテナとアンシーを事ある毎に目の敵にする。
彼女が主人公の回はシュールなギャグ回が多い。
鳳暁生
学園の理事長代行にして、アンシーの兄。
学園理事長の娘・香苗と婚約し、鳳家の養子となっている。
1997年に放送されて、いまだに熱狂的なファンのいる女の子向け夕方アニメです。
セーラームーンのメインスタッフだった幾原邦彦監督が、アンチセーラームーンとして送り出した怪作で、幾原監督はその後「輪るピングドラム」や「さらざんまい」など独自の世界観と強烈なメッセージを含んだ作品を何度も送り出しています。
私は機動戦士ガンダム・水星の魔女が放送されてすぐ「少女革命ウテナ」に似ていると話題になっていたのを見て、前から気になっていた今作を視聴をしてみたのですが、とにかく凄いアニメでした。
舞台は鳳学園、王子様に憧れて自分が王子様になる事を選んだ天上ウテナは、鳳学園に転校してきます。
鳳学園では革命する力の象徴である「薔薇の花嫁」姫宮アンシーをめぐり日夜決闘が繰り返さられてました。
アンシーを支配しようとするデュエリスト達を目の当たりにしたウテナは、アンシーを守るため決闘に巻き込まれていきます。
まず目を引くのはちょっと懐かしい少女マンガのようなキャラデザです。
ベルサイユのバラに出てくる様な、美男美女が続々と出てきます。
演出や世界観も独特で、決闘前に挟まる影絵やメタファーを存分に含んだアイテム、耳に残るワードが、これでもかとスタイリッシュに演劇調に描かれています。
序盤のストーリーは繰り返し同じパターンが続いていて、ウテナの相手側のストーリーでちょっとドロドロした心情や課題が示されて、それを解消する為にウテナに決闘を挑むという形で進んでいきます。
これが型にはめたように何度も続いていくので、途中ちょっと中だるみして退屈かなと思ってしまったのですが、この構成も実は伏線で後半の展開に生かされていると気がついた時は、なるほどと驚かされました。
特に30話を過ぎてからの展開は驚きの連続でストーリー自体は分かりやすく、こうだと語られる訳では無く、見た人それぞれが解釈できる様に作られてます。
最後も、人によってはスッキリしない終わり方になっているかもしれません。
しかし、何かしら感じる取ることが出来る作品になっていると思います。
私は虚構の少女マンガ的世界から旅立ち、古い価値観に立ち向かって革命して欲しいというメッセージが込められているのかなと感じました。
この様に難解で、人によって解釈の変わるストーリーは同時期に作られたエヴァンゲリオンに通じるものがあって、あの時代だからこそ作られたアニメだと思いました。
古い作品ですし話数も39話と長いので、若い方には薦めずらい作品ではありますが、多くの人に影響を与えた歴史的な作品ですので、興味のある方は是非見て下さい。
では、よきアニメライフを!
絶対運命黙示録!