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【名馬列伝】ケイエスミラクル【奇跡の快速馬】

GⅠ未勝利かつ短命に終わった競走馬が何故ウマ娘化したのか?
今回は実績だけでは測れないケイエスミラクルという競走馬についてご紹介させて頂きます。

◆生い立ち

1988年3月16日 アメリカの牧場で生産され、2歳秋に来日するとそのまま千葉県にある牧場に入居します。
血統的な魅力については特に無く「輸入してまで買う価値が無いのでは?」と言われる位で、買値も3万ドルとかなり安かったそうです。
しかも体質の弱さから高熱に苦しみ生死にも関わる非常に深刻な状態に陥ります。
治療に当たっていた獣医師も「覚悟しておいてください」と関係者に伝える程でしたが、ケイエスミラクルは奇跡的に回復し死の淵から生還します。
この逸話がケイエスミラクルの馬名の由来となっております。

◆デビュー

高熱で死にかけた影響もあり、3歳の春の新潟芝1600mの未出走戦と遅めのデビューとなりました。
結果は2着でしたが、2週間後の未出走戦では8馬身差の圧勝で初勝利を挙げます。
その後、連闘で臨んだわらび賞(500万下)は2着で休養に入ります。

2ヵ月半の休養後、夏の札幌開催で復帰し石狩特別(500万下)で2着に4馬身の差を付けてレコード勝利し、次走の藻岩山特別(900万下)では9馬身差の大差で圧勝します。
「ここから快進撃が始まるのか!?」と思いきや、初重賞となったセントウルS(GⅢ)では13着と大敗してしまいます。
ミラクルが掲示板を外したレースは生涯でコレだけでした。

◆初重賞制覇

前走の惨敗が嘘の様にオパールステークス(OP)をレコードで勝利します。
ここまで7戦4勝ですが、短距離においては5戦4勝です。
第34回スワンステークス(GⅡ)に挑戦したミラクルですが、相手はウマ娘プレイヤーであればご存じのダイイチルビー、ダイタクヘリオス、バンブーメモリーなどの強敵揃いでしたが・・・

ダイイチルビーをクビ差抑えてレコードタイムを更新して勝利します。
続くマイルCSではダイタクヘリオスとダイイチルビーの後塵を排しての3着でしたが、勝ったヘリオスが会心の走りをした事と、マイルでもヤレる事を示したためミラクルの評価が更に上がった感がありました。

◆スプリンターズステークス

生まれつき体質が弱いミラクルは夏から使い詰めだったため、本来はマイルCS出走後に休養する予定でしたが、スプリンターズSに出走する事になりました。
1400mでダイイチルビー他を一蹴し、マイルCSでも3着の好走を見せた、3度のレコード更新を成し遂げたケイエスミラクルが、得意の1200m戦に戻ってくる。

しかも鞍上は当時最強騎手の岡部。

これはいかにテン乗りとはいえ「GⅠただ貰い」のようなものでは?

と豪華メンバーが揃う中、重賞で初の1番人気に支持されます。
レースで前半3ハロンを32秒2というハイペースの中、ミラクルは道中中段に位置し、第4コーナーから最終直線にかけて先頭集団に取り付こうとした時に悲劇が起こりました。
後ろから猛烈な脚で上がってきたダイイチルビーと入れ替わるような形で後退していくミラクル。
そのまま勝利したルビーの後方で競走中止となりました。
レース後の診断結果は左第一趾骨粉砕骨折と診断され、予後不良で安楽死の措置がとられる事になりました。
デビューしてわずか8ヶ月での出来事でした。

◆その死について

「過酷なローテーションがミラクルを死に追いやった」と馬主さんは叩かれたそうですが「ケイエスミラクルは使い潰された」という評には疑問符が付きます。
ミラクルが所属していた高橋厩舎では「使いながら馬の調子を上げてく」という方針で、出走数が多いからといって故障する馬が多かった訳ではありませんでした。
確かに8ヶ月で10戦は多かったと思いますが、有馬記念を制してミラクルとも戦ったダイユウサクは10か月で16戦した事があります。
ライバル馬と比較しても「スワンS→マイルCS→スプリンターズS」というローテもダイイチルビーと同じですし、ダイタクヘリオスに関してはそれ以上にハードなローテを歩んでおります。
調教の仕方や仕上げ方が今とは異なりますので、現在の物差しで測るのは如何なモノかと思う次第です。
加えて申し上げれば引退後の事を考えますと、ミラクルの様に脚部に不安のある馬は乗馬用の馬にはなり難いという点と、GⅠを勝利出来れば種牡馬になれたかもしれません。
馬主のエゴと言ってしまえばそれまでですが、ミラクルの老後を考えたら無理をしてでもGⅠを獲りに行った選択が間違えだったと断言は出来ないと思います。

◆もしもの話

もしもミラクルがスプリンターズS後も無事だったら・・・
ミラクルと同い年のヤマニンゼファーが本格化し、1歳下の天才少女・ニシノフラワーと最強スプリンター・サクラバクシンオーが台頭してきます。
この年のスプリンターズSを逃せばどちらにせよGⅠ獲得チャンスはなかったかもしれません。
ケイエスミラクルという競走馬に関する文献は非常に少なく、現役が短かった上に重賞も1勝してしておりません。
そんな目立たなそうな競走馬がウマ娘化されたのは多くの競馬ファンから惜しまれたからであり、惜しまれた理由は「8か月で3回もレコードを更新し、当時最強の短距離馬達と互角に渡り合った」からです。
実馬を知らないウマ娘ファンからは「何でこんな戦績の馬が?」と思われるかもしれませんが、往年の競馬ファンからは「よくぞこの馬を拾ってくれた」と目頭が熱くなってしまうのです。
私もウマ娘化した競走馬の中で「ぇえ!マジ?」と一番驚かされたのがミラクルでした。

◆エモい

ダイイチルビーは91年のスプリンターズS後にフケのため不振に陥り引退するのですが、本当はルビーミラクルに恋をしており、そのミラクルが目前で散ったことが不振の原因ではないか?と一部のファンの間では囁かれておりました。
そして一頭残されたヘリオスが盟友メジロパーマーと出会うと。
ウマ娘でその通り再現されている訳では無いのですが、ウマ娘を未プレイの当時の競馬ファンはウマ娘を始めて生まれ変わったミラクルの雄姿を目に焼き付けて下さいお願いします。
それでは、良きウマ娘ライフをノシ

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