アニメ批評その1004 ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~
評価:★★★(とことん自分本位な点が面白い)
概要
餅月望による日本のライトノベル。
小説投稿サイト「小説家になろう」にて2018年8月から連載開始。
TOブックスより2019年6月から刊行されている。
コミカライズ版が「COMICコロナ」で2019年8月12日から連載開始。
「コロナEX」のオープンにより移籍となり最新話はそちらで掲載。
本作を原作とした「従者たちの物語」を描いたスピンオフ『ティアムーン帝国物語〜従者たちのお茶会〜』が同サイトにて、2023年1月30日より連載開始。
2023年12月時点でシリーズ累計部数は200万部を記録している。
『このライトノベルがすごい!』単行本・ノベルズ部門では2021年版で6位を獲得。
あらすじ
崩壊したティアムーン帝国で、わがまま姫と蔑まれた皇女ミーアは処刑されたが、再び目覚めると自身が12歳の頃に逆戻りしていた。
処刑までの出来事をミーアが書き記した血染めの日記と処刑までの記憶を頼りに、ギロチン処刑を回避しようと、失敗した人生をやり直す日々が始まった。
ミーアの本音は「我が身の安全第一」。
仇敵を遠ざけ、人脈作りに励むうちに、身勝手なはずの行動とは裏腹になぜか周囲の忖度で大陸全土の未来を大きく変えていく。
ティアムーン帝国物語〜断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー〜 - Wikipediaより
上坂すみれさん演じる可憐なミーア様が主人公です。
20歳で処刑されてしまいますが、12歳の頃にタイムリープし、
「我が身の安全第一」をモットーに不幸な未来を変えようと奔走する物語です。
本作は流行りの悪役令嬢モノのジャンルに括られる作品ですが、他作品とは少々内容が異なります。
異世界転生モノではありませんし、タイムリープをしており過去の失敗を教訓にしてはいるのですが、中身はポンコツのままです。
しかし、周りの勘違いから「帝国の叡智」と褒め称えられ、まるでオバロのアインズ様を見ているかの様で面白いです。
一応多少は改心してますし、過去の失敗を教訓にはしているのですが、基本的に自分本位な部分は変わっておらず、自分ファーストで行動した結果、
予期せぬ結果を招くも、思ってた以上の成果が上げられたり、周りに認められてゆきます。
未視聴の方は「顔芸が激しい方なのかな?」と思われたかもですが、基本的には可愛いのです。
基本的にはw
先にも述べた通り、中身はポンコツのお姫様で、性格も良いとは言えません。
相手に意地悪したつもりが感謝されたり、前の世界線で仲良くなれなかった人物が好意的に接してきたりと、ミーア様が戸惑うシーンが非常に多く、その度に笑わせてくれます。
一応ラブコメ要素もあります。
前の世界線でパッとしなかった人物かミーア様の影響で逞しい男になったりしますし、国同士のトラブルも解決していきますので、コメディー的な面白さにプラスで楽しめる面もあるのが高評価です。
◆残念な点
2点だけ残念な箇所がありまして、戦闘シーンの作画と表現力がカスです。
そこがメインじゃないといっても、もう少し頑張って欲しい処ではありました。
もう1点はナレーションがたまにウザく感じてしまった点です。
合いの手の様に差し込まれるナレーションですが、面白い時もあればそうで無い時もありました。
◆他作品との違いが高評価
悪役令嬢モノは似た様な作品が多く、若干飽和状態な気がしてなりません。
本作もそのジャンルに属すると思うのですが、他作品には無い魅力があるのが強みです。
悪役令嬢といってもほぼほぼご令嬢は善人と相場が決まっている中、本作のミーア様は決して善人という訳ではありません。
死を体験して改心した部分はあるのですが、自分本位である点は全く変わらず、自分の身可愛さにした行動が、結果的に良い方向に転がっているというのが面白い点です。
「悪役令嬢=未来が暗い」というのも常識的な感じになってきましたが、本作は主人公本人が善行を積めば助かるという訳では無く、国同士の争いを沈めたり、陰で暗躍する組織をどうにかしたりしないとイケ無い点では生き残りのハードルが高く、その点に置いても退屈せずに視聴する事が出来ました。
TVアニメ「ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~」ノンクレジットOP映像|上坂すみれ「ハッピーエンドプリンセス」
「またすみぺが変な歌を唄わされてる…」と思ってしまったのは秘密ですが、OPも結構評判が良かったので、コチラをご覧になってから視聴なさるかどうかご検討頂ければと思います。
ポンコツで天然なミーア様をどうか宜しくお願いします。
それでは、良きアニメライフをノシ