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アニメ批評その1054 将太の寿司 心にひびくシャリの味

評価:★(是非原作の漫画を読んで欲しい)

概要

寺沢大介による日本の漫画作品(料理漫画)

東京世田谷区にある名店・鳳寿司で働く少年・関口将太が、創意工夫を凝らした寿司によってトーナメント方式の『寿司職人コンクール』を勝ち進み、日本一の寿司職人となることを目標に奮闘する物語である。

料理勝負の合間に登場人物の人間ドラマや食材を探し求める短編のエピソードが挿入され、交互に展開する作品構成は『ミスター味っ子』を踏襲している。

物語の時間軸は3年間であるが、トーナメント(対戦)が長丁場に続くこととなり、1年弱で完結した前作『WARASHI』を大幅に上回る長期週刊連載の要因となった。

また、全国大会編からはアニメ版『―味っ子』よりフィードバックさせた派手なリアクションシーンも多く描かれた。

将太の寿司 - Wikipediaより抜粋

原作は単行本累計38巻で、実写化も果たした人気料理漫画です。
アニメに関しては50分弱のモノが1本だけ制作されました。
今回はその貴重なアニメと原作について、軽くですがご紹介させて頂きます。
※ネタバレ注意※
ガッツリとネタバレしますので、ご視聴の予定がある方はご注意下さい。
それでは、イキます。

主人公の将太くんは東京は世田谷区にある名店・鳳寿司で修行してます。

開幕いきなりパイセンのパワハラを受ける将太

同僚に慰められた時に「まぁ俺が悪かったし」みたいな事を言っておりますが、パイセンに謝って無かった気がします(良く無いですね)

親方がハワイ旅行中に突如「俺を雇え」と流れの職人が自分を売り込んできます。
この時はパイセンが断るのですが、

鳳寿司の看板職人が重傷を負います。
超展開に思われるかもですが、本作においてこの程度のトラブルは些細な事です。

名店といっても鳳寿司には親方を含めて、お寿司を握れる職人が三名しかおりません。
※将太はまだ見習い
パイセン一人でテンパってる処に、

再び謎の男が来店し、鳳寿司で働く事になります。

突如テレビ局の撮影が入りそうになったかと思えば、

突然の人形劇です。
将太の寿司フリークの私でも、この流れは読めませんでしたw

流れの寿司職人に喧嘩を売る将太
己の進退を賭けての勝負となるのですが将太はまだ見習いであり、魚の捌き方すら教わって無い新米です。
流石に自分に自信を持ち過ぎです。

「これから面白くなりそう」という場面で、再び人形劇です。
後で調べて分かったのですが本作は政府の広報番組で、スポンサーが農林水産省でした。

本編に戻り、新米の将太はぎこちない手つきでお寿司を握ります。

対して流れ職人の方は華麗な包丁さばきを披露します。
しかし将太には必勝の策があったのです。

米です。
わざわざ田舎の方まで足を運んで、チート米を仕入れていたのです。

審査員?であるお客さん達も将太のお寿司に大満足です。
しかしこの作画力には感心できません。

ショックを受け、負けを認める流れ者。

最後も人形劇で終幕です。
将太が言い放った「みんなお米の味を忘れてなかったんだ!」という台詞が、客を馬鹿にし過ぎてて草でした。
米のおかげで勝つってズルくないですか?
っていうか、鳳寿司も名店ならもっといい米使えよw

◆原作について

アニメは1999年にスタジオコメットが制作したとされておりますが、実情は動画・作画の多くを海外に外注していたそうです。
予算やスケジュールの都合で残念な作画になったのは致し方無いと思えなくもありませんが、作中のBGMの酷さが凄過ぎでした。
原作の漫画の方はアニメのインパクトが消し飛ぶほど凄い作品で、今回は軽くですがご紹介させて頂きます。

今ではリーガルアウトになりそうなパワハラが当然の様に横行する世界観で「昭和って怖いなぁ」とコメントする方が多いのですが、本作は平成の作品です。

将太は様々な職人と対決するのですが、大体が人格破綻者です。

将太の実家もお寿司屋さん(巴寿司)なのですが、ライバル店である笹寿司の嫌がらせが完全にリーガルアウトです。

裏から手を回して巴寿司が魚を仕入れられなくしたり、店先にゴミをぶちまける程度の事は軽いジャブです。

本気を出すと巴寿司に協力的な漁師の船のエンジンをぶっ壊したり、職人を直接闇討ちしたりもします。

作中の笹寿司のやり口が余りにも汚過ぎてヘイトを買い、実在店である笹寿司さんに熱い風評被害が出てしまい、原作者の寺沢先生が直接謝罪しにイクという事態に発展したのは、不謹慎ながら少し笑ってしまいました。
作中では海苔の養殖場をガソリンを撒いて燃やしたりもしますので、たまに何の漫画か分からなくなる時があります。
料理漫画には様々な名作がありますが有名作になれるのはほんの一握りで、比較的成功するのが難しいジャンルです。
その中でお寿司というジャンルのみで長期連載をした本作は、バイオレンスな描写に目を瞑れば紛れも無い名作だと思います。
アニメの方はご覧の通りアレですが、原作の方はとても面白いので機会があったら是非読んでみて下さい。
それでは、良きお寿司ライフをノシ

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