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アニメ批評その1065 ゆびさきと恋々

評価:★★★(手話×ラブコメ)

概要

森下suuによる日本の漫画作品。

『デザート』(講談社)にて、2019年9月号から連載中。

2023年12月時点で電子版を含めた累計発行部数は380万部を突破している。

あらすじ

耳の聞こえない女子大生糸瀬 雪は、困っているところを同じ大学の先輩である波岐 逸臣に助けてもらう。

耳の聞こえない雪にも動じることなく接してくれた彼に、少しずつ惹かれていく。

ゆびさきと恋々 - Wikipediaより抜粋

主人公の雪ちゃんは聴覚障害を持つ女子大生です。

会話の方法はスマホに文字を打ったり、手話がメインです。

そんな雪ちゃんがイケメンと出会って恋に落ちるという物語です。
視聴前の正直な感想を述べますと、

・手話や文字で会話するとなると、主人公の声が聞けないのかな?

・難しそうなテーマなので、楽しめるか不安

・原作者が女性なので、リアリティーが高過ぎ or 低過ぎになる可能性

こういった事を不安視していたのですが、杞憂でした。

イケメンがイケメン過ぎる点はやや現実離れしてるのかもしれませんが、男女共に好かれそうなナイスガイなので問題ありません。

主人公兼メインヒロインの雪ちゃんも、とても可愛いです。

声を出して話す事は無いのですが、心の声が台詞の代わりとなります(cv.諸星すみれ)
年相応の可愛さを兼ね備えながら、少しポエマーな点も魅力的に感じました。

手話は本作における重要なテーマの一つではあるのですが、手話自体全然知らなくてもお楽しみ頂けますし、通常のアニメに近いノリでお楽しみ頂けると思います。

イケメンさんはラブコメ作品にありがちな鈍感系男子ではありませんし、仲が進展しそうでしないといったヤキモキした事にもなりません。
しかしイケメンが雪ちゃんをとても大切に扱うので、同じ人類とは思えませんが嫉妬心などは湧かず好感度を上げてゆきます。

主人公と彼氏の仲が順調な反面、三角関係が発生したりもするのですが、

胸糞悪い終わり方では無く、この手の作品では珍しいと感じる爽やかな感じで解決します。

他人から見ればカッコ悪く見える系男子も、自分に置き換えて考えてみると共感しか湧かなかったりと、リアルさ加減が丁度いい塩梅といって伝わりますでしょうか?

ラブコメはコメディーテイストで無い場合、リアルさが全く感じられないと駄作になりがちですが、逆にリアル過ぎても人気が出ません。
登場人物がコメディー作品でも無いのに「そんな奴おらんやろw」といった感じだったり、ストーリーに無理がありますと「そんなシナリオ中学生でも書けるわ!」とディスりたくなりますが、逆にリアル過ぎると気持ち悪さを感じてしまいます。
アニメを観る男子は割合的に非モテが多く、そんな童貞の夢を打ち砕く様なアニメを好んで観る方は当然少ないですし、非モテで無くても「アニメの中くらい夢を見させて欲しい」と願っている方が多い状況でリアルな現実を見せても喜ばれないはずです。

自分が物語の主人公やイケメンになれない事が分かっていても、アニメを観る時くらいは夢を見させて欲しいですし、人間不信になる様な描写も程々にして欲しい処です。

ちなみに本作には字幕版がありますし、作画も良かったです。
少し制作カロリー高めだったのではないか?と感じましたが、きっと原作の良さから「ここまで手を掛けても大丈夫だろう」という事だったのではないかと思います。

主人公が言葉を発しないアニメはかなり珍しいので、ラブコメが好きという方で無くても試しに視聴してみて欲しいです。

実写版の方は観ていないので、言及は避けておきますね。
それでは、良きアニメライフをノシ

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