アニメ批評その1063 外科医エリーゼ
評価:★★(医療モノのアニメ化は難しい)
概要
yuinによる韓国のウェブ小説。
2015年12月30日から2016年4月27日までカカオページにて連載された。
また、miniによるウェブトゥーンが2017年9月18日から2021年2月16日までカカオページにて連載され、日本でもデジタル版が2018年7月25日にピッコマにて連載され、紙版が2019年8月からKADOKAWAより発売されている。
あらすじ
地球ではない違う世界、ブリチア帝国クロレンス侯爵家の長女エリーゼ・ド・クロレンスは、その恵まれた出自とわがままな性格により皇后まで上り詰めたものの悪行に明け暮れ、皇帝で夫でもあるリンデン・ド・ロマノフによって火あぶりの刑に処され命を落とした。
2度目の人生では、前世の記憶を持ったまま現代の日本で高本葵として生まれ、前世の過ちを清算するために人を救う医師として生きてきたものの、ドイツに向かう際に航空事故に巻き込まれ、またも命を落としてしまう。
しかし、3度目の人生は1度目の人生と同じ15歳のエリーゼへと逆戻り。
二度と過ちは繰り返さないこと、再び医者として生きることを誓い、1度目の人生で処刑されるまでの記憶と、2度目の人生で培った医者としての知識と技術を頼りに、自分とその周囲の者たちの死の運命を回避するべく動き始める。
主人公のエリーゼ(cv.石川由依)は悪役令嬢でしたが、火あぶりの刑に処されてしまいます。
その後、現代の日本に異世界転生し、お医者様になります。
「逆パターンは珍しいなぁ」とか思って観ていたのですが、結局航空事故に見舞われてお亡くなりになります。
で、三度目となる人生では元居た世界に時間が巻き戻って帰還します。
なるほど、なるほど…
死の運命から逃れる為に、今までの経験を駆使して生き残る道を探すという事かな?
「あたい、医者になる!」
イケメンと婚約する予定だったエリーゼですが、
なんと国王に逆らってまで、医者を目指す事となります。
一定の期間内に医師の資格を取るという条件で許しが出たエリーゼには、このイケメソが担当につきます。
「貴族の道楽に付き合わされるのはごめんだぜ」みたいな事を言ってたイケメソですが、
「緊急手術をします」
天才と呼ばれたイケメソ医師でも無理な手術に挑戦する医師見習いエリーゼ。
この手術の成否についてどうこう言うつもりは無いのですが…
医師見習いに手術させるとかw
何故許可が出たのか理解出来ません。
◆世界観がおかしい
中世のヨーロッパの様な世界観なのですが、何故か医療技術だけは数百年先を逝ってます。
医療技術だけでは無く、医療器具もそうです。
その部分の違和感が余りにも強すぎて、最後の最後まで気になって仕方がありませんでした。
で、医師見習いの技術や知識に国を代表する医師達が「すげー!」って驚くのが、つい笑ってしまいそうになります。
異世界転生モノでは「スゲー!」→「俺、なんかヤっちゃいました?」みたいな流れはありがちですが、それを医療現場でヤるのはアカンやろと思ったのは私だけでは無いはずです。
◆不幸を呼ぶ女
人畜無害な顔をしてるエリーゼですが、実はとんでもない女です。
1回目の人生では冤罪と思しき理由で一族ごと処刑され、2度目の人生では航空機の事故により多数の死傷者を出してます。
3回目の人生でも仲良くなった人達が次々に病魔に侵され、倒れてしまいます。
ここまで来ると、もうあの死神と同じに人種にしか思えなくなってきます。
◆本作の評価
色々とツッコミ処はあるのですが、私はそれなりに楽しんでしまいました。
本作が不人気だったのは内容が悪かったというよりかは、アニメ化したのが失敗だったのでは無いか?と愚考します。
医療モノの作品は実写化すると成功するケースが多いのですが、アニメ化して成功した例は記憶にありません。
漫画も成功例が少な目な事を考えますと、小説か実写以外は厳しいという結論に達します。
特に本作は異世界が舞台なので、実写化も少し難しそうです。
異世界転生モノとしても無双し難そうなので「ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」くらいな感じにして「医師の経験があります(キリッ)」的な感じの方が良かったのかもしれません。
最低評価は避けましたが、医療モノがお好きな方以外にはおススメ出来ません(★2)
それでは、良きアニメライフをノシ


















