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アニメ批評その1078 ガールズバンドクライ

評価:★★★(ロックしてる)

概要

東映アニメーション制作による日本のテレビアニメ。

2024年4月から6月までTOKYO MXほかにて放送された。

略称は「ガルクラ」。

あらすじ

17歳の井芹仁菜は親に反発して高校を中退。

上京して、大学進学を目指していた。

そんなある日、仁菜は自分に勇気を与えてくれたストリートミュージシャン河原木桃香と出会う。

仁菜の歌唱力と、世間への反抗心に惚れ込んだ桃香は自分とバンドを組もうと誘う。

勉強を理由に断ろうとした仁菜だったが、音楽の魅力に嵌まっていく。

2人の元には個性的な女子が集まり5人組のバンド、トゲナシトゲアリを結成する。

ガールズバンドクライ - Wikipediaより抜粋

「声優も知らない人ばかりだし、CGアニメだし、どうせ人気は出ないだろう」
ぐらいの感覚で視聴を見送ってechoさんにレビューを書いて貰おうとか思ってたのですが、既存のガールズバンドモノとは異なると聞いて視聴する事にしました。

この子が主人公の仁菜ちゃんです。
私が事前に得た情報では、

「やや引っ込み思案の普通の女の子。

小中高と目立たない存在で、成績もごく普通。特に大きな夢もなく、空気を読んで、みんなに合わせて生きてきた」

と公式サイトに書いてありました。
きっと奥ゆかしい性格の大和撫子なのでしょう。

前言撤回です。
思ってた以上にヤベー子でした。

本作は音楽の方向性もキャラの生き方もロックです。
ガールズバンドの有名作といえばけいおん!ぼざろなどが思い浮かびますが、どちらも可愛さが先行しており、それが悪いとは思わないのですがロック的な要素を強く感じる事が出来ませんでした。

本作に登場する女の子達は漏れなく可愛いのですが、それをウリにしている訳では無いのが従来には無かったテイストであり、私の中でも高評価でした。

「いやいや、ちゃんとロックしてたアニメもあったでしょ?」
確かにありましたが、音楽がメインのアニメで人気を得た作品はそう多くは無く、マイナー作や音楽がメインでは無いアニメと比較されても困ります。

しかも前評判が悪い以前に、全くといっていいほど情報が無かった本作が人気を得た事について深くお考え頂ければと思います。

◆本作が与えた影響

繰り返しとなりますが、曲調も生き方もロックなガールズバンドモノはかなり数が少なく、その中で人気を得たモノは今までにありませんでした。
ぼざろが成功したとはゆえ、ガールズバンドモノは成功数がそう多くは無く、ジャンルは異なりますがアイドルモノがかなり苦しくなってきている昨今を見るに「多人数の女の子が歌うアニメはもうウケないのかもしれない」という空気がアニメの制作陣にもファンの間でもあったのでは無いでしょうか。
それを打ち破ったのが本作であり、無名の声優を使っても内容が良ければ成功するという前例を作れたのは大きいと思います。

加えて本作はCGがメインというか、大半のシーンがCGです。
CGアニメは成功する率がかなり低いのですが、本作は2024年春アニメの中では円盤の売上がダントツの一位であり、文句なしの覇権作となりました。
これは不人気なCGアニメ界に良い風が吹いたと思います。

◆懸念材料

覇権作が必ずしも面白いとか万人ウケするという訳では無く、本作は結構人を選ぶ作品だと思ってます。
本作における懸念される点を3つほどご紹介したいと思います。
その1.CGアニメ

私はCGアニメには抵抗が無く、今までも多くのCGアニメを高評価して参りましたが、一般的なアニメファンはそうでは無い方の方が多かったりします。
本作を機に価値観が変わってくれれば良いのですが、CGだからという理由だけで嫌悪感が先に来て視聴を断念される方も少なからずいらっしゃる事でしょう。
その2.主人公の性格

作中でも「正論モンスター」とか「闘牛場の牛」などと呼ばれている仁菜ちゃんですが、アニメファンの間でも「性格が悪過ぎるのでは無いか?」「我儘が過ぎる」「イライラさせられる」などの意見が多く、アニオタが理想とする可愛らしい女の子像からは程遠い感じがあります。
ロックな生き方をする女の子がロックな曲を歌ってる訳ですから、性格もロックで無いとおかしいのでは?と思うのですが、正しいとか間違ってるとかでは無く好みの話を持ち出されると私は何も言えなくなってしまいます^^;
まぁ、アニメの中くらいは理想的な女子を愛でたいという気持ちは理解出来ます。
その3.声優の演技がクソ

プロの声優も出演しておりますが、主人公含むメインの5名は全員素人さんです。
本作のプロジェクトに際してこのメンツが集められた様ですが、声優の卵というよりかは声優に関しては素人と言っても過言ではありません。

この二名の演技力はまだ大丈夫なレベルですが、他の三名が「タレントさんが声優初挑戦!」ぐらいのレベルで、ちょっとキツイというか「大丈夫か、これ?」と心配になるレベルだったりします。

TVアニメ『ガールズバンドクライ』ノンクレジットオープニング|トゲナシトゲアリ「雑踏、僕らの街」
それを含めても面白いのが「ガールズバンドクライというアニメです。
OPでも作中でも所々アニメーションが差し込まれますが、もし本作が全編CGでは無いアニメーションだった場合、ここまでの成功を収められたかどうかは私にも分かりません。
ちゃんとよく見るとCGでは無いアニメーションの部分がかなり拙く観えてしまうのですが、それでもCGのみでは無いのが良かったのかもしれませんし、そうでは無いのかもしれません。

様々な面で前例の無い事が多いアニメで個人的にも好きなのですが、先に述べた通り無視出来ない懸念点がある以上高評価をして強くおススメするのは難しいと思ってます。

どうでもいい話ですが、私の推しはルパさんです。
CGアニメに抵抗が無い上に、キレやすい女子にも寛容な方はご視聴なさってみて下さい。
それでは、良きアニメライフをノシ

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