アニメ批評その1075 夜のクラゲは泳げない
評価:★★(色々と共感出来ない処がある)
概要
動画工房制作による日本のテレビアニメ作品。
略称は「ヨルクラ」。
渋谷を舞台に、少女たちの成長を描く青春群像劇。
2024年4月から6月までTOKYO MXほかにて放送された。
あらすじ
光月まひるはネットで人気のイラストレーターだったが、自信を失い、活動を休止していた。
だが彼女が路上の壁に描いたイラストを1人の少女が認めてくれた。
彼女は山ノ内花音。
アイドルグループの一員だったがネットで炎上した事で脱退、匿名シンガーのJELEEとして活動していた。
仲良くなった2人の前に、花音の大ファンだった高梨・キム・アヌーク・めいが現れる。
彼女は天才的な作曲家だった。
更にまひるの幼馴染で、人気Vtuberの渡瀬キウイも加わる。
匿名で活動していた4人の少女アーティストが集い、グループJELEEを結成。クラゲのように揺蕩いつつ世界に対して輝こうとする。
日常系アニメというよりかは、悩みを抱えた少女達の成長物語といった感じです。
挫折した元アイドルの女の子をトップアーチストに出来るか?みたいな目標を掲げて頑張るというテーマもあります。
百合要素があり、
おもしれー女が登場し、
とても可愛い女の子も登場します。
特にこの渡瀬 キウイちゃん(cv.富田美憂)は人気キャラであり、私も大好きだったりもします。
女の子達は大体可愛いし、難しい事を考えずに視聴すればそれなりには楽しめそうではあります。
が、やはりここは雰囲気だけで良し悪しを決めるのでは無く、ちゃんと内容も含めて評価する記事なので、ここからはちょっと辛辣な事を申し上げます。
◆全然共感出来ないし、感動もしなかった
何となく綺麗に纏まってる風ですが、細かい処を気にすると次々に粗が見つかってしまいます。
それぞれ強いコンプレックスを持った女の子達なのですが、私に言わせれば贅沢な悩みです。
まず全員が全員美少女です。
この時点で人生勝ち組だと思うのですが、恵まれてるのは容姿だけではありません。
実家は特にお金持ちという訳では無いのですが、イラストレーターとしての才能に恵まれ過ぎている天才です。
現実でも高校生の段階で神絵師と呼ばれる方がいらっしゃいますが、このまひるちゃんは長期間イラストを描いていなかったにも関わらず、大手事務所からデカい仕事を発注される程の凄腕です。
例えるなら、何年も野球をしていなかった子がいきなり甲子園のマウンドに立って完全試合を成し遂げるくらいのありえなさです。
絵師を舐めてるとしか思えないキャラ設定です。
問題行動を起こしてアイドルをクビになった子ですが、歌がお上手で実家はお金持ちです。
作詞が出来て、母親は芸能界で大きな力を持ってます。
どう考えても様々な面で恵まれてます。
色々あって不登校になりますが、VTuberとして一定の成功を収めている上に実家は裕福そうな感じです。
MVの制作などにも長けており、引きこもりだからといって不幸な少女として見る事は私には出来ませんでした。
名前や髪色を同級生にからかわれたり才能を妬まれたりした過去はありますが、有名な音楽学校に在籍しており、その中でもとても優秀な子です。
ピアノの演奏が得意で、作曲も出来る上にこの子も実家がお金持ちだったりします。
歌うのがちょっぴり苦手なのも、可愛いと感じました。
この様に3/4名の実家が太くて、全員が何かしらの才能に恵まれている状況で、なんだかんだで物事が上手く進んでゆくのを見ておりますと、流石にアニメとはゆえ都合が良過ぎる様に感じてしまいますし、共感や感動する事も出来ません。
ネットで叩かれる描写などはあるのですが、敵だと思ってた人達がそうでは無かったり、それどころか手を貸してくれたりもしますので、そういった部分を含めて苦難を乗り越えてる感が全くしなくて「イージーモードな人生だなぁw」と感じてしまいました。
もうちょっと家庭環境も含めて恵まれていない感じでバイトを全力で頑張らないとヤバいとか、才能的な部分で壁にぶち当たるとかがあれば良かったのかもしれませんが、これだけ楽そうな勝ち組人生を送ってる子達をさも苦労している感で見せられてもなぁ…と思ったのは私だけでは無いと思いたいです。
好き嫌いを語る時は「キウイちゃんが可愛かったのでアニメ自体も好きになりました」程度の動機で良いと思うのですが、良し悪しで語るなら具体的にどこがどう良いのかで語って欲しいです。
誰か私に本作の良さを教えて下さい。
それでは、良きアニメライフをノシ


















