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競馬ファンにありがちな決めつけについて


「3期が何故失敗しそうだと思ったのか?」の方が皆さん興味を持たれた様ですが、せっかくなので「競馬ファンにありがちな決めつけ」についても書く事にしました。

菊花賞後に故障して、ターフに復帰する事無く引退したミホノブルボンですが、もし故障が無かったらブルボンはGⅠを何勝出来てたのでしょうか?
私はブルボンの競争能力を高く評価してるので、JC→有馬→春天は負けるとしても安田→宝塚→秋天→JC→有馬と追加でGⅠを7勝くらいはしてくれそうだと思ってます。
しかしこれは私の願望も含まれてますし実際は、

JCは菊花賞の疲れがあって敗北→放牧→春天でライスに負け→早熟の為、安田記念含め以降勝ち星無し

みたいな残念な事になっていたかもしれません。
なのでブルボンファンの私は「ブルボンにはこういった可能性があった」と語る事はあっても「ブルボンは絶対にGⅠレースを10勝以上出来た!」などとは申しません。

難解な例として挙げさせて頂きますが、皆さんはウオッカとダスカのどちらが強いと思いますか?

・牝馬で64年ぶりにダービー制覇したウオッカの方が上だ

・直接対決ではダスカの方が勝ち越している

・GⅠ勝利数も獲得賞金もウオッカの方が上だ

・距離が伸びれば伸びる程ダスカの方が有利だ

獲得賞金やGⅠ勝利数だけで優劣が決まるなら、サイレンススズカはあれほどの評価を受けていなかったと思いますが、何を基準にするのかは人それぞれです。
年度代表馬や顕彰馬を決める投票ですら票が割れるのですから、人の数だけ判断基準があると思った方が良いのかな?と思ってます。

彼女達が現役だった頃は、私はウオッカの方が好きでした。
やはりダービーでの勝利が印象的で、秋天の勝利も含めてウオッカの方が上だとも思ってました。

が、ウマ娘のダスカは胸部や太ももが凄くて色んな事を新たに知って考えが変わりました。
気性的に問題がありマイペースで走れる事が少なかったダスカですが、もしレース展開が少しでも違っていたら秋天も含めてもっと凄い実績が出せていたかもしれませんし、成績が不安定なウオッカとは異なり、ダスカは連帯率100%です。
アンカツさんもそう言ってます。
だからといってダスカの方が強いとは言い切れず、そもそも勝負をするコースによってどちらかに有利不利が生まれてしまうので、この論争は一生結論が出ないと思ってます。

別にどんな理由でも良いですし、どちらが強いと思うと主張しても良さそうですが「GⅠ勝利数が多いウオッカの方が強いに決まってるだろう!」と言い切ってしまうのは暴論ではないでしょうか?
「〇〇な理由でコチラの方が強いと思ってます」くらいの意見を述べる程度に留めるのが、良識のある大人の対応です。

現役当時は日本最強と呼ばれたマルゼンスキーも、現代競馬にタイムスリップしてきたらどこまで通用するのでしょうか?
「マルゼンスキーは本気で走った事無いので、力を出し切れればGⅢ位は狙えるかもしれない」
「今だったら条件戦も勝てないだろうw」
どちらの意見も私は否定するつもりはありませんが、これが、
「絶対にGⅠの一つや二つは絶対に獲れる!」
と断言されてしまうと「そう言える根拠は何?」と否定的な気持ちになってしまいます。

ブルボンの話もそうですがファンが夢見るのは自由だと思いますし、そういった「たられば」談義をするのはとても楽しいと感じます。
ですが、その馬の関係者ですら分からない事を素人の部外者が決めつけで「こうだ!」と語るのはおかしな事で、私から見える範囲ではリアルでもネット上でも断定的な物言いをする競馬ファンが結構いらっしゃいます。

キタサンのピークアウトの話になりますが、実際にしてたかどうかは置いといて、多くのファンがそう感じてはいなかったし、史実改変が良いとしてもネガティブな方向の改変は宜しく無かったと思います。
今回の記事は「他に手が無かったのか?」という事を模索する記事ではありません。
当時のキタサンを知る競馬ファンの方々が「キタサンは絶対にピークアウトなんてしていなかった」と断言しているのを問題視しておりまして、過去記事でも繰り返し申し上げてる通り競馬において断定的な物言いをするのは間違った発言なのです。
「当時のキタサンからは、ピークを過ぎた印象なんて全く受けなかった」
程度だったら良いと思いますし、私もそう感じております。

私はもう長い事馬券を買わずに、競馬を純粋にスポーツとして見ております。
そのおかげか割と冷静な視点で見る事が出来てるのですが、馬券を買っている方の多くはそうではありません。
「競馬に絶対は無い」という格言がありますが、まさにその通りです。
絶対的な大本命馬が惨敗するケースもありますので、競馬において「絶対にこの馬が勝つ!」みたいな発言はご法度です。
本当に絶対の絶対、100%勝つと信じてるのであれば全財産賭ければ良いでしょうし、それをしていない時点で心の底から絶対だとは思っていないはずです。

引退した馬の強さについて語る時はどうしても好き嫌いが入りがちで、特に馬券で勝たせてくれた馬とそうで無い馬の差というのも大きいモノです。
ネタキャラ感の強いツインターボも、もし抑える競馬が出来たらGⅠを勝てるぐらいのポテンシャルはあったのかもしれません。
そういった「たられば」を語るのは大いに結構ですが、自分の価値観だけで断言しちゃうのは違うよね?というのが私の主張です。
競馬は知れば知るほど疑心暗鬼になりますし、未だに「競馬必勝法」みたいな怪しい情報を売る輩が後を絶ちません。
競馬の必勝法が本当にあるのなら、人に情報を売らずに自分だけ儲けるはずです。

私の意見に対する反論として「ピークアウトしてたかどうかはわからないと断定するなら、その根拠を示せ」と言われたのですが、ピークアウトしてたかどうか分からないから断定出来ないよね?という意見です。
何度も書いてる事ですが、もう一度だけ纏めておきますね。
・ピークアウトしたかどうか?→関係者ですら見誤る事がある
・ピークアウトしてる様には見えなかった→部外者の素人の意見

・関係者の証言→本当の事を言わない(言えない)事が多い業界で真に受けるのはどうなのか
戦績だけでその馬のピークを推察する事は出来ても、断定する事は不可能です。
関係者の証言についても、馬主と調教師と騎手がそれぞれ違う事を言う場合もありますので、そういった時は誰の証言が真実に近いのかを推測するのは面白いかもしれませんが、やはり断定は出来ないでしょう。
仮に関係者全員の証言が一致していたとしても、基本的に現役の種牡馬や繁殖牝馬の評価が下がる様な発言は控えるでしょうから、そのまま鵜吞みにするのもどうかと思います。

オグリの現役時代から競馬観戦を始めて、ギャロップの創刊号からそういった書物を読み漁ってた私からすると、競馬界は本当の事を言い難い業界なのかな?と感じております。
何十年も経ってから「実はあの時は…」という話が後からポロポロ出てきますので、競馬記者や予想屋の話同様、ある程度参考にはなるけれども事実としては受け止めない様にしています。
人間もスポンサーに配慮する必要があるのは競馬の馬主との関係に似てますが、繁殖入りとかは競走馬ならではなので、多方面に配慮する必要があります。
そういった苦労に理解を示しつつ、競馬というスポーツに関わる全ての関係者にリスペクトを忘れずに感謝の心を持って、今も競馬を楽しんでいる私です。

野球やサッカーなど、人間がヤルスポーツでもピークアウトしてるかどうかの判断を見誤って、全盛期を過ぎた使い物にならない選手を獲得してしまう事があります。
競馬の場合その難易度は格段に跳ね上がり、馬の気持ちや競争能力などを見抜くのは至難の業です。
自分の感想を述べるまでは良いとして、断定的な物言いはヤメておきましょう。


<追記>
「年度代表馬に選ばれたキタサンがピークアウトしている訳が無い」
「国際レーティングが云々」

直接言われる前に書いておきますね。
年度代表馬=最強場ではありませんし、ピークアウトしてるかどうかも関係ありません。
年度代表馬というのは「年間でもっとも活躍した競走馬に送られる賞」という事で強さでは無く、実績を第一の基準としております。
実績=強さでは無い事くらいは分かりますよね??
しかも(ほぼほぼキタサンに票が入ってましたが)満票で選出された訳ではありません。
国際レーティングもある程度の指標にはなるのですが、100%の精度という訳ではありません。
サッカーのFIFA世界ランキングですらも精度に難があると言われがちなのですが、同じレースで走った事が無いのが当たり前の競馬を、国際的な基準で点数付けするというのはどう頑張っても無理があると思います。
私もそういった情報を元に「キタサンはピークアウトなんてしていない」と判断しましたが、その考えを人に押し付けるつもりは毛頭ありません。
私の周りにはギャンブルの中毒者が結構いらっしゃるのですが、競馬以外のギャンブルをされている方が「絶対」という言葉を使う事は稀です。
絶対に勝てるギャンブルなんてイカサマ以外だったら、パチスロの天井とかパチンコの潜伏確変/遊タイムくらいしかありません。
馬の強さやピークの話はギャンブルの話からは反れますが、競馬ファンからは「絶対にこうだ!」とおっしゃる方が多い事をご認識頂けましたら幸いです。


それでは、良き競馬ライフをノシ

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