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アニメ批評その1128 小市民シリーズ

評価:★★★(ヒロインが賢くて魅力的)

概要

米澤穂信の推理小説のシリーズ。

創元推理文庫(東京創元社)より2004年12月から刊行されている。

中学時代に問題事を推理したがる性格で苦い経験をした高校生・小鳩常悟朗と、常吾朗と似た境遇を送った同級生の小佐内ゆきの「小市民」を目指すために互恵関係を結んだコンビが、平和な高校生活を求めながらも日常の中で発生した事件の謎に挑む様を描く。

物語はおもに主人公であり探偵役でもある小鳩常悟朗の一人称で語られ、もう一人の主人公である小佐内ゆきの心情はブラックボックスにすることがシリーズを続ける方向性となっている。

〈小市民〉シリーズ - Wikipediaより抜粋

作風は氷菓に、化物語要素を足した様な感じです。

それもそのはずで、原作者の米澤先生は氷菓の作者でもあります。
なので主人公が推理して語るシーンが多いのは当然の事だったりします。

本作の主人公は氷菓奉太郎くんばりに、いやそれ以上に賢く、ずば抜けた頭脳の持ち主であり、昨今よく見るなんちゃって賢いキャラとかではありません。

◆本作のマイナス部分

個人的には面白いと感じましたが、
「期待してた程では無い」
「思ってたのと違う」
という感想を多く目にしました。
その理由について考察…するまでも無くすぐに分かりましたが、本作はアニメ向けでは無い作品です。

本作の醍醐味は長台詞の会話シーンなのですが、そこを楽しめずに退屈に感じる方が多かったと推察してます。

冒頭に「化物語要素」と記載しましたが、長台詞の会話シーンが多めな点と、その時の非日常的なシーンの挿入具合が似ていると感じました。
化物語の方は会話シーンの中に笑いがあったりもするのですが本作にはそういった要素が薄く、怪異などの化け物が出て来る訳でも無ければ、人間離れした戦闘シーンがある訳でもありませんので「会話シーンばかりでつまらない」と感じる方が多いのは仕方の無い事です。

化物語の方は見どころが会話シーンだけでは無い上に、魅力的なヒロインが多数おり、更に非日常的なシーンも豊富かつ分かりやすく描かれております。

それに対して本作は非日常的なシーンの描き方が下手くそで、空想上の世界なのか場面転換したのかが分かり難く、ほんの一瞬ですが混乱させられる事があります。
まぁ制作会社が経験値低そうなラパントラックなので仕方無いかもですが、多くの視聴者はそんな事情を考慮しませんので「氷菓の劣化」とか「なんちゃって化物語」といった酷評をする方がいらっしゃる訳です。

◆本作のプラス要素

ストーリーが良いとか主人公が賢いとか色々あるのですが、本作最大の魅力は…

ヒロインであるゆきちゃんが優秀かつ可愛いという点です。

氷菓のえるたそは確かに可愛かったのですが、彼女は好奇心旺盛なイイとこのお嬢様というだけで、突出した才能があった訳ではありません。

ゆきちゃんの方は賢い主人公顔負けの頭脳の持ち主で行動力も半端無いので、可愛いとか抜きにしても非常に魅力を感じるキャラとなっております。

で、その上でとても可愛いキャラなので「ちょっとどうかな?」と思う処があっても全然許せてしまいます。
魔法が使える様なファンタジーな世界観ですと優秀な女性キャラが多数登場しがちですが、現実に即したアニメでここまで賢くて行動力のある女性キャラというのは大変珍しいと思いました。

最後の方には想像していた以上にヤベー女である事が分かりますので、会話シーン長めでも我慢出来そうな方は是非ご視聴なさって下さい。

TVアニメ「小市民シリーズ」第2期決定PV|2025年4月より放送開始
人気アニメになる条件を色々と満たせていない本作ではありますが、決して駄作ではありません。
制作会社の力不足は感じますが、2期では少しでも良くなっている事を期待しております。
それでは、良きアニメライフをノシ

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