アニメ批評その1310 SANDA
私はクリスマスが嫌いです。
幼少の頃「何故ウチにはサンタさんが来てくれないの?今年は来るかな?」とお母さんに尋ねた処「サンタさんは死んだんだよ!」と言われました。
お父さんに「サンタさん死んだの?何で!?」と尋ねた処「まぁ、年取ってたからね…仕方ないね」と言われました。
だから我が家でクリスマスが祝われた事は一度もありませんでしたし、勿論クリスマスプレゼントを親から頂いた事もありません。
もう一度言います。
私 は ク リ ス マ ス が 嫌 い で す 。
さて、今回はechoさんがサンタさんのアニメをレビューしてくれまんた^^
それでは、どうぞです。
評価:★★★(唯一無二な世界観。子供でいる事、大人になる事を考えさせられる)
概要
SANDAは、週刊少年チャンピオンで連載された、板垣巴留の漫画を原作としたアニメ。
少子化が進んだ近未来の日本を舞台に「サンタクロースの末裔」である主人公が子供たちを守るために戦う。
2025年10月から、毎日放送『アニメイズム』枠ほかにて放送された。
アニメーション制作はサイエンスSARU。
あらすじ
クリスマスのない12月25日。
中学生の三田一重は同級生の冬村四織に命を狙われていた。
襲われる理由が思い当たらない三田は、冬村が自分に好意を寄せていて、思春期の不器用な行動によって暴挙に出たのだと思い込む。
放課後、冬村と二人きりになった三田は、告白されるのを待っていたが、彼女の口から出たのは…
チャンピオン連載のバトル漫画が原作です。
原作者は『BEASTARS』を手掛けた板垣巴留先生です。
舞台は近未来の世界。
少子化が進み子供が極端に保護される中、サンタクロースの末裔である三田が、子供たちの願いを叶えるためサンタに変身して戦う物語です。
あらすじだけ聞くと変身ヒーローもののような内容ですが、そこは板垣巴留先生、そんな単純な話ではありません。
最初に三田に助けを求める冬村さんは、中性的な見た目に少年のような純粋さとひねくれ方をもった、非常にアンバランスな魅力を持つ少女です。
彼女は行方不明になった親友の小野さんを探すため、三田が本物のサンタかどうかを力ずくで試そうと、冒頭からいきなり襲いかかってきます。
願いを叶えるためなら手段を選ばない、その純粋ゆえの凶暴性に圧倒されます。
三田は当初「もしかして冬村さんは自分に惚れているのかも」と浮かれていましたが、サンタへ強制的に変身させられたことで、冬村さんを「守るべき存在」として認識(父性の目覚め)し、彼女の願いを叶える決意をするのでした。
このアニメの面白さは、その独特で残酷な世界観にあります。
超少子化により、子供たちは「資源」として完全に管理・保護されています。
過度な成長を抑制するために睡眠すら制限されており、もし寝て大人になってしまえば、学園から追放され「子供」としての特権を失ってしまいます。
また、子供たちに夢を見せ、管理社会の秩序を乱す「サンタクロース」は、大人たちから危険視され命を狙われる。
そんな、我々の常識とは大きく異なる歪んだ未来が描かれています。
主人公の三田は、サンタクロースに変身することで「老化」を疑似体験することになります。
変身後の体は大きく強大なパワーを手にしますが、同時に老眼に悩まされるなど、単なる超人化ではない「老い」のリアルな不便さも描写されます。
さらに過酷なのは肉体の変化に伴って、子供たちに対する「父性」が強制的に芽生えてしまう点です。
それによって、自分もまだ子供であるはずの三田にとって、同級生は「等身大の友人」から「願いを叶え、守るべき対象」へと変わってしまいます。
今まで抱いていた淡い恋心さえもが父性へと上書きされていく。
誰かを守るために自ら少年であることを捨て、孤独な大人の視点に立たされる…。
この葛藤こそが、切なく重厚な内面描写となっています。
アニメ制作は「サイエンスSARU」が手掛けており、作画のクオリティは非常に高いです。
キャラデザインは原作の持ち味を活かしたかなり独特なもので、初見では人を選ぶかもしれません。
特にヒロインの冬村さんは、背が高く手足が異様に長い、まるで少年のようなビジュアル。
しかし、そのスタイリッシュさと危うさが同居したアンバランスな魅力は、他では絶対に見られない唯一無二のものだと思います。
ストーリーも終盤に向けて深化していきます。
特に行方不明になった小野さんと冬村さんの埋められない溝は、三田と対比され「大人になること」について深く考えさせられる話になっていきます。
かなり独特で人を選ぶ作品ですが、他では見られないストーリーなので一度見てほしい作品です。
では、良きアニメライフを!