アニメ批評その1322 最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか
肉体言語で語るアニメをechoさんがレビューしてくれまんた。
評価:★★★(拳で語る悪役令嬢)
概要
最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうかは、小説投稿サイト「アルファポリス」で連載されたライトノベルを原作としたアニメ。
略称は「最ひと」。
シリーズ累計部数は187万部を突破している。
コミカライズが2019年から連載中。
2025年10月からTOKYO MXほかにて放送された。
あらすじ
舞踏会での婚約破棄。
それはよくある“悪役令嬢”への断罪シーンとなるはずでした ―
舞踏会の最中、婚約をしていた第二王子・カイルから、いきなり理不尽な婚約破棄を告げられた公爵令嬢・スカーレット。
さらには“新しい婚約者”がいると告げられ、ありもしない罪まで着せられてしまう。
幼少期から続いていたカイルの数々の嫌がらせにも“婚約者”という事で耐え続けてきたが、ついに我慢の限界を迎えてしまい…
「私の最後のお願いです。このクソアマをブッ飛ばしてもよろしいですか?」

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうかは、アルファポリスで連載されていた女性向けライトノベルが原作の悪役令嬢ものアニメです。

最近流行りの「悪役令嬢が婚約破棄されて、もっと上の王子に見初められる」という王道なろう系のテンプレートを踏襲しているのですが…。

一つ決定的に違うのは、ヒロインのスカーレットが何より人を殴るのが好きなことです。

貴族だろうと王子だろうと、殴って良いという「免罪符」を得れば容赦なく殴り倒します。

1話のインパクトは絶大です。
婚約破棄を突きつけてきた元婚約者のカイルやライバルのテレサだけでなく、場に居合わせた性格最悪な貴族たちを片っ端からぶん殴ります。
それを見ていた第一王子のジュリアスに見初められるのですが、スカーレットは隙あらば彼のことさえ殴ろうと狙っています。

一方のジュリアスも、スカーレットの暴力を特等席で眺めて楽しんでいるような節があり、この二人の適度な距離感と「お互いどこかズレている感じ」が意外と面白いです。

常に誰かを殴る理由を探していて、追い詰められると「殴る理由ができた」と喜ぶようなヒロインなので、暴力に抵抗のある人は注意が必要かもしれません。

また、展開はある程度決まったパターンを繰り返すため、かなり出オチ感が強いです。
これをマンネリ化と取るか、水戸黄門のようなお約束と取るかで評価は分かれますが、最初から最後まで「拳で語る」という一貫性を貫いている作品とも言えます。
個人的には、ジュリアス王子が最後まで「王子様ポジション」でありながら、どこか珍獣を愛でるような絶妙な距離感で寄り添っているのが割と好きでした。

ライバルのテレサにも意外な過去があったりとストーリー面でも楽しめると思います。
制作はライデンフィルムで、作画は大きく崩れる事は無く見やすいと思います。

ちょっとギャグ寄りではありますが、一風変わった「物理で解決する」悪役令嬢ものが見たい方にはおススメです。
では、良きアニメライフを!