アニメ批評その888 チェンソーマン
評価:★★★★(まともな奴から死んでゆく)
概要
藤本タツキによる日本の漫画作品。
『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて第1部「公安編」が2019年1号から2021年2号まで連載され、第2部「学園編」は『少年ジャンプ+』(同社)にて2022年7月13日より連載中。
2022年12月時点でコミックス計12巻の累計部数は2000万部を突破している。
「チェンソーの悪魔」に変身する力を手に入れた少年・デンジの活躍を描くアクション漫画。
主人公であるデンジは一般的な少年漫画に登場する王道のヒーロー像とは異なる「ダークヒーロー」となっており、凶暴かつ過激な演出や、衝撃的な展開が特徴。
2022年10月12日よりテレビアニメの放映が開始した。
あらすじ
悪魔と呼ばれる存在が日常に蔓延る世界。
少年デンジは死んだ父の借金を返すべく「チェンソーの悪魔」であるポチタと共に、悪魔を駆除する「デビルハンター」として生計を立てていた。
しかし借金は中々減らず、ごく普通の日常を願いながら、叶えるには到底届かなかった。
ある日、デンジは仕事を斡旋していたヤクザに騙され「ゾンビの悪魔」によって殺害されてしまうが、ポチタが心臓となったことで復活。
「チェンソーの悪魔」へと変身する力を手に入れたデンジはゾンビの集団を一掃し、現場に駆け付けた公安のデビルハンターであるマキマに導かれ、その身を管理されることになる。
先に申し上げておきますが、本作は人を選ぶ作品です。
人がたくさん死にますし、残酷なシーンが盛りだくさんです。
血も吹き出し捲りですし、見た目がグロい悪魔も多数登場します。
そういった要素抜きにしても、かなりショッキングな内容となっておりますので、予めご了承下さい。
デンジ(主人公)の相棒のポチタです。
ポチタはチェンソーの悪魔なのですが、ご覧の通り小学生が考えた様なデザインですが、逆に凄いと感じました。
ヤクザに騙されて死亡したデンジですが、ポチタが心臓となった事で復活し、悪魔の力を手に入れます。
本作の世界観は人間と悪魔が争ってまして、悪魔殺しをデビルハンターと呼びます。
現場に駆け付けた公安に保護されたデンジは、正式なデビルハンターとして活動する事になります。
デビルハンターは悪魔と契約して悪魔を狩るスタイルが基本ですが、デンジの様に悪魔と融合する様なケースもありますし、
悪魔なのに人間側につく者もいます。
その辺の設定は複雑に感じるかもですが、特に難しく考えなくても大丈夫です。
◆まともな奴から死んでゆく
この作品の悪魔は恐怖を力に変える事が出来るので、ビビりながら戦うと意図せず相手を強化する事になってしまいます。
なので、頭のネジが何本も飛んでいるヤベー奴ほどデビルハンターに向いてるという事になりまして、
デンジ含め、頭のおかしい人物が多数登場します。
◆マキマさんがヤバい
デンジを保護したマキマさんがヤバいのです。
最初は「ちょっとエッチで優しいお姉さん」くらいの認識ですが、
作中で一番ヤベー事に気付いた時に鳥肌が立ちました。
マキマさんに限らずですが、本作に登場する女性陣は萌えとは対極の方向性で、イメージ的にはブラック・ラグーンにいそうなお姉さん達ばかりです。
◆萌えポイント
頑張って萌えポイントを探した結果、パワーちゃんに行き着きました。
角の生えた魔人で、ワガママかつプライドが高く、すぐに裏切る上に調子にも乗りやすいというクズなのですが、おバカ過ぎて笑えます。
笑えはするけど萌えとは違う気がするので、更に頑張った結果、
一番萌えるのはデンジという結論に至りました。
すんごいバカに見えるのですが、まともな教育を受けていない16歳という事を考えれば仕方ありません。
頭のネジは緩んでる処か全く閉まって無い感じですが、純真無垢な心の持ち主でとても可愛いです。
ゲラゲラ笑いながら、敵を切り刻む男が最大の萌えキャラというのはどうかと思いますが、それくらいサイコなキャラ揃いで最高です。
◆アンチが多い?
原作勢の方からアニメの出来に対して苦言を呈す方々がいらっしゃいまして、アニメの作り直しの署名運動まで起こってるそうです。
私の様な原作未読勢からすると、作画も戦闘シーンのカッコ良さもかなりのレベルに感じましたし、特に不満に感じる処もありませんでした。
本作の制作陣は「漫画やアニメっぽさを消して実写感を出したい」という意図があるのに対し、批判的な方々は「アニメ(漫画)っぽさが足りない」という不満があるそうです。
これに関してはどちらが良かったのかは私も断言出来ませんが、アニメの方向性については原作者である藤本タツキ先生の許可は取っているはずです。
原作者がヨシとしたモノを作り直せというのはおかしいと思うし、他にアニメでよく見られるキャラのデフォルメ化はある意味手抜きとも言えますので、それを抜きで実写感を実現したMAPPAを私は凄いと思いました。
もしかしたら実写感を出さずに、笑えるシーンはデフォルメキャラを使ってコミカルな感じにした方が面白くなっていたかもしれませんが、それを素人が断言して語るのはどうなのかなー?と思ってしまいます。
アニメを2000本以上視聴していて、未公開分を含めたら1000本位のレビューを書いてる私でさえもそんな事は断言致しません。
そこまで言える方の経歴を知りたい処です。
『チェンソーマン』ノンクレジットオープニング / CHAINSAW MAN Opening│米津玄師 「KICK BACK」
視聴に悩んだ方は、コチラのとても情報量が多いかつ半端無くカッコいいOPをご覧下さい。
ちなみにEDは毎回異なるというこだわり仕様です。
批判する方のご意見は根本的な方向性の問題になりますので、可能であれば藤本先生から正式な声明があると嬉しいなと思います。
私はアニメの出来には大変満足しておりますので、私と感性の近い方は是非ご視聴下さいませ。
それでは、良きアニメライフをノシ