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アニメ批評その980 うたわれるもの 二人の白皇



前作前々作と厳しめの評価をした私ですが、echoさんが続編をレビューして下さいました。

評価:★★★(壮大な物語の結末。盛り上がるまで時間はかかるけど見る価値あり)

概要

うたわれるもの 偽りの仮面・うたわれるもの 二人の白皇はアクアプラスより発売されたゲームソフトを原作としたアニメ。

アクアプラスがLeafブランドで2002年にリリースしたアドベンチャーゲーム・シミュレーションRPG『うたわれるもの』の13年ぶりとなる正式続編作品。

前作のキャラクターも登場するが、主要登場人物は一新されており、前作を知らないプレイヤーでもストーリーが理解できるように配慮されている。

偽りの仮面が2015年全二十五話、二人の白皇が2022年に全二十八話で放送された。

あらすじ

青年は、気が付くと記憶を失って少女に介抱されていた。

少女の名前はクオンといい、旅をしていたところ雪原に倒れていた青年を見つけ、助けたという。

クオンは、記憶喪失の青年にハクと名前をつける。

行くあてもないハクは、クオンの旅に同行することになるのだった。

ゲームとアニメで展開された、うたわれるものの正式な続編です。
1期のうたわれるものは、26話で綺麗に完結しています。
世界観は同一なものの、主人公や舞台になる国は一新されて時代も1期の10数年後と言う設定です。
主人公のハクは記憶喪失の謎の青年。
一期の主人公ハクオロさんと同じく作中唯一の純粋な人間です。

ハクを助けたクオンは一見旅をする普通の少女ですが、非凡な戦闘力をもつどこか謎めいた少女で、序盤は二人で旅をしながら物語が進んでいきます。
1期で戦乱の末平和になった世界ですが、やがて戦乱に巻き込まれていくのも1期と同じストーリー展開になっていきます。
2期の偽りの仮面と3期の二人の白皇はセットになっていて、全53話で通して一つの物語です。

正直、1期が綺麗に終わっていて蛇足感はありますし、偽りの仮面では戦乱が始まらないので単体だと退屈な展開も多く「最初はこれやる意味あったかなぁ?」とアンチ的に見ていたのですが3期から展開が大きく変わり、後半見たいものが一気に回収されていくストーリー構成は見事でした。

特に1期のキャラクター達がストーリーに大きく関わりだしてからは面白さが加速していきます。
前作主人公達が敵になる展開は王道ながら熱いですし、1期で全貌が明かされなかった世界の謎も徐々に明らかになっていきます。
二人の白皇は完結編らしいストーリー展開で見たいものが全部見られた満足度の高い作品になっていました。

何より忘れてはいけないのは、主人公声優さんの演技力です。
偽りの仮面で主人公を務めた藤原啓治さんが二人の白皇収録前に亡くなられて、声優が利根健太朗さんに変わりました。
利根健太朗さんは作中で死んだ重要キャラクターを演じていて、その重要キャラクターの代役をハクがやると言うストーリーなのですが、声優としては逆転現象が起きてしまいました。
しかし、利根健太朗さんがハクと重要キャラを見事に演じ分けていて、藤原啓治さんがそのまま演じているかのように、全く違和感がなく、声優さんの底力を感じさせる熱演になっていました。
作画も時折怪しい場面はあったものの、全体的には良かったですし、話数をたっぷり使っただけに後半の見どころは思い入れたっぷりで見られると思います。

1期から併せて79話と気軽には見られない分量ですが、最後まで見れば損はしない作品です。
大河ドラマ的な作品が好きな人、骨太な作品が見たい人にはおすすめです。
では、良きアニメライフを!

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