アニメ批評その1021 薬屋のひとりごと
評価:★★★(誤解が多そうな作品)
概要
日向夏による日本のライトノベル。
架空の中華風帝国、茘(リー)を舞台に、後宮に勤める官女が王宮内に巻き起こる事件の謎を薬学の専門知識で解くミステリー、ファンタジー、ラブコメディ小説である。
2011年10月に小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始され、人気を得たことから第1部「後宮編」が2012年9月にRay Books(主婦の友社)から単行本として発売された。
その後、ヒーロー文庫(主婦の友社→イマジカインフォス)で2014年8月に第1部が新装刊され、以後継続されて発行されている。
2017年からは『月刊ビッグガンガン』(スクウェア・エニックス)と『月刊サンデーGX』(小学館)の月刊誌2誌で、それぞれ別の漫画家によりコミカライズ版が連載されている。
2021年11月時点でスクウェア・エニックス版のコミックス累計部数は700万部、2023年6月時点で小学館版のコミックス累計部数は850万部(電子版含む)、2024年3月時点でシリーズ累計発行部数は3300万部をそれぞれ突破している。
あらすじ
医師である養父を手伝って薬師として花街で働く少女・猫猫は、薬草採取に出かけた森で人攫いにあって後宮に下女として売られてしまう。
年季が明けるまで目立たぬように勤めるつもりだったが、皇子の衰弱事件の謎を解いたことから美形の宦官である壬氏の目に留まり、様々な事件の解決を手伝わされる事となる。
本作ほど様々な誤解を生んでいる作品も少ないかもしれません。
まず原作の小説が連載途中で出版社が変わっておりますし、漫画版も2種類あり、それぞれ別の企業の雑誌で同時に連載されておりますので「どれが本物の原作なのだ?」と混乱しがちです。
何にせよ原作が人気という事で、アニメに関しても前評判は非常に高かったです。
◆作品のジャンル
主人公の猫猫(マオマオ)です。
私が最も敬愛する声優である悠木碧さんが演じておられるのですが、本作のジャンルはミステリー&ファンタジー&ラブコメです。
舞台が女性率の高い王宮内でのお話なので、ドロドロの女たちの戦いに巻き込まれてゆく物語なのかな?と思っておりまして、それはそうなのですがそれだけでは無く、
ミステリー要素が強い作品だったりします。
ミステリーといっても怪奇現象などでは無く、人が犯した犯罪や奇行について調査して解決してゆく感じです。
猫猫はとても頭が良いので、コナンくんばりに難事件を解決していきます。
ファンタジー要素についてはかなり薄く、これは予防線というか保険の様なモノです。
実際に「時代背景を鑑みるに、〇〇があるのはおかしい」みたいな事を言い出す厄介ファンがおりました。
本作は史実の中国の後宮の話では無く「架空の中華風帝国」ですので、設定や言葉遣いに無理があるといった難問を全て解決しております。
これは原作者が賢いですね。
ラブコメ要素はこのイケメンと猫猫がイイ感じの仲になる・・・
という事は無く、脇役同士が結ばれるシーンが多いので、未視聴の方はそこを勘違いしている事が多いかもしれません。
◆主人公について
未視聴の方や序盤切りしてしまった方の中には「主人公はそばかす顔で可愛く無くね?」と思われた方が多そうですが、このそばかすは自分をブスに見せるために筆で書いたモノです。
すっぴんの猫猫はとても美人で、
お化粧をすると美しさが倍増します。
この部分で勘違いをして視聴を見送った方は、今すぐ認識を改めてご視聴なさって下さい。
とても可憐な猫猫ですが、性格や好みがぶっ壊れてます。
気に喰わない女官がいればヤキを入れますし、
恫喝する事もあります。
たまにボコボコにされる事があっても、決してめげません。
好みといえば薬になる薬草と酒
そして毒です。
お仕事で毒味役を務める時があるのですが、嬉々として危険物を食します。
何なら自身の体を使って毒の実験までヤリ出します。
この頭のおかしい女の役を演じられた悠木碧さんに関しては、イイ意味で実にハマリ役だったと思います。
◆萌え要素
イケメンからの好意を全力で避けようとする猫猫はとても可愛いですし、
たまにデフォルメ化するのも可愛いのですが、
最も可愛いのはヤブ医者のおっちゃんと、
恋する男子です。
イイ意味でも悪い意味でも視聴すると「思ってたのと違うw」と思われるかもしれません。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』プロジェクトPV/10.21 25:05日本テレビ初回3話一挙放送!
バトルシーンがある訳でも無いのに非常に作画が良く、前評判の高さに違わぬ仕上がりとなっております。
2期も決定しておりますので、まだご視聴なさっていない方は是非ご覧になって下さい。
それでは、良きアニメライフをノシ