アニメ批評その419 機動新世紀ガンダムX
評価:★(最低評価のガンダム作品)
概要
『機動新世紀ガンダムX』(きどうしんせいきガンダムエックス、英題: After War Gundam X)は、1996年4月5日から同年12月27日まで(テレビ朝日は12月28日まで)テレビ朝日および一部地方のテレビ朝日系列にて放送されたテレビアニメ。
全39話。略称は「GX」。
キャッチコピーは「月は出ているか?」「君は、生き延びた先に何を見るのか?」など。平均視聴率は2.75%。
『ガンダムW』は監督の池田成が中途で辞め、急遽『黄金勇者ゴルドラン』を担当していた高松信司がかわりに起用されていた。
ただし高松は最後までクレジットされていない。
同作の作業にもだいたい目処のついた頃に、次に製作するガンダムの監督のオファーを受けた。
高松はビデオソフトに封入されたインタビュー記事やDVD-BOX封入冊子インタビューで、「1995年11月に突然『ガンダムをやれ!』とサンライズから言われた」という趣旨の発言をしている。
また、サンライズプロデューサーの富岡秀行も同じDVD-BOX封入冊子インタビューで、当時「高松を推薦した」と述べている。
「好きなようにやっていい」と言われた高松は様々なアイディアを検討した末、自分の脳裏から離れなかった「荒野にただ1機、後姿で佇むガンダム」のイメージからインスピレーションを得て、この作品の制作に取りかかった。
制作までの時間がなかったことから、シリーズ構成を担当した川崎ヒロユキが最終的に全話の脚本を手がけた。
前作『ガンダムW』の成功を踏まえ、本作でも5人(主役側3+敵側2)の美少(青)年をセールスポイントとして打ち出しているが、前作のようなキャラクターを前面に出した作風とは趣が異なる。
またエンディングと次回予告の映像を同時進行させたこと、その最後に登場する登場人物の言葉をサブタイトルに採っているのも特徴となっている。
第1話のサブタイトル「月は出ているか?」は同作品を紹介した様々な媒体で引用されている。
あらすじ
スペースコロニーの独立運動に端を発する、地球連邦軍と宇宙革命軍との間で行われた大戦争、第7次宇宙戦争。泥沼化した戦いは、いくつものスペースコロニーが地球に落着し、人類のほとんどが死滅するという凄惨な結果を招き、勝者なきまま終結した。
それから15年が経過したアフターウォー(A.W.)15年。
第7次宇宙戦争で孤児となった少年ガロード・ランは、ジャンク屋やモビルスーツ狩りを生業として生きていた。
そこに、アルタネイティブ社のライク・アントという男から、バルチャー艦「フリーデン」に誘拐されたティファ・アディールという少女を取り戻してほしいという依頼を受ける。
しかし、ティファに一目ぼれしたガロードは、依頼者を見て激しくおびえたティファを連れ、依頼を破棄して逃走。
そしてティファに導かれたガロードは、第7次宇宙戦争で地球連邦軍の決戦兵器として使われた幻のモビルスーツ「ガンダムX」を発見し、アルタネイティブ社のMS部隊に対抗すべく起動させる。
その戦いの中で彼は、スペースコロニー落着の原因を作った禁断の戦略兵器「サテライトキャノン」を使用するが、その途端にティファは発作を起こして倒れてしまう。
フリーデンの艦長ジャミル・ニートに助けを求めたガロードは、ティファが「ニュータイプ」と呼ばれる人々の一人であり、人の思念を感知したり、未来を予知したりする力を持つこと、ジャミル達はニュータイプがかつてのように戦争の道具に利用されないよう保護する旅をしていることを知る。
ガロードはティファを守るためにフリーデンに乗り込み、自分たち以外のニュータイプ抹殺を目論むフロスト兄弟や、人工ニュータイプとして改造を受けたカリス・ノーティラスなどのライバルたちとの戦いを経てたくましく成長していく。
一方、地球連邦軍と宇宙革命軍の残存勢力も組織再興に動き始め、ガロード達は、その情勢にも否応なく巻き込まれていくことになるのであった。
「地球連邦軍」とか言ってますが、正史のガンダムとは無関係です。
本作は制作時間に余裕が全く無かった点や放送期間が短縮されたりと、色々と逆風の中制作されたせいか伝説の視聴率0%という記録を打ち立て、まるで打ち切りになったかの様な終わり方をしてしまいました。
期間短縮はあっても実際は打ち切りではありませんし、視聴率の低下も放送時間の変更が大きかったと思います。
「ガンダムシリーズの中で最低の作品」といった烙印を押されている本作ですが、良い所もあるのです。
本作の良い所
明るくて軽い感じかと思いきや、やる時はヤル主人公ガロード・ラン
悪くは無いのですが、彼単体ではガンダム作品の主人公としては役不足に思えましたが・・・
このガンダムシリーズのヒロインの中では屈指の可愛さを誇るティファ・アディールの存在が非常に大きいです。
ガンダムなのにラブコメ要素が強めなのです。
この部分が好きで「ガンダムXが好きです」という方も少なくありません。
そしてジャミル・ニートさんですが、名前が「ニート」なので凄い風評被害を受けてておもろい可哀そうです。
フロスト兄弟も良い味を出してます。
なのですが、「地球連邦軍」だの「ニュータイプ」といった語句が出て来るにも拘わらず正史とは関係無い話というのがマイナス要素としては十分でした。
Vガンダムの様な正史ルートではなかったし、ウイングの様なカッコ良さがあった訳でも無かったので、やはり人気作になるのは無理があった様です。
恐らく十分な制作期間があったとしてもウイングを超える事は難しかったと思います。
この作品にはこの作品なりの良さがありますが、ガンダムシリーズ史上最低の視聴率だったという事実は確かです。
加えて本作を視聴しなくても他作品をお楽しみ頂けますので、オススメ度としては最低評価の★1となります。
ラブコメ要素的にはガンダムシリーズで最も高評価です(個人的な意見です)
優先順位は低いけど、他のガンダム作品を観つくしたらご覧になって頂きたくはあります。
それでは、良きアニメライフをノシ