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アニメ批評その533 昭和元禄落語心中

私が観る事は無かったであろう渋い作品をechoさんがレビューしてくれました。

評価:★★★(落語家の半生を描いた濃厚な人間ドラマ)

概要

『昭和元禄落語心中』は、雲田はるこによる日本の漫画。

第17回2013年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第38回講談社漫画賞一般部門、「落語を巡る愛憎劇に高座の巧みな描写を織り交ぜた清新な表現に対して」第21回手塚治虫文化賞新生賞をそれぞれ受賞している。

2014年にテレビアニメ化、2018年にNHKでテレビドラマ化された。

あらすじ

刑務所帰りの元チンピラ・強次は、慰問で訪れた八代目有楽亭八雲演じる落語『死神』を聞いて感動し、出所後そのまま八雲が出演している寄席に押しかけて弟子入りを申し出る。

それまで「弟子は取らない」と言ってきた八雲だが、強次は付き人として行動を共にすることを許され、与太郎の名を与えられる。

八雲の家に住み込むことになった与太郎は、八雲の養女・小夏と出会い、彼女の実父で早逝した落語家・二代目有楽亭助六の芸風を気に入り、自らの芸に取り入れ精進するが、同時に助六の死と八雲、小夏にまつわる因縁の一端を徐々に知ることとなる。

ある日与太郎は、八雲の独演会で助六の落語をした上に練習不足から前座にもかかわらず舞台を冷めさせてしまう。

さらに舞台の袖で居眠りしてしまい、激怒した八雲に破門されてしまう。

雪の積もる夜、小夏立ち合いの下で必死に復帰を願い出る与太郎に対し、八雲は「破門しない代わりに3つの約束を守ること」を彼に命じ、自身と助六についての長い昔語りを始めた。

与太郎 / 三代目 有楽亭 助六(cv.関智一)
元チンピラ
本名は強次。
お調子者で人懐っこく、自他ともに認める単純な性格だが、他者に強く共感する優しさを持っており、涙もろい所もある。
兄刑務所で服役中に聴いた八代目八雲の死神に感動し「出所後の行くべき所」と決め、八代目八雲に弟子入りを志願、1人の弟子も取ってこなかった八代目八雲が気まぐれでこれを許し、入門となる。
入門後はしばらく師匠・八雲から稽古をつけてもらえない日々が続くなか、小夏が肌身離さず持っていた彼女の亡父・二代目助六のネタ帳から二代目助六と自身との気質の近しさを感じ、小夏の教えも受けつつその芸風を取り入れる。

菊比古 / 八代目 有楽亭 八雲(cv.石田彰)
「昭和最後の大名人」と称される人気落語家。
常に仏頂面で他者を寄せ付けない雰囲気を醸し出しており、幼少時に負傷して右足が不自由な為に外では杖が手放せない。
繊細かつ神経質な性格で芸事や礼儀作法には人一倍厳しく、辛辣で嫌味な物言いを多用する。
弟子を取らないことで有名であったが、気まぐれで与太郎を弟子に迎え入れた。
古典落語一筋で、艶笑噺や廓噺、怪談噺を得意とし、殊に登場する女性の描写においては同業者をして「惚れてしまう」と言わしめるほど。

初太郎 / 二代目 有楽亭 助六(cv.山寺宏一)
菊比古と同い年、同日入門の兄弟弟子。
戦後、二つ目途中で助六を襲名。
明るく大らかな性格だが、大雑把で女好きかつ金にだらしなくいい加減なお調子者でもあり、菊比古から度々金をせびっていた。
トラブルメーカーではあるものの人たらしでもあるのでどこか憎めない。
何を演じていても彼自身の個性が前面に出るため相性の合う噺は限られるが、相性の合う噺については強力な説得力を持つとされている。

みよ吉(cv.林原めぐみ)
菊比古と懇ろになっていた芸者。
年齢は菊比古、二代目助六の5歳上。
歌舞伎観劇で知り合った菊比古を気に入り恋仲となるが、七代目八雲の命令で菊比古から悲痛な心境で別れを告げられる。
その後、当てつけのように師匠から破門され傷心となっていた二代目助六との同棲を始め、小夏を妊娠した。

小夏(cv.小林ゆう)
かつて稀代の天才と謳われながら早逝した落語家・二代目助六のひとり娘。
両親を失い、父の兄弟弟子だった八代目八雲の養女となる。
亡き実父を敬愛し、その落語を「最高」だったと言って憚らない一方、滅多に家に帰らず自分達を養うためとはいえ如何わしい仕事ばかりしていた実の母に対しては恨みを抱いており、実父と因縁深い養父・八雲のことは、両親の事故死に関係していたことから「父ちゃんを殺した」と逆恨みに近い感情を抱いている。


落語家の半生を描く中で、愛憎入り乱れる濃厚な人間ドラマを描いた雲田はるこさんの漫画が原作のアニメです。
1期は新弟子の与太郎に八雲が自身の過去を語る形で戦後まもなくの時代を描く『八雲と助六篇』、2期は現代(昭和末期から平成)に戻って与太郎の成長と八雲との人間ドラマを描く『助六再び篇』になっています。
主人公は八雲に弟子入りした与太郎なのですが、物語の中心は師匠の八雲の半生と人間ドラマです。
八雲の落語や助六への愛憎入り混じる感情、落語への思いが濃厚に描かれていて、見ごたえは十分です。
ストーリーは人間ドラマが中心ですので落語に対する知識が無くても楽しめるんですが、メインとなる声優さんの演技には圧倒されます。
アニメの中で舞台に上がり、落語演じるシーンが結構な長尺であるのですが、メインの声優さんは石田彰さん、山寺宏一さん、関智一さんと名優を3人を揃えていますので、落語のシーンもしっかりと名調子を聞かせてくれます。
1期2期合わせて全25話となかなかのボリュームですが、視聴後に凄いものを見たなぁと心に残る作品だと思います。
濃厚な人間ドラマが見たい人、伝統芸能の世界観が好きな人にはおススメです。
では、良きアニメライフを!

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