アニメ批評その410 屍者の帝国
評価:★★(オーバーテクノロジー過ぎる)
概要
元々は伊藤計劃の第4長編として計画されていたが、冒頭の草稿30枚を遺して伊藤がガンで早逝、生前親交の深かった円城塔が遺族の承諾を得て書き継いで完成させた。
フランケンシュタインによる屍体蘇生術が普及した19世紀の世界を舞台とするスチームパンクSFであり、実在の人物に加えて主人公ワトソン始め多くの著名なフィクションのキャラクターが登場するパスティーシュ小説でもある。
2014年に劇場アニメ化が決定し、2015年に公開された。
第33回日本SF大賞・特別賞、第44回星雲賞日本長編部門受賞。第2回SUGOI JAPAN Awardエンタメ小説部門1位。
あらすじ
19世紀末、ヴィクター・フランケンシュタインによって屍体の蘇生技術が確立され、屍者が世界の産業・文明を支える時代が到来していた。
1878年、ロンドン大学の医学生ワトソンは、指導教官セワード教授とその師ヘルシング教授の紹介で、政府の諜報機関「ウォルシンガム機関」の指揮官「M」と面会し、機関の一員に迎えられ、アフガニスタンでの諜報活動を依頼される。
その目的は、屍兵部隊と共にロシア軍を脱走してアフガン北方に「屍者の王国」を築いた男カラマーゾフの動向調査だった。
アフガニスタンに到着したワトソンは、インド副王のリットン卿から「人間と同じ俊敏さを持つ屍者」の存在を聞かされ、カラマーゾフが新型の屍者を創造していると考える。
ワトソンは機関に所属するバーナビー大尉と記録専用屍者フライデー、ロシアから派遣された諜報員クラソートキンと共にアフガン奥地の「屍者の王国」を目指していた。
その途中、ワトソンはアメリカの民間軍事会社「ピンカートン」メンバーのバトラーとハダリーに出会い、彼らから「アダムに気をつけろ」と忠告される。
主人公のワトソンが死体の研究をし、
死者となった親友のフライデーを人として復活させる・・・事を目指す物語です。
コンセプト的にはかなり面白そうだな!と思ったのですが、
時代背景が1878年にしてはオーバーテクノロジー過ぎて萎えました。
死者を蘇生させる技術もですが、建造物を観ても「この時代にそれはないやろ」と思ってしまい、話に入り込めませんでした。
ゾンビになった死者が結構出てきます。
この物語ではゾンビは貴重な労働力として活用しているのですが、それが暴走してしまう感じです。
べっぴんさん(cv.花澤香菜)も出てきますが、やはり現代科学でも無理なスキルを習得してます。
実在する人物がちょいちょい出て来たり、地名や国名も実在するものを使ってるのでこれはいただけません。
架空の国や地名を使ってファンタジー色を強くすれば良かったんじゃないかと思いました。
主人公のワトソンもかの有名な・・・
これ以上はネタバレしないでおきますね。
原作を読んでいる方々からも、アニメだけでは恐らくわからないだろうなぁ・・・というご意見が多数でした。
作画、音楽に関しては全く不満がありませんので、色んな意味で勿体無かったなぁという感想です。ホモには人気がある作品だそうです
もしご視聴なさるのであれば、エンドロールは最後までちゃんと観て下さい。
それでは、良きアニメライフをノシ