アニメ批評その856 THE IDOLM@STER
評価:★★★(アイドルアニメの王道)
概要
A-1 Pictures制作の日本のアニメ。
バンダイナムコゲームス(現:バンダイナムコエンターテインメント)が発売した同名のコンピューターゲーム「アイドルマスターシリーズ」を原作としたアニメ化作品。
テレビアニメが2011年7月より 同年12月までTBSテレビほかで全25話が放送され、特別編1話が映像ソフト収録作品の先行放送としてBS-TBSで放送された。
2014年1月25日には映画『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』が公開された。
芸能事務所のプロデューサーとなって女性アイドルを育成するゲーム『THE IDOLM@STER』シリーズのテレビアニメ化作品としては、2007年にサンライズが制作した『アイドルマスター XENOGLOSSIA』に次いでの第2作である。
テレビ放送された作品に限定しない場合は、2008年の『THE IDOLM@STER LIVE FOR YOU!』に同梱されたフロンティアワークス制作によるOVA版を含めて3度目のアニメ化作品となる。
以前の『XENOGLOSSIA』が原案ゲームからスター・システム的に登場人物を踏襲しつつも担当声優が異なり、内容も原案ゲームとは「まったく別物」と形容されるようなSFロボットアニメなのに対し、本作は現代日本の芸能事務所を舞台に12人 の女性アイドルたちがスターへの道を歩んでいくという、概ね原作ゲーム『THE IDOLM@STER 2』の骨子を踏襲した内容となっている。
主要な参加スタッフは原作ゲームのファンを公言しており、また原作ゲームの世界を再現することが指向されている。
本作では、原作ゲームの劇中やその関連CDを通じて発表されてきた、登場人物たちの担当声優が歌うアイドルソングの数々も豊富に流用されている。
『XENOGLOSSIA』との相違
もともと原作ゲーム『THE IDOLM@STER』シリーズは、アニメ化が困難な作品であるとされていた。
というのも、原作ゲームにおけるプレイヤーの行動次第でストーリーが分岐するような要素はアニメで再現できず、さらに作品自体の受容のされ方についても、ゲーム本編とファンによる二次創作が親密に支え合う形となっており、人それぞれに作品に対するイメージが異なっていたためである。
また、盛り上がりを支えてきた原作ファンの見る目も肥えており、中途半端な内容では失敗するリスクもあった。
このため本作に先立つ2007年のアニメ化作品『アイドルマスター XENOGLOSSIA』は、内容を一新して「原案ゲームと同じ土俵に立たない」という方法論を用いることで難題を解決しようと試みていた。
それに対して本作では、原作ゲームに対する理解が深い監督とそれを支えるスタッフを配する事で、登場人物の人間関係や喋り方といった感覚的な要素に原作の空気感を反映させようと試みている。
具体的な方法としては、登場人物が原作のイメージに反した行動を取らないように注意を払い、また原作ゲームに関わってきた声優陣の反応も見ながらセリフのテンポに修正を加えるなどしている。
結果として本作は、監督がファンを代表して監督なりの解釈で作った作品という方向性が与えられた。
THE IDOLM@STER (アニメ) - Wikipediaより抜粋
概要欄が長くなってしまいましたが、重要な事なので省く事が出来ませんでした。
アイドルモノのアニメも今では珍しくありませんが、本作が放送された2011年当時では珍しい部類でした。
アイドルモノの王道かつ原点とも言えるのが、このアイドルマスターです。
当時、長井監督はサンライズから「『アイドルマスター』という作品があるんだけど、それは横に置いといて、ロボットものをやりたい」と声をかけられたそうです。
10周年を迎えたからこそ飛び出したぶっちゃけ話に、坂上氏は「えええ!?」とビックリしながらも観客と一緒に大笑い。
長井監督にかけられた言葉はともかく、坂上氏も『アイドルマスター XENOGLOSSIA』がロボットものになることは、ごくごく初期から聞かされていたと明かしてくれました。
“サンライズフェスティバル 2017 翔雲”というイベントで監督が発言された事なのですが、プロデューサーが「アニメで原作の再現は困難」と発言した10年後にこんな事を言われても全く信じられません。
少なからずアイマスをロボットモノのアニメにする事について反対の声があった訳ですから「再現が困難」では無く「アイマスの新たな魅力を引き出す」的な事を言っておけば良かったと思います。
やはり大切なのは原作愛とリスペクトです。
よくアニメの実写化で監督が「原作は知らないけど、知らない方が新たな魅力云々」とか「原作の設定にとらわれ過ぎない方が云々」とか言い訳がましい事を抜かす事が多々ありますが、そういった作品が全てといっていい程失敗している事を考えればお分かりになるかと思います。
本作の制作陣は監督とメインとなるスタッフがアイマスに対して深い理解と愛があったためか、ファンが納得する作品に仕上がりました。
まぁこれだけ人数がいると特定のキャラだけ贔屓する訳にはいきませんので、ご自分の推しの出番が少ないと感じた方もいらっしゃるかと思いますが、良い意味でとても無難なアニメになっていると思います。
そもそも原作の設定が秀逸で、メンバー全員が魅力的なキャラとなっております。
そのイメージを損なう事無く表現出来れば駄作になろうはずがありません。
ちなみに作画面については、2011年放送にしてはかなり良い方だと思います。
ラブライブとかと比べて「作画がー」とか「動きがー」と言うのは酷な話です。
個人的な推しは釘宮理恵さん演じる伊織ちゃんです。
アーケード版のアイマスの頃に「こんな素晴らしい声をした釘宮さんはきっと人気声優になるだろう」と思ってたのですが、まさかここまで凄い声優になるとは思ってもみませんでした。
ツンデレロリのテンプレの様な子で、底抜けに可愛いです^^
アニメ「アイドルマスター」オープニングムービー
アイドルモノがお好きな方は既に視聴済だと思うのですが、アイドルに興味無い方はこのアイマスから入った方が無難です。
間違っても『アイドルマスター XENOGLOSSIA』から入らないで下さい。
視聴するにしても先に本作を観てからXENOGLOSSIAに移行した方が良いです。
◆総評
単純にアニメの出来を評価するとなると10年以上前の作品という事や、当時はアイドルモノが非常に少なく参考になる作品も無かった事から、今視聴すると大分粗さが目立つと思います。
なので、そのまま評価すれば★2となるのですが、観て欲しい部分は作画とかでは無く内容です。
アイドルモノの原点にして王道と言える作品なので、アイドルアニメの登竜門としても他の作品と比較するにしても本作が基準になると思います。
そういった意味で視聴しておいた方が良いという意も込めて評価は★3とさせて頂きました。
原作のゲームもなのですが、アイドルモノに興味の無かった方がこういった作品に触れると「俺には合わない」とおっしゃる方が殆どなのですが、ある程度ゲームをプレイするとかアニメを数話視聴すると「意外と面白いかも?」から「めっちゃ面白い」に変わり、最終的に「〇〇タンハァハァ」になる事が多いです。
さぁ皆さんもアイドル沼にハマりましょう!
それでは、良きアニメライフをノシ