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アニメ批評その1055 七つの魔剣が支配する

評価:★★(アニメの出来はいいけど面白く無い)

概要

宇野朴人による日本のファンタジーライトノベル。

略称は「ななつま」。イラストはミユキルリア。

作者によれば、内容は「児童文学じゃないハリー・ポッター」。

『ラノベ好き書店員大賞2019』文庫本部門第1位。

宝島社『このライトノベルがすごい!2020』では文庫部門1位・新作1位を獲得している。

2022年9月時点で電子版を含めたシリーズ累計部数は70万部を突破している。

J.C.STAFF制作によりアニメ化され2023年7月から10月まで放送された。

あらすじ

キンバリー魔法学校の入学式に向かう最中、トロールが暴走する事故が起こり、それをきっかけとして新入生のオリバー、ナナオ、カティ、シェラ、ガイ、ピートは行動を共にすることになる。

続く魔法剣の授業では、オリバーとナナオが模擬戦を行い、ナナオはオリバーこそが探し求めていた相愛の剣の相手だと感じ、真剣でどちらかが死ぬまで斬り合うことを求める。

しかしオリバーはこれを拒絶し、ナナオに死に急がないことを約束させる。

七つの魔剣が支配する - Wikipediaより抜粋

アニメ「七つの魔剣が支配する」ノンクレジットOP映像
まずご覧頂きたいのがOPです。
うみねこのなく頃に(ゲーム版)のOPに似ている感じで、とても面白そうに見える素晴らしい出来です。

作画レベルも高めですし、

野性味溢れるヒロインも魅力的です。
平坂読先生は本作のヒロインを「サムライ系ヒロインのひとつの到達点」と評す程で、部分部分で評価したらクォリティーの高いアニメといえます。

加えて戦闘シーンもなかなかの出来で、

他作品には無い工夫が施されております。
「あと〇手(何手だか忘れたw)で勝つ」みたいな宣言をしてからの勝利シーンは「ええやん」と思いましたが、どうにもこうにも面白くありません。

◆何がアカンのか?

原作者が言わなくても分かるくらいに「ハリー・ポッター」を意識して作られた作品なのですが、アニオタの多くはハリー・ポッターには興味がありません。
世界的な名作をディスるのは心苦しいのですが、あの作品のストーリーは日本のアニメや漫画と比べると非常に陳腐なモノです。
ハリー・ポッターがウケた理由は以下の2点に集約されております。
・日本のオタクにはお馴染みのファンタジー作品も非オタには新鮮に感じた
・映画のクォリティーが高かった
これに尽きます。
ハリー・ポッターを周りから散々進められて原作を読んだのですが、面白いと感じた事は一度もありませんでした。
ストーリーに関しても意外性を感じませんでしたし、何故学園内を危険人物が自由に闊歩しているのかも理解出来ませんでした。
本作に関しても同様で、面白味を感じないのはストーリーのせいで、丁寧に話が作り込まれてはいるのが話のテンポを悪くしていると感じました。
学園内で先輩が新入生をいきなり襲うというのも理解に苦しみますし、上記の様なおっさんが生徒と言われてもしっくりきません。

作中での解説が多いのもテンポを悪くしている一因で、進行速度の遅いストーリーと合わさるとストレスを感じてしまいます。
人間関係や勢力も複雑で、何と何が戦ってるんだかが分かり難い点もマイナスポイントです。

こういった作品は「すごーい!つよーい!」と感じられる様なシーンが無いと微妙になりがちですが、本作においてはそういったシーンがありません。
主人公は「剣花団」なる組織を引いてるリーダーなのですが、強いんだか弱いんだかよく分からなん感じで魅力が感じられませんでした。

劇場版のハリー・ポッターの様に視覚的に「素晴らしいな」と感じる様なシーンも無くて、作中で驚く様な展開、カッコいい無双シーン、笑える様なシーンなどは特に見つけられませんでした。

あとガルパンに出てきそうなこの子絡みの話が本当に面白くありませんでした。

「この作品は名作だ。お前の感性がおかしいんだ!」
と言われる前に申し上げておきます。
原作はラノベ化された翌年と翌々年に賞を受賞しており、当時それ系のユーチューバーからも高い評価を受けておりました。
その割には大した数が売れていない事から「序盤は面白かったけど中盤以降は微妙」という評価だった事が伺えます。
アニメの注目度や動画サイトでのPV数も低い方で、クォリティーが高めだった割に厳しい評価を受けている事実は受け止めるべきです。
「原作は面白いんだけど作画がなぁ〜」とか言えたら良かったんでしょうけどねぇ・・・

★1評価という訳でも無いのに厳しめの事を申し上げてしまいましたが、アニメのクォリティーが低い訳でも無いのに面白く無いというのはちょっと珍しかったので少々熱くなってしまいました。
身も蓋も無い事を言えば「こんなつまらない作品をアニメ化したのが間違い」というのが私の意見です。
アニメの進行速度を上げれば良くなったという感じでも無いので、J.C.STAFFを責めるのは違うと思います。
設定がガバガバのクソみたいなラノベでも面白いと感じる事がありますし、そういった作品をアニメ化してそこそこ人気になる事がありますが、綿密に練られてると思われる本作は逆に小難しさが鼻についてしまい面白く無くなった感があります。
これ以上ディスるのもアレなので、ここまでにさせて頂きます。
それでは、良きアニメライフをノシ

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