アニメ批評その953　UniteUp!

2023/05/06 11:00

評価：★★(事前準備不足)

概要
ソニー・ミュージックグループが贈る「才能と才能を”Unite up”する」をテーマに、夢を追いかける多種多様なボーカリスト、シンガーソングライターを紹介する多次元音楽プロジェクト。
2021年11月10日より開設されたUniteUp!公式YouTubeチャンネルでは、様々なアーティストの楽曲が公開されている。
YouTube概要のコンセプトには「キセキはもう始まっている──今は小さな君の声が、未来の大きな歌を紡ぐその偶然はやがて必然にその葛藤は未来の喝采に夢に向かって走り出す少年たちの狂騒曲そして、今ここに集ったＵ(キミ)とＵ(キミ)の協奏曲(ものがたり)」と書かれている。
テレビアニメは2023年1月よりTOKYO MXほかにて放送中。

UniteUp! - Wikipediaより抜粋

男性のアイドルモノで、製作はCloverWorksです。
CloverWorksといえば「その着せ替え人形は恋をする」「SPY×FAMILY」「ぼっち・ざ・ろっく！」などの超人気アニメを短期間で製作し捲っている凄い会社です。

本作もアイドルモノにしては作画は良い方で、楽曲の多さなどからもクォリティー面では文句無しです。
ですが・・・人気がありません。
全然話題にもなりませんでした。

主人公は真ん中の赤髪の子で、チェンソーマンのデンジ役でお馴染みの戸谷菊之介さんです。
彼に関しては特に問題無いのですが、本作は声優で無い方が多数参加しており、演技力に低さを露呈しております。

特にこの青髪の子の演技は酷いのですが、慣れてくると「割とアリなのでは？」と思える様になり、実際ニコ動でも「最初は酷いと思ったけどクセになる声」「酷い気がしたけど今は好き」といったコメントが多かったです。
男性のアイドルモノで声優の演技がアレなのは別に珍しくも無いので、不人気の理由はここでは無いと思います。

それでは歌のシーンが酷いのでしょうか？

普段アイドルモノのアニメを観ない方であれば「作画が酷い」と感じるかもしれませんが、アイドルモノの中ではかなり良い方です。
アイドルモノの作画が酷くなりがちなのは、キャラ数が多い上に歌って踊ってと動きが激しいので、どうしても残念な作画になりがちです。

「CGを多用し過ぎ」
いやいやいや、今時当たり前です。
低レベルな作画で描かれるぐらいならCGの方がマシですし、1分半くらいでも手書きだと半端無い作画コストとなりますので、そんな高い要求をするべきではありません。

本作はCGのレベルも低くはありませんし、楽曲の多さに加え、キャラも魅力的に描かれていたと思います。

主人公グループは三人ともいい子で、私は好きでした。
でも不人気なんです。

◆不人気の理由

ずばり、事前準備不足です。
1年以上前からYouTubeで楽曲の公開をしていたそうですが、注目度がイマイチだったのだと感じます。
公式チャンネルの登録者数は3万人以上で、一部の動画はそれなりの再生数があるのですが、それだけでは足りません。
本作の様な女性向けのアニメは、舞台やらイベントでファンを増やしてからアニメ化しないと大体失敗します。
運営の本気度合いやコンテンツの強さを見せつけてからで無いと、女性ファンはハマってくれない様で、本作はそれが上手く出来なかったのが敗因だと思ってます。

偉そうな事を語ってしまいましたが、女性向けのコンテンツは予想がつき難く何が当たるかわかりません。
これは私が男性だからとかでは無く、女性目線でも「まさはコレが人気になるとは」と驚く事が多々あるそうです。
近年は女性向けと分かりやすいアニメは不発に終わる事が多く、比較的クォリティーが高かった本作が不人気に終わってしまった事を考えますと、今後似た様なアニメは減少するかもしれません。
本作の続編があるかどうかは分かりかねますが、個人的には頑張って継続してファンを増やしていって欲しいと思っております。