アニメ批評その170 ガーリッシュ ナンバー
評価:★★★(業界の裏側が少しわかる作品)
あらすじ
女子大生・烏丸千歳は「つまんない事なんてしたくない」という思いから声優養成所の門を叩き、これを卒業して晴れて声優デビューを果たす。
しかし彼女に回ってくるのは名前も無いような端役ばかり。
そんな彼女にようやく主役の座『九龍覇王と千年皇女』(クーロンはおうとミレニアムスレイブ、通称:クースレ)のメインヒロイン・ユウナ役が巡って来る。
しかし、その起用はルックスの良さを見た九頭P(プロデューサー)が考えたサブヒロイン役の久我山八重、片倉京との3人組声優ユニット結成の企画ありきの起用であった。
アニメの初収録で、千歳は演技力のなさを露呈してしまいスタッフらからも声優陣からも呆れられてしまう。
年下の先輩声優・苑生百花にアドバイスを求め、自身でも研究を重ねて演技力を向上させ一応は収録を成功させるが、兄でありマネージャーでもある烏丸悟浄からはテンプレの演技でしかなく先がないと評される。
「ちーさま」こと烏丸 千歳さんです。
他力本願で有名声優を知らないなど仕事に対する意識は非常に低いです。
ゲス顔が似合うちー様ですが、七夕祭りの短冊に「事務所のマージンを減らせ!」と書くぐらいゲスい子です。
新人声優の久我山 八重ちゃんです。
天然であざとく、ちー様から「腹黒い」「魂がビッチ」とまで呼ばれるものの、腹黒いという自覚はありません。
26歳の片倉 京さんです。
ちーさまのお兄さんと同期の声優で、性格は明るく比較的常識人ですが、30代に近づいたことに危機感を抱いてます。
17歳の苑生 百花ちゃんです。
高校生で、ミュージシャンとしても活躍するアイドル声優です。
両親が有名監督&有名声優のせいか、尊大な態度を取りつつも問題児のちーさまを気遣うなど面倒見が良く、基本的にはいい子だったりします。
人気声優の柴崎 万葉さんです。
役者への憧れが強く、萌えアニメより硬派なアニメをやりたいと考えてたり、声優が演技以外の仕事をさせられていることに関して不満を抱くめんどくさい子です。
新人声優の桜ヶ丘 七海(18歳)ちゃんです。
性格は純真でまっすぐで「努力」が口癖の努力家です。
この6人が声優として活躍したり悩んだり揉めたり仲直りしたりして、成長していく物語です。
あと、
クズの九頭Pです。
ホンマにクズですw
アニメ制作に関してはアニメ批評その42 SHIROBAKO - マイセンのブログが結構突っ込んだ所まで描かれているのですが、本作はそれ以上に踏み込んでます。
声優業の大変さやメーカーのプロデューサーの重要さなどについても「大丈夫なの?」と思う位描かれてます。
アニメ業界の裏事情を学べる上に、ちー様のゲスっぷりと九頭Pのクズっぷりがお楽しみ頂ける素敵作品です。
※個人的に一番好きな台詞です。
他にも挫折した声優や適当そうな社長、めっちゃ苦労するアシスタントプロデューサーなども登場します。
けっして不人気作ではないのですが、アニメ業界の闇や大変さを知って貰う為にもより多くの方に本作をご視聴して頂きたく存じます。
普通に面白いしちー様のゲスさとバカさ加減が可愛いのでオススメです。
それでは、良きアニメライフをノシ