アニメ批評その974 へうげもの
評価:★★★(世界初?の本格的歴史長編ギャグ作品)
概要
山田芳裕による日本の漫画作品、原案としたアニメ(2011年版)および原作としたWebアニメ(2018年版)。
講談社刊『モーニング』にて、2005年38号から2017年53号まで隔号連載。
第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第14回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞作。
2011年(平成23年)春にNHK BSプレミアムにてアニメ化された。
主人公はこの胡散臭そうな男で、古田織部という実在した人物です。
この古田は織田信長、豊臣秀吉に仕えた戦国武将で、信長からは可愛がられ、秀吉からは領地や官位を授かってます。
しかも千利休死後は豊臣家の筆頭茶頭になります。
「え?そんな人知らんのやけど」
「信長の野望にいた様な気がしたけど強く無かった気が?」
はい、この古田織部という男は腕っぷしが強かった訳でも戦上手だった訳でも知略に優れてた訳でもありません。
運の良さもあったと思いますが、ほぼほぼコミュ力の高さだけで出世した武将なのです。
◆魅力的な登場人物
みんな大好き織田信長です。
声優が小山力也さんというだけでも嬉しくなりますが、本能寺の変では驚きのシーンがあるので必見です。
性格の悪い秀吉です。
私は「秀吉は人間不信に陥ってから性格が悪くなった」と思ってる派で、実際どうだったかはわかりませんが、多くの方のイメージがそんな感じだと思ってます。
ですが、この秀吉は最初から性格が悪くて、それはそれで面白いですw
千利休です。
お堅く真面目なイメージを持ってましたが、
感情豊かで茶目っ気があり、本作を観れば利休のイメージがかなり変わると思います。
他にも面白過ぎるキャラや「それはズルいだろw」というキャラもおりますし、歴史上の有名な方々が多数登場します。
特に加藤清正はズル過ぎますw
◆これはギャグなのか?
「世界初の本格的歴史長編ギャグ作」というキャッチコピーが付いてる本作ですが、多くの方が想像するギャグとは大きく異なります。
確実にギャグ的な要素はあるのですが、観る人によっては「見事な歌舞伎っぷりだ」と感心するかもしれませんし、単純に「スゲー!」と驚かれる方もいらっしゃるかと思います。
地味な作品に見えて1話目から凄いシーンがありますし、チョイチョイ「ぇえ!?w」っと笑いよりも先に驚きの感情が来るシーンなどが多々あります。
◆へうげものの意味
まず「へうげる」という言葉がありまして、コレは「剽げる」とも書き「ふざける」「おどける」などを意味します。
「へうげもの」とは「剽げ者」の意であり、主人公の古田織部が「ふざけた野郎」だった事を意味します。
武功よりも自分の好きな事を優先した結果、何故か良い方向に転がり続けて成功を収めてますので、周りからしたら「何やコイツ」と思われてた事でしょう。
本作の影響もあってか、古田織部という武将が他作品で面白く描かれてたり、古田織部をクローズアップした書籍なども出版されました。
本作のストーリーは皆さんがご存じの通り史実に沿ったモノなのですが、このふざけた男が徳川家康を接待したり、伊達政宗と仲良しになったりと面白エピソード満載です。
マイナーなアニメでしたが私は高く評価しております。
戦国武将がお好きな方は是非ご覧になって下さい。
それでは、良きアニメライフをノシ