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ピークが過ぎたという設定に対する見解@ウマ娘アニメ

ウマ娘のアニメに対しては、皆さん様々な想いや感想があると思います。

特に3期11話のキタちゃんがピークを過ぎてしまったという件に関しては賛否が分かれました。
この件については別に、
「面白く無かった」
「受け入れ難かった」
「設定に無理がある様に感じた」
といった感想があってもおかしくは無いと思いましたし、そういったご意見も尊重すべきだと認識しております。
しかし「これはダメだ!」とか「ヤってはイケない事をした」というのは違うと思いました。

◆何がダメなのか?

「キタちゃんがピークを過ぎた設定にしてしまうと、天皇賞や有馬記念で負けたライバル達の株が下がる」
「ピークを過ぎた子に負けるとか、対戦相手に失礼」
とかそんな感じでダメだという主張です。
こういった発言は、ウマ娘を深くは知らないエアプ発言だという事を解説させて頂こうと思います。

◆何度も行われている手法である

こういった発言をする方は、アプリのストーリーイベントをちゃんとご覧になっていないのだと思います。
ブライアンのエピソードは怪我でかつての走りが出来なくなったブライアンが「みんなの目にはかつての走りが出来なくなった姿が映ってるかもしれないが、私は何も変わっていない」みたいな事を言ってマヤちんに勝利しております。
他にも全盛期を過ぎたというエピソードが盛り込まれてる子がおりますし「ピークを過ぎた子がレースに勝つ」というストーリーは別に珍しい事ではありません。
「アプリの事など知らん!ワイはアニメの話をしてるんだ!」

それではアニメ2期を振り返ってみましょう。
3度目の骨折をしたテイオーが、もうかつての走りを出来ない事を悟り涙するシーンです。
ウマ娘に限らず競馬の常識から言っても、三度も骨折した子が1年ぶりのレースでGⅠ制覇を成し遂げるというのは非現実的といえます。
実際こんな勝ち方をしたのは後にも先にもテイオーしかおりません。
史実ではもう少し早く復帰出来る処を万全の態勢で有馬記念に臨むために入念に調教していたからなのですが、アニメだけ見れば「三度も骨折して能力が落ちてしまった子が1年ぶりに復帰して有馬記念を勝つ」というご都合展開に見えてしまいます。
史実をご存じ無い海外の方からは「ちょっと話が出来過ぎなのでは?」「無理のあるエピソードに感じた」という感想が多く見られ、そこから「史実の結果を確認してこい!」という流れがテンプレでした。
いいですか?
テイオーのケースはピークを過ぎたというレベルでは無い苦境に立たされた中、一年ぶりのグランプリで優勝してるのです。
それでビワハヤヒデの株が下がりましたか?
ハヤヒデに対して失礼というご意見は出ましたか?
有馬記念前後のハヤヒデの史実での活躍があったからこそ、テイオーの凄さが光りという話もありますが、ピークを過ぎたとか怪我の影響で全盛期の力が出せないといったエピソードは過去に何度も用いられている手法なのです。
なので「設定に強引さを感じる」とか「つまんねーなぁ」は個人の感想で済む話ですが「これはダメ」とか「ヤってはイケない」というのは「どういった立場でその様な戯言を申しているのですか?」と問いただしたくなってしまうのです。

◆衰えがテーマ

3期は衰えがテーマの様ですが「この時のキタちゃんは衰えて無かった」というのは誤りです。
断言します。
「衰えて無かった」と言うのは間違えです。
何故なら、そんな事は誰にも分からないからです。
厩舎の関係者や調教師でも分からない事を、部外者の素人が衰えてるとか衰えて無いと断言なんて出来る訳がありません。
正しくは「衰えてる様には思えなかった(見えなかった)」と言うべきでしょう。
「思えなかった」という言い方は個人の感想でしかなく、事実ではありません。
なので「史実では衰えてる様には見えなかったキタサンが、アニメでは衰えてると表現されて不快に感じた」と言うべき処で、アニメの表現の仕方やエピソードにケチをつけるのはいいとしても「史実と違う」というのはおかしいのです。
ちなみにゴルシは史実でも「衰えて引退した」と感じている方が多数の様ですが、引退後の検査で「どこにもガタが来ていなくて、こんな状態で引退を迎える古馬はそうそういない」と言われたそうです。
タイキシャトルはズルさを覚えてレースを本気で走らなくなったそうですが、ゴルシも同様に手を抜いて走っていたかもしれず、本気を出せば全盛期の走りが出来ていたかもしれません。
オルフェーヴルは引退後に馬体がムキムキになって「こいつ今本格化したんじゃね?」とか「全盛期前に引退させてしまった」と言われましたが、人間でも自分のピークが過ぎた事が自覚出来ない場合がありますので、馬の事を完全に理解出来る人間はそうそういらっしゃらないはずです。
「テーマが悪い」というご意見も多く見られますが、オグリやテイオーがドラマチック過ぎるだけで、キタちゃんに限らず他の子でもアニメのエピソードを考えるのは非常に難しいはずです。
スペちゃんの様にライバルに恵まれて、エルのフランス遠征→モンジューがJC参戦→スペが敵を取るという流れも余りにも出来過ぎ君です。
キタちゃんは怪我もありませんでしたし、最後のラストランをどう感動的に描くか?となりますと、どうしても谷底に堕とす必要がありまして、それが「ピークを過ぎた状態で頑張る」という話になるのは仕方が無いと思います。

◆アニメ3期の評価

ふだんロクにアニメを視聴していないなんちゃってレビュアーとは異なり、それなりに認知されてるっぽい私からするとウマ娘3期は大成功の部類です。
ソシャゲ原作のアニメは98%くらいの確率でコケている中、それなりに話題になるだけでも大成功なのです。
もちろんウマ娘ファンの私としては「期待していたほどでは無かった」という感想で、このアニメを評価するとしたら5段階評価中★3程度です。
※1期とRTTTも★3で2期は★4でした。
ウマ娘ファンとしては2期の様な覇権作になる事を期待してしまう処ですが、客観的にみれば「作画も表現力も2期を超えているが、ストーリー面においては劣っている。しかしソシャゲ原作にしては大健闘」という評価になります。
「期待していたほどでは無い」という感想は共感出来ますが、本作を酷評している方はアニメ二関する知見が低いと言わざるを得なく、ゲーム原作のアニメを100本くらい観てから文句を言って欲しいです。
何故期待したほどにはならなかったのか?については、全話視聴後に改めてレビュー記事を書かせて頂きます。
語り過ぎると後で話すネタがなくなってしまうので、今回はこの辺で失礼します。
それでは、良きウマ娘ライフをノシ

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