アニメ批評その1076 オーバーテイク!
親愛なるechoさんが早くも秋アニメのレビューをしてくれまんた(有難うゴザマス)
評価:★★★(地味だけど良質な人間ドラマ)
概要
KADOKAWAとTROYCA制作のオリジナルアニメ。
2023年10月からAT-Xほかにて全12話が放送された。
自動車レースにおける若手の登竜門であるフォーミュラ4(F4)を舞台に「実際のモータースポーツに寄り添いながらも人間ドラマを描く」作品。
高校生F4ドライバーの浅雛悠と、スランプに陥っているフォトグラファーの眞賀孝哉の二人を中心に、それぞれの形でF4に向き合う青春群像劇が描かれる。
アニメ制作会社TROYCAの10周年記念作品として発表され、先行上映会やトークショーといった事前プロモーションはF4を開催中のサーキットを中心に行われた。
主要なスタッフは、同社の第1作である『アルドノア・ゼロ』と共通している。
あらすじ
人間を撮れないというスランプを抱えるフォトグラファー、眞賀孝哉は、ある仕事でフォーミュラ4(F4)という自動車レースを知り、弱小チーム「小牧モータース」のドライバー、浅雛悠と出会う。
「頑張ってね。応援してる」と声を掛ける孝哉に「応援なんていらない」と言い放つ悠。
冷めた態度とは裏腹に、レースで果敢な走りを見せる悠の姿に孝哉はそれまで忘れていた「がんばり方」を思い出して胸を高鳴らせる。
リタイアに終わったレース後、悠はパドックの隅で人知れず涙を流して悔しがる。
その姿を撮影したことで何かをつかんだ孝哉は、悠を応援するため小牧モータースへの協力を始め、スポンサー探しに奮闘する。
そんな孝哉に悠も次第に感化されていき、なぜ「応援は要らない」と考えるようになったのかを孝哉に明かす。
悠は表彰台に立つことが今の目標だと言い、孝哉はその姿を自分が撮影することを誓う。
モータースポーツ「F4」を軸に青春群像劇を描くオリジナルアニメです。
主人公は36歳のフォトグラファー眞賀孝哉。
とあるトラウマを抱えていて、人物写真を撮る事が出来なくなっています。
リハビリも兼ねてF4の取材に訪れ、久しぶりに人物写真を撮る事が出来た相手がもう一人の主人公浅雛悠です。
浅雛悠は弱小チーム「小牧モータース」でドライバーを目指す高校生です。
悠に興味を持った孝哉は「小牧モーターズ」を応援する事になります。
ストーリーはこの二人を中心に、それぞれの心情や人間関係を丁寧に描写する群像劇になっています。
F4についてもちゃんと分かるように作られていて、レースシーンも迫力ある作画で描かれているのでモータースポーツアニメとしても楽しめます。
題材が題材なので全体的に地味ではあるのですが、それぞれに抱えるトラウマが意外と重かったり、その課題をしっかりと回収して最終回を迎えるのでスッキリ見られると思います。
私が個人的に好きだったのは、ライバルチーム「ベルソリーゾ」のセカンドドライバー徳丸君です。
大手チームに所属しながらセカンドドライバーに甘んじて鬱屈している徳丸が、たまたま手に入れたチャンスに戸惑い葛藤する姿はなかなか見どころのあるエピソードだったと思います。
鬱屈したキャラが一番面白いんだから。
地味ながら丁寧な描写で人間ドラマが見られる良作だと思います。
モータースポーツに興味のある方にもおすすめです。
では、良きアニメライフを!