アニメ批評その1118 時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん
評価:★★★(設定が神)
概要
燦々SUNによる日本のライトノベル。
イラストはももこが担当している。
小説投稿サイト『小説家になろう』にて短編小説として2020年5月から掲載され、角川スニーカー文庫(KADOKAWA)より2021年2月から刊行されている。
略称は「ろしでれ」「ロシデレ」。
2巻の発売に合わせてヒロインのアーリャがライトノベル史上初のバーチャルYouTuberとしてデビューすることが発表された。
メディアミックスとして、『マガジンポケット』(講談社)にて手名町紗帆によるコミカライズが2022年10月29日より連載されている。
テレビアニメのSeason1が、2024年7月から9月まで放送された。
Season2の制作が決定している。
あらすじ
私立征嶺(せいれい)学園に通うアリサ・ミハイロヴナ・九条(アーリャ)は、試験では学年1位・スポーツ万能の才色兼備で、さらには生徒会では「会計」を務める、ロシア人の父を持つ銀髪ハーフの女子高生。
そんなアーリャの隣の席の、やる気のないアニオタ男子・久世政近は、いつも彼女から小言を言われて絡まれていた。
しかもアーリャは、なぜか政近に対して「かわいい」とか「浮気者」などと、ロシア語でデレてくるのである。
実は、幼い頃にロシア語を話す幼馴染がいた政近は、ロシア語を理解できるのだ。
それを知らないアーリャは、テレ隠しにクールに振る舞いながらも、ロシア語で「デレデレなセリフ」を呟き、政近を羞恥プレイで悶死させていく。
時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん - Wikipediaより抜粋
いい処とそうで無い処がハッキリしている作品なのですが、まずは宜しく無い処から解説させて頂きます。
◆主人公が残念
中二臭さが鼻につくというか、このノリは10年前でもきついと言われそうです。
シスコンで妹が超大事!みたいな事を口にしつつも、好きな女の子を優先する辺り矛盾が生じてる様に感じられますし、高い能力を隠しつつ上から目線な処とかも「なんか腹立つぅw」と思われた方も少なくない様です。
加えてストーリーも大した事は無いのですが、ラブコメにおいてストーリーというのは刺身のツマのみたいなモノであり、女性キャラが魅力的であれば問題無いと考えます。
◆エロ頼り?
度々叡智なシーンがあるのですが、昨今のアニメの中では特別叡智という訳ではありません。
本作にそういったイメージをお持ちの方がいらっしゃるのは、センシティブな台詞が印象的だからです。
思わずドキッ!とする様な台詞や、死ぬまでに一度は言われてみたい台詞等があり、それが刺さるというか印象的なので「なんかエロいアニメだな?」と勘違いされてしまう方がいるのです。
叡智なシーンが全く無いラブコメは非常に珍しく、本作に至っては適性の範囲内だと思われまが、この点をマイナス要素として捉える方が一定数おられる様です。、
◆良い点の方が多い
まずメインヒロインのアーリャさんが可愛いです。
ロシア語を話す女の子役に、ロシアガチ勢の上坂すみれさんを起用したのも神だと思います。
ラブコメ作品はヒロイン一強だと人気が出ないのですが、本作の女性キャラは非常に魅力的な子ばかりです。
あと、お気づきの方がどれだけいらっしゃるかは疑問ですが、この線でアニメ化してショボさというか、違和感を感じさせない作画力はかなりのモノです。
ちょっと上手く説明出来る自信が無いのですが、こういった色とか線とかのキャラデザはキャラがショボく見えがちなのですが、本作は繊細な線と色使いでありながら「作画の良いアニメ」という印象を与えてくれましたので、これは他作品には無い強みの一つと言えます。
可愛い顔芸もプラス要素です。
大体こういった表現はキャラのデフォルメ化で作画カロリーを落とすのですが、本作はそれをせずに顔芸だけで楽をしているというか「そんな顔するんだw」みたいな驚きを与えてくれてよかったです。
ちなみに本作はアニメ化前に原作がかなり売れていたそうで、出版社側もアニメ化に際しかなり力を入れていた様です。
【ロシデレ】「学園天国」|ノンクレジットエンディング(第1話)
それは毎回異なるEDを流す程で、本作に対する熱量の凄さが感じられます。
◆総合的な評価
本作が高クォリティーな品質である事は確かですが、ラブコメ界の人気作と比べるとインパクトが薄いと言わざるを得ません。
かぐや様の様な面白さや、
五等分の花嫁の様な斬新なオッ…設定とかですね。
私の好みでいえば五等分のオッ…花嫁より本作の方が評価が高いのですが、世間様の評価はちょっと負けてるという印象を受けます。
本作の一番の強みである点は「ヒロインがロシア語でデレる」という処にあると思ってるのですが、この素晴らしい設定が刺さらなかった方が多かったのかもしれません。
個人的な評価は高いのですが、原作が人気の割にアニメの方はバズらなかったというか、マケインに僅差であれ円盤の売上が負けてしまった点は無視出来ません。
2期の制作が決定しておりますが、人気をどこまで維持出来るか注目しております。
どうでもいい話ですが、私の推しは綾乃ちゃんです。
それでは、良きアニメライフをノシ