アニメ批評その854 ノーゲーム・ノーライフ
評価:★★★(原作が進まねぇ)
概要
榎宮祐による日本のライトノベル。イラストも榎宮自身が手掛けている。
MF文庫J(メディアファクトリー→KADOKAWA)より2012年4月から刊行されている。
略称は「ノゲ」や「NGNL」「ノゲラ」「ノゲノラ」など様々なものがある。
“全てがゲームで決まる”という異世界に召喚された天才ゲーマー兄妹が一癖も二癖もあるゲームに挑み、奇想天外な方法を駆使して攻略していく様をコメディタッチで描いたゲームファンタジー小説。
漫画家・イラストレーターとして活躍する榎宮のライトノベル作家デビュー作で、本文・イラスト共に同一人物が手掛ける珍しい作品である。
いつも挿絵を描いている側だったため著者側のあとがきをいつか書いてみたいという想いが、本作の実現に至った。
元は漫画用に起こした原作で、別の人物が作画を担当する予定だった。その人物の要望もあり、バトル漫画という要素が排除され「バトル出来ないファンタジー世界」というコンセプトが生まれ、榎宮自身が仕事以外の全てを捧げているゲームを組み合わせることで神により闘争が禁じられ、“全てがゲームで決まる” 異世界の物語が構築された。
宝島社「『このライトノベルがすごい!』2013年版」にて作品部門ランキング16位、新作部門2位にランクイン、作品部門ランキングで2014年版10位、2015年版3位、2016年版6位となっている。2021年8月時点で電子版を含めた全世界シリーズ累計発行部数は600万部を突破している。
あらすじ
『 』(くうはく)――それはあらゆるゲームで連勝を重ね、チート、アシストツールなどどんな手段を使っても勝てないとされる天才ゲーマーの名前であった。
あらゆるゲームで無敗の記録を持つことから一部では都市伝説とされている。
その『 』の正体である空と白はある日、「生まれてくる世界を間違えたと感じたことはないか」と書かれたメールを受け取る。
世界を「クソゲー」と呼ぶ『 』の答えを聞いたメールの送り主・テトは『 』を自分の世界へ召喚した。そこは知性ありしモノと主張する【十六種族】と世界の絶対法則【十の盟約】の下に、『 』が夢見ていた、この世の全てが単純なゲームで決まる世界――盤上の輪廻 (ディスボード)だった。
松岡禎丞さん演じる空(そら)が主人公です。
コミュ障のゲーム廃人ですが天才です。
茅野愛衣さん演じる主人公の妹の白(しろ)もまた主人公であり、兄はゲームにおける役割分担は文系分野なのに対し、白は理系分野を得意とします。
この天才兄妹が揃って異世界転生するのですが、その先は「バトル出来ないファンタジー世界」という変わった世界でした。
「バトル出来ない」というのは「暴力による戦闘が出来ない」という事であり、厳密にはバトルで決着をつける事が多いです。
バトルの仕方はゲームであり、武力では無く知力で戦うといった感じです。
知力を競うアニメは他にもありますが、どうしても地味な作品が多い印象です。
天才で性格の悪い主人公が活躍するアニメも他にもある訳ですが、
本作はダブル主人公という点において、他作品と差別化が出来てます。
可愛い妹も兄に負けず勝負ごとには容赦の無い性格なのもグッドです。
知力競う系の作品は序盤は面白くても中弛みするモノが多いのですが、本作は序盤から面白いのは勿論ですが、本当に面白くなるのは中盤以降です。
ふざけているとしか思えない主人公が、実は最後の一手まで考えて行動している事がわかった時は震えました。
「ノゲラって異世界転生モノだけどバトルしないんでしょ?地味な作品だよね?」的な事を知人に言われた事があるのですが、6話のジブリール戦を観ればそんな事は無いとおわかりになられるかと思います。
知力を競うバトルモノは先にも書いた通り、派手なシーンは少なく地味になりがちです。
本作は迫力のあるシーンに加え、主人公が大変可愛いのがポイント高いです。
兄妹の仲が良いのも観ていて心地よく感じますし、異世界転生モノとしてみても知力バトル系としてみても他作品には絶対に無い良さがあります。
劇場版の出来も素晴らしかったので、★4以上の評価をしてもいいくらいなのですが、原作の進みが牛歩過ぎるので★3に留めさせて頂きます。
実は私COOL&CREATEのファンでして、榎宮先生がCDジャケットのイラストを描かれてるのですが、ノゲラを知る前から大好きでした。
榎宮先生の今後のご活躍に期待しております。
それでは、良きアニメライフをノシ