アニメ批評その1035 望まぬ不死の冒険者
評価:★★★(予算ギリギリそうだが、割と丁寧に作られてる感)
概要
丘野優による日本のライトノベル作品。
「小説家になろう」にて2016年9月22日より連載されており、2017年10月25日からはオーバーラップノベルス(オーバーラップ)より刊行されている。
イラストはじゃいあん。
メディアミックスとして、中曽根ハイジによるコミカライズが『コミックガルド』(同社)にて2017年11月24日より連載中。
2022年4月17日、「オーバーラップ文庫9周年記念オンラインイベント」にてテレビアニメ化が発表された。
2023年12月時点でシリーズの累計発行部数は200万部を突破している。
あらすじ
ミスリル級冒険者を目指して田舎町のマトラで活動するレント・ファイナは、ある時いつものように水月の迷宮を進んでいるなか、まだ誰にも発見されていない隠し通路を発見する。
ギルドに情報を提供するため隠し通路を探索する中、レントは強大な力を持つ龍に遭遇、なすすべもなく喰われてしまう。
死んだと思っていたレントだったが、気が付くと先ほどの隠し通路の中におり、自分に襲い掛かってきた龍は姿を消していた。
何故か生きていることを疑問に感じつつ、隠し通路にあった湖を覗くと、水面に映ったのは自分の顔…ではなく頭蓋骨。
なんとレントは不死の魔物(アンデッド)となっていたのだ。
最弱である不死の魔物(アンデッド)になってしまったものの、夢であるミスリル級冒険者は諦められず、不死の魔物(アンデッド)の姿のまま魔物と戦う決意をする。
最上級のミスリル冒険者を目指すレントさんですが、実際は実力が低い下級冒険者です。
実力の低さは才能によるモノであり、レントさん自身は一生懸命努力しています。
そんな真面目な彼ですが、まだ誰にも発見されていない隠し通路を発見し、調子に乗って進んだ処で、
ヤベー龍と遭遇してぶっ殺されます。
死んだはずのレントさんでしたが、最弱のアンデットであるスケルトンに生まれ変わってました。
結構絶望的な状況ではあったのですが、モンスターを倒すと上位の生物?に進化出来る事がわかり、
努力した結果、グールに進化します。
自分がアンデッドである事を悟られないために仮面を被り、
都合の良い女の元に身を寄せ、冒険者生活を続けるという物語です。
◆主人公の人徳
どこから見ても怪しい風貌のレントさんですが、アンデッド化する前は持ち前の性格の良さから多くの人望を集めておりました。
変わり果てた姿になっても受け入れてくれた都合のいい女ロレーヌさんもですが、
昔馴染の鍛冶屋さんとかも「きっと何か事情があるのだろう」と、他人をフリをするレントさんに何も聞かずに仕事を請け負います。
特にギルドからの信頼は厚く「レントさんが冒険者を引退したら職員として迎え入れよう」と考えていたほどです。
アンデッド化し、色々不自由な生活を送るはずだったレントさんですが、従来と変わらずにギルドの依頼をこなせる様になります。
実力は大して無いのに、皆から信頼されてる主人公って何かいいですよね。
◆地味だけど面白いアニメ
戦闘シーンが派手とか凄いという事が無い非常に地味なアニメではあるのですが、原作が良いからなのか、とても楽しく視聴する事が出来ました。
レントさんが元々人望のある人物であった事は先に書いた通りですが、アンデッド化した後もミスリル冒険者になる事を諦めてませんし、日々善行も積んでます。
村娘を助けるレントさん
新米冒険者のお世話をするレントさん
村娘をたぶらかすレントさん
ギルド職員をたぶらかすレントさん
などなど、冒険者としてプロフェッショナルなのに、隠し切れない程の善人さがあるレント・ファイナという人物がどんどん好きになってゆきます。
なろう系にありがちな主人公が最初から強いとか、急激に強くなるといった作風では無いので爽快感の様なモノは感じられないかもしれませんが、地味ながらもじわじわと面白くなってゆく良作です。
「主人公がアンデッドなのが無理」という方にはオススメ出来ませんが、そういった偏見が無ければきっとお楽しみになれるはずです(多分)
2期があるのかは不明ですが、私は期待しております。
それでは、良きアニメライフをノシ