アニメ批評その1034 シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜
評価:★★★(神ゲーでは無いと思う)
概要
硬梨菜による日本のオンライン小説。
略称は「シャンフロ」。
小説投稿サイト「小説家になろう」にて2017年5月19日より連載中。
書籍化を経ずにコミカライズ化されるというメディアミックス展開が行われており、アニメ化も決定した。
不二涼介によるコミカライズ版が『週刊少年マガジン』(講談社)にて2020年第33号より連載中。
ディスプレイを使用するゲームがレトロゲームに分類され、フルダイブ型VRゲームが一般的になった近未来を舞台に主人公が『シャングリラ・フロンティア』をプレイしていく模様を描く。
あらすじ
フルダイブ型VRゲームが主流となった近未来。
向上した映像技術にシステム面が追い付いていない、いわゆる「クソゲー」と呼ばれるゲームが数多くリリースされていた。
そんな通常ならば忌み嫌われるクソゲーをこよなく愛するクソゲーハンター・陽務楽郎は、特大のクソゲー『フェアリア・クロニクル・オンライン』、通称「フェアクソ」をクリアし、一種の燃え尽き症候群になっていた。
そんな中、行きつけのゲームショップ「ROCKROLL」の店主に勧められるがまま、クソゲーの対極に位置し「神ゲー」と評されている、登録者数3000万人のフルダイブVRゲーム『シャングリラ・フロンティア』(シャンフロ)を購入。
プレイヤーキャラクター・サンラクとしてシャンフロの世界に足を踏み入れる。
シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜 - Wikipediaより
命の危険の無いSAOだと思って下さい。
クソゲー大好きな主人公が「神ゲー」と呼ばれるゲームを始めるという話です。
デザインを散々悩んだ挙句完成したアバターが・・・
これですw
先に言ってしまいますが、本作は面白いといえば面白いのですが、すぐに続きが観たくなる様なワクワク感が得にくいアニメだという評価です。
キャラデザが悪い訳ではありませんし、
高めだった前評判の通り、戦闘シーンの作画は素晴らしいモノがありました。
同時期に放送されていた「とあるおっさんのVRMMO活動記」が似た様なストーリーだったのですが「シャンフロと比較するのは可哀そうだからヤメたげてw」と言われる程の違いを魅せた本作ですが、私なりにその理由について考えてみました。
◆緊張感が無い
いくら激しい戦闘があったとしても、それはゲームの中での話です。
SAOの様な「ゲーム内でも死んだらおしまい」という訳では無く、何度でも生き返れるため緊張感があまり感じる事が出来ませんでした。
◆神ゲーでは無い
3000万人もプレイヤーがいるのに、遅れて始めた主人公が誰も発見していなかったイベントを発動させてる時点で「クソゲーなのでは?」と思ってしまうのですが如何でしょうか?
しかも主人公だけが様々なフラグを立て捲って、一人だけ別ゲーをしてる感がどうにも共感出来ません。
もし私がこのゲームのプレイヤーだったら、発狂してモニタに牙突してると思います(堀口感)
◆強すぎる問題
ゲーム仲間と一緒に超強いボスを倒しにイク話があるのですが、一人はトッププレイヤーなのですが、主人公ともう一人はレベルが低めの中堅です。
レベルや装備品の強さ以上にプレイングスキルが重要視されるゲームとはゆえ、大勢のトッププレイヤーでも歯が立たなかった相手に中堅二人を含めた三人で討伐してしまうというのはいくら何でもヤリ過ぎです。
これがゲームでは無く、ただのファンタジーな世界であれば「主人公に隠された特殊な能力が解放して〜」みたいな感じでも面白いかどうかは別として納得は出来ます。
しかしプレイヤー数が3000万人もいるゲームのトッププレイヤーとなりますと、言うまでも無く超絶に強く無いとおかしいので、それらを少人数で上回れるのが「単にゲームが上手いだけ」という理由では納得する事が出来ません。
別ゲー(クソゲー)で培った知識や技術があったとしても、トッププレイヤーの皆さんはそれ以上にシャンフロというゲームをヤリ込んでるはずでしょうし、別ゲーも含めて凄腕だからトッププレイヤーになれているという話です。
◆シャンフロ劇場
毎話最後にあるオマケアニメですが、これがマイナスです。
一応本編に関係のある回もあるのですが大体は知らなくても良い話だったり、つまんねー回もあります。
尺がやけに長くて本編が短い時などもありましたので、本編の作画カロリーが高めな分ここで楽しようという魂胆が見え過ぎててちょっと萎えます。
手抜きであってもシャンフロ劇場がもう少し面白かったら良かったのですが・・・
◆駄作では無い
散々ケチを付けた私ですが、戦闘シーンに関しては高く評価しております。
主人公に恋する若干ストーカー気味な女の子が、
ゲーム内では強キャラだったり、
モフモフキャラが多くて可愛い上に、擬人化まで出来るという点も好感触です。
何よりも主人公の周りに女性キャラが多いのに、中の人が男性だったり、そもそもハーレム的な状況になって無いという点が他作品との差別化が図れております。
面白いといえば面白いし、クォリティーも高めではあるのですが、前評判ほどの人気は出なかったなぁ・・・というのが本作の現実です。
TVアニメ『シャングリラ・フロンティア』2nd season決定映像
私は2期も視聴予定ですが、1期の視聴の有無に関しては何とも言えません。
駄作じゃなくて良作ではあるけれども、何かイマイチな気もしちゃう本作ですが、バーチャルMMOモノがお好きな方はご覧になっても良いかもしれません。
何とも歯切れの悪い記事となってしまいましたが、こんな感じで失礼させて頂きます。
それでは、良きアニメライフをノシ