アニメ批評その917 犬とハサミは使いよう
評価:★(ミステリー系不条理コメディーとは?)
概要
更伊俊介著、鍋島テツヒロイラストによるライトノベル。
単行本はエンターブレインから発売されている。
第12回エンターブレインえんため大賞小説部門優秀賞受賞作品。
強盗犯に殺害されるもなぜかミニチュアダックスフントへ転生した読書バカの主人公と、何かにつけてハサミを持ち出しては主人公を罵倒する人気作家なヒロインを中心に、彼らと関わりを持つ人々の様々な日常を描く。
2012年3月7日にはドラマCDが発売された。
『月刊少年エース』(角川書店)2012年7月号より大庭下門によるコミカライズが連載を開始した。
2013年1月19日にはテレビアニメ化が発表され、同年7月から9月まで放送された。
あらすじ
人生の大半を読書に費やす読書バカの春海和人は、ある日立ち寄った喫茶店で銃を持つ押し込み強盗と遭遇。
錯乱した強盗は居合わせた女性客を撃とうとするが、和人は彼女をかばって射殺されてしまう。
走馬灯がよぎる中、和人は「死んだら本読めないじゃん!!」という読書バカの執念により、奇跡的に現世への生還を果たす。
しかし、その姿はなぜかミニチュアダックスフントと化していた。
「せっかく生き返ったのに、犬の姿では本のページをめくることはおろか買うこともできない」と煩悶する和人だったが、そんな彼の前にハサミを得物として持ち歩く狂気の美女・夏野霧姫が現れる。
彼女の正体は和人が大ファンの作家・秋山忍その人であったが、彼女がなぜ自分の前に現れたのか、和人にはまるで覚えがない。
それもそのはず、和人が犬として生まれ変わったのと同じ頃、なぜか霧姫は「犬と化した和人」の心の声を聞くことができる様になってしまい、彼女は煩悶する和人の声に導かれるままにやってきただけだったからだ。
霧姫は当初、頭の中に鳴り響く和人の声に我慢ならず、彼を始末するつもりだった。
だが和人を尋問する中で、彼が強盗の恐銃から自分を守った命の恩人だと気付き、気持ちを改める。
かくして犬と化した和人は霧姫の元で、第二の読書バカ人生を歩むこととなった。
PVやEDでセクシーなお姉さんが出てきますが、本作にエロ要素を求めてはイケマセン。
↑のあらすじの通り、強盗に殺されて犬に転生した主人公と、ハサミを持ち歩くサイコ女が織り成す「ミステリー系不条理コメディー」となります(何それ?)
これは傑作か駄作のどちらかだろうと予想した私ですが、
残念ながら後者でした。
◆シナリオがクソ
何故主人公が犬になったのか?
何故ハサミ女は犬の言葉がわかるのか?
そんな事はわかりません。
人から犬になったら普通もっと動揺すると思うのですが「本が読めるならいいや」と容認し、人に飼われる事を選んだ主人公の方がハサミ女よりもサイコパスだと思います。
その上、思考が全部筒抜けなので、常人なら発狂しそうなモノです。
人として何か大切なモノが欠落していそうな主人公ですが、生き甲斐とも言える本が大好きな理由についても一切語られません。
「ミステリー系不条理コメディー」と自称しているだけあって、殺人犯を見つけて追い詰める処はミステリー的な何かがあるのかな?と思ってた私ですが、そういった要素は全然無く、意味不明なバトルシーンで犯人を倒します。
シュール過ぎるバトルシーンと超展開のせいで心が折れそうになりましたが、何とか頑張って視聴を続けました。
天才作家と読書バカが協力して事件を解決してイク物語かと思いきや、シュールなバトルシーンとクッソ寒いギャグばかりで、全力で視聴者の心を折りにきます。
ハサミ女が主人公に惚れるのもよくわからないし、アニオリ回が多くカットされた原作のシーンが多かったのもマイナス要素です。
そのため一部のキャラの存在感が薄くなり、原作で活躍しているキャラがちょっとだけ登場して視聴者を困惑させるだけで消えていったりもします。
原作が人気作という訳では無いので、そのままアニメ化せずに手を加えよう、といった試みだったのかもしれませんが、これは余りにも酷すぎます。
キャラデザは好きだったのですが、ここまで意味不明かつ寒いギャグを連発されると酷評せずにはいられません。
クソアニメハンターの皆様方にもオススメしずらい駄作なので、スルー推奨です。
それでは、良きアニメライフをノシ