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アニメ批評その957 便利屋斎藤さん、異世界に行く

評価:★★★(黙って3話までは観て欲しい)

概要

一智和智による日本の漫画作品。

『ComicWalker』(KADOKAWA)を中心にニコニコ静画などのweb漫画サイトにて連載中。

2022年1月時点でシリーズ累計部数は30万部を超えている。

あらすじ

異世界へ転移した便利屋従業員斎藤とそれを取り巻くラエルザ一行。

孤独に旅をする魔術師ドワーフ、エルフと特殊性癖を持つ神官、いまだに強い実力を秘めた国王と倒された魔王、いくつもの異世界のパーティの面々をグランドホテル形式で描くスペクタクル日常物語。

便利屋斎藤さん、異世界に行く - Wikipediaより抜粋

原作の販売数は30万部台と少なめで異世界転生モノ・・・よくある「それなりに楽しめるけど観なくてもイイ奴か」と思ってはいませんか?
私は原作を少し読んでいたのである程度の期待感を持って視聴に臨んだのですが、期待以上の面白さでした。

主人公は元の世界では薄給の便利屋従業員でしたが、死にかけた処で異世界に転生します。
パーティーを組む事になったラエルザは男勝りな性格でサバサバしるのですが、ツンデレ要素も持ち合わせている美女です。

更に妖精のラファンパンとボケ老人のモーロックもパーティーメンバーとなります。

異世界転生モノにありがちなチートスキルは一切無く、元の世界である現代日本で培った技術と知識でサイトウさんが活躍してゆく物語です。

戦闘力は人並みで低く「自分はパーティーの足手まといになってるのでは?」と落ち込む事もありましたが、その人柄と手先の器用さで仲間達の信頼を勝ち取ります。

◆本作の魅力について

ファンタジー作品あるあるといった分かりやすいネタもあり、コメディー色が強めです。

それでいて戦闘シーンもおざなりでは無く、ちゃんと描かれてるというか、割とバトルシーンが多めだったりします。

キャラに関しても非常に魅力的で、全員ギャップが凄いです。

初見で感じたイメージがほぼ崩れますので、その点もお楽しみ頂けるはずです。

勇者パーティーが弱いのですが、勇者になれた理由が面白くて笑えます。

ギャップが凄いキャラばかりの中で、一番凄いギャップがモーロックさんです。
呪文の詠唱を忘れてしまうほどもうろくしてるのですが、超面白くてカッコいいお爺ちゃんです。

「こーゆー世界観なのだな?」と思って観てると、序盤の方に「ぇえ!?」と驚かされるシーンもありますし、作中最強のキャラが「まさかそんなw」という人だったりと、油断してると面白過ぎて腹筋をヤラれます。

◆シリアスシーン

冒頭に「黙って3話までは観て欲しい」と書きましたが、コメディー的な面白さと激熱展開があるので、そこまで視聴出来れば継続出来るだろう?という見立てです。
4話以降はかなり重たいシリアスな話に突入します。
本作はコメディー7割シリアス3割で構成されており、シリアスの部分が良いスパイスになってると思うのですが、人によっては「シリアスは不要」と感じてしまうかもしれません。
伏線の回収の仕方が秀逸だったり、コメディーとシリアスを反復横跳びする時もあるので個人的には「ありそうで今までに無かったアニメ」という認識で高評価なのですが、コメディーを期待して視聴した方が陰鬱な気持ちにさせられて「つまらなかった」という感想になってもおかしくはありません。

◆総評

サイトウさんの活躍の仕方が予想外だったり、

ラエルザが可愛いという点を考慮しなくても名作だと思います。
ここまで様々な側面を持つアニメというのは非常に珍しく、新鮮さを求めてる方には強くオススメしたい作品です。
ただしシリアスなシーンは結構暗い気持ちになりますので、その点だけは覚悟して下さい。

ラエルザの「じじい、ふざけてるのか!?」とキレるシーンがとても好きなので多くの方と共有したいと思ってます。
それでは、良きアニメライフをノシ

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