アニメ3期が失敗しそうだと思った理由@ウマ娘
要望があったので書く事にしました。
厳密に申し上げますと、
「キタちゃんを主人公にしたアニメのストーリーってとても難しいと思うので、3期の出来が楽しみです」
とか、そんな感じの事を言ってたと思います。
1期や2期はストーリーが組みやすかったと思ってた私も「3期だけは想像がつかん!どうやって纏めるんだろう?」と思い悩んでました。
◆1期との比較
1期はスペちゃんの同期が粒揃い過ぎるんですよね。
元々「最強世代」とか「黄金世代」と呼ばれてまして、その中で主人公級の活躍を魅せたスペを主軸に話を作るとなれば、簡単に脚本が書けそうです。
キタちゃん最大のライバルといえばドゥラちゃんですが、結局一度も勝てずにターフを去ってしまいました。
それを言ったらスペもグラスには勝てなかったのですが、1期の終わり方が「私たちの戦いはこれからだ!」みたいな感じで、あの頃はそれで許されてたかもですが、2期で上がったハードルをクリアするにはもう使え無さそうな手です。
勘違いして欲しく無いのは、キタちゃんのライバル達が弱いとかショボいと言ってる訳では無いのです。
スペの同期が凄過ぎるというか、ドラマ性が強いのです。
クラシック期ではスペに勝ち越してたウンスを、シニア期には追い抜く感じがストーリーを作りやすいと思いませんか?
かつてのライバルを超えた的な感じですが、同じ様な事を3期でやろうと思っても出来ませんし、
元は世代チャンピオンだったのに怪我で長期離脱し、復活した後はスペの最大のライバルとして君臨し続けたグラスと、
海外で多大な実績を上げ、悲願である凱旋門賞制覇まであと一歩まで迫ったエルがいるんです。
そのエルに勝った人が日本のジャンカップに遠征してきたのをスペが返り討ちにする訳ですから、これが史実であった事を信じられないという方もいらっしゃる事でしょう。
キングは影が薄くなってゆくのですが、彼女の魅力についてはまた別の記事で語りたいと思ってます。
重ねて申し上げますが、スペとキタサンどっちが凄いとか人気があったかという話では無く、13話構成のアニメに落とし込みやすさについて語ってます。
同期を含めてドラマチックだったスペと、強さと人気はあったけどスペほどのドラマ性は無かったキタサンとを比較しますと、アニメ化には向いていなかったのではないかと愚考します。
◆2期との比較
テイオーの同期はキタサンと比較するとかなり地味めな感じというか、世代的には弱かったイメージです。
なので同期との絡みという点においてはネイチャとターボくらいしかいなかったのですが、突出した別の部分があるので名作となりました。
それはテイオーの戦績です。
これほどまでにドラマチックな戦績は日本競馬においては他に例がありませんので、同期や先輩後輩がどうとか関係なく、単体でドラマが完成しております。
それなのに同期に個性派のターボがいて、後輩にはライスがいるのです。
3期でも先輩にゴルシがおりましたが、キタちゃんと絡めた時は既にピークアウトしていた感じの時です。
もしゴルシがキタちゃんの後輩で、伝説の皐月賞や菊花賞などがあれば話は変わってきたかもですが、キタちゃんが現役で走ってた時にドゥラメンテ以外に規格外の馬と走る事はありませんでしたし、師匠のオールカマーやライスの春天ほど印象的なレースもありませんでした。
テイオーにはハヤヒデという分かりやすい強者が出現してくれた事により、有馬記念での勝利がより価値のあるモノになりました。
それに対してキタちゃんは新たな強敵が出現するという事もありませんでしたし、ライバル達の戦績も…
JCのシュヴァル回はとても良かったと感じましたが、もし史実のキタサンが秋シニア三冠を達成していたら、また違ったストーリーが組めたのかな?と思ってます。
◆良い部分もあったけど
3期の良い部分については色々語ってきたつもりですが、やはり大元となるストーリーが微妙だとどうする事も出来ません。
1期の様に強力かつ個性的なライバル達がいた訳では無く、2期の様にドラマ性最強の主人公という訳でも無かったキタサンには、ピークアウトの設定しか残されてなかったのかもしれません。
Xも含めればもう100回くらい言ってる事ですが、私はキタサンのピークアウト設定には否定的なのですが、過去記事にも書いた通りピークアウトしてたかどうかは誰にも分からない事だし、無理めな設定でも押し通す必要があったのかもしれません。
もちろん「こうする他無かった」というつもりは無いのですが、ピークアウトしてなさそうな子が引退する場合は「元気いっぱいだけど引退しますw」となってしまいますよね?
競馬では種牡馬や繁殖入りなどがありますが、ウマ娘にはそれがありません。
どうやっても表現出来ない事がある以上、どうしてもどこかに無理は生じる訳で、それが3期においてはピークアウトの設定だったという訳です。
ピークアウトという表現がNGとなりますと、もう13話構成のアニメ化は無理かもしれません。
テイオーの様に力を出し尽くした感じ、かつその後怪我で引退した馬か、1期の様にふわっとした終わり方をするしか方法がありません。
シングレのアニメ化が待たれますが、コチラは2クールでも終わらせるのは難しいくらい長くなりそうなので、13話構成はまず無理でしょう。
RTTTや劇場版の様に、その子の引退までは描かない形であれば全然イケそうです。
強すぎる子はアニメ化し難いので、今後は全4話か劇場版がメインになるかもしれません。
「3期はキタサンが強さを誇示する終わり方でも良かったはず」
こんなご意見もありましたが、宝塚で負けて海外遠征を諦め、JCでも負けておりますのでそれは無理がありますし、仮にオペラオー並みの実績を出したとしてもストーリー的に成立しないと思います。
ウマ娘は類似作が無いので私も「こーするべきだった」とは言えないのですが、視聴者が過度にハードルを上げ過ぎるのは宜しく無いと思ってます。
アニメ3期の出来に不満はありますが、ある程度は仕方の無かった部分があったと察して頂けましたら幸いです。
それでは、良きウマ娘ライフをノシ