アニメ批評その355 終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?
評価:★★(タイトルが長げぇ)
作風について
著者が本作のプロットを書いたのは2004年ごろであるが、世界の基本設定や主人公が戦うのではなく戦いに行く女の子を男が見送るところなどの骨格以外はほとんど変わっている。
もともとは角川スニーカー文庫とは別の出版社に持ち込んだ作品であったが、そこで没となったものをスニーカー文庫に持ち込み、ほとんどすべてを改稿した上で出版することになった。
登場人物のうち、「妖精兵」と呼ばれる女の子たちも半分くらい新しくなっている。
これは、一度没になった作品だったため、登場人物の一部を枯野の他の著書に登場させてしまったためである。
作品の雰囲気・世界観について、枯野は「ファンタジーロマンを追い求め、ごった煮感のあるファンタジーを真正面から突き詰めている。世界が滅んでいるというのもごった煮の中の一つ。」と語っている。
第1部のタイトルは、「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」であるが、もともとは「箱庭世界の天使と悪魔」というタイトルであった。
空に浮かぶ島が舞台であるなど「箱庭」の要素があることからつけられたタイトルであったが、これではほかの作品に埋もれてしまうということで、枯野が編集部で当時枯野の担当の具志堅にタイトル決めのほとんどを任せ、現在のタイトルになった。
そしてタイトルの「終末」について枯野は、
「人によって解釈の幅のある言葉だと思っている。どんな人も共通して「明日死ぬのが決まっているから今日をどう生きようか」というシチュエーションと問いかけの組み合わせがオーソドックスな終末感で、決まった死を全人類の共通認識として描いてみているのが一般的な『終末』の作品。でもそうではなくて、「死」ももっと小さな人にも適用できるであろうと考えた。例えば終末医療のように。『終末』だからと言って世界が終わるわけではない。それで終末をこのシリーズに近い言葉として使っている。」と話している。
あらすじ
作中時点より500年以上も昔、地上では人間族(エムネトワイト)と、彼らから「怪物(モンストラス)」と呼ばれたその他の種族たちとが、領土を巡って争っていた。
人間族は、絶大な力を有する聖剣(カリヨン)を使いこなす勇者(ブレイブ)たちの圧倒的な戦力によって、他のすべてを敵に回してなお、地上の支配者として振る舞っていた。
ついに、創造主である星神(ヴィジトルス)・エルク・ハルクステンが人間族に宣戦を告げる。
これを受け、正規勇者・リーリァ・アスプレイ以下七名の勇者たちが集結、星神との決戦に臨んだ。
その一人、準勇者(クァシ・ブレイブ)・ ヴィレム・クメシュは星神の守護につく三柱の地神(ポトー)の一人、黒燭公(イーボンキャンドル)を激闘の末に降すも、呪いによって石と化してしまう。
こうして彼は、大切な「家族」と交わした、必ず帰るという約束を果せなかった。
そして、石化した彼は知りえなかったことだが、それから一年と経たぬうち、突如出現した謎の存在「〈十七種の獣〉」により、人間族は、そして地上はあっけなく滅ぼされてしまったのである―
長い時が経ち、ヴィレムが目覚めた場所は、地上を蹂躙する〈獣〉から逃れた様々な種族が暮らす、上空に浮かんだ陸地、浮遊大陸群(レグル・エレ)であった。
人間族が滅んでからすでに526年。
守るべきもの、帰るべき場所をすべて失った絶望から世捨て人のように生きていたヴィレムは、石化していた彼を発見した地上探索隊の一人、グリックの勧めで護翼軍の兵器管理の仕事をはじめることになり、68番浮遊島にある軍の施設「妖精倉庫」にてクトリ・ノタ・セニオリスたち妖精兵と出会う。
彼女ら妖精(黄金妖精/レプラカーン)が「兵士」として扱われず、遺跡兵装(ダグ・ウエポン)と呼ばれるようになっていた人間族の遺産・聖剣を使いこなすための「兵器」として使い捨てられていることを知ったヴィレムは、かつて勇者として戦い培ってきた技術を用いて「彼女たちが救われるために今の自分にできること」を模索していく。
そして、クトリはそんなヴィレムに惹かれていく。
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? - Wikipediaより
主人公のヴィレム・クメシュです。
長年石化していて、溶けたと思ったら人類は滅亡してるし、自身は戦ったら死ぬという呪いが掛かってるという可哀そうな青年です。
妖精兵の女の子達のお世話が主任務です。
メインヒロイン兼もう一人の主人公であるクトリ・ノタ・セニオリスです。
監督曰く「何事にでも一生懸命な委員長タイプ」だそうで、仲間の為に自分の命を削って戦える健気な子です。
女の子達は普通に可愛いし、シナリオというか設定的にも結構緊迫感があって悪くはありません。
特にクトリの頑張り様が凄くて、私は胸が詰まる思いをしながら視聴しておりました。
しかし本作は不人気作であり、正直私も「なんだかなぁ」という気持ちにはなっておりました。
内容も設定も作画も声優の演技も悪くないのに、何故こんな複雑な気持ちになるのかについて考えてみましたが・・・
タイトルが悪いんじゃね?
という事に気付きました。
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?
長いタイトルが悪いという話ではなく、視聴前のイメージではギャグモノか俺TUEEE系だと思ってましたし、多くの方がそうだったのではないでしょうか?
この作品の内容はかなり重苦しい設定で、ギャグ要素などはありません。
面白いアニメが観たい!と思って視聴したら鬱アニメだった!という感じです。
原作の小説のタイトルは「終末なにしてますか?もう一度だけ、会えますか?」と少し切ない感じとなっておりますが、そのままで良かったのでは?と思いつつも、そもそも別の無難なタイトルを思いつかなかったのか?と強く思いました。
内容は決して悪くないけど、アニメは不人気で原作も終わってるので2期の制作は無いと思って頂いて構いません。
評価としては内容的には★3相当ですが、タイトルがアカンのと続きがもう観られ無さそうという理由で★2とさせて頂きます。
それでは、良き終末をノシ