アニメ批評その753 蜘蛛ですが、なにか?
評価:★★★(人間パートが残念)
※当記事はネタバレを含みます。
概要
馬場翁(ばばおきな)によるなろう系ライトノベル。
『小説家になろう』にて連載されたWeb小説を元に、2015年12月10日、KADOKAWAのWeb小説レーベルカドカワBOOKSより単行本化された。
イラストは輝竜司が担当している。
また、同月より『ヤングエースUP』にてかかし朝浩の作画でWebコミック版も連載開始。
『このライトノベルがすごい!』2018年版で単行本・ノベルズ部門第2位。
2021年10月時点で電子版を含めたシリーズ累計発行部数は430万部を突破している。
あらすじ
地球人の知らない、スキルやステータスといったシステムに支配された異世界。
そこでは常に勇者と魔王という旗頭を擁する、人族と魔族というふたつの勢力が争いを続けていた。
そんなある時勇者と魔王が放った魔法は世界の枠さえ飛び越え、余りある力は勇者と魔王自身を滅ぼしても止まることはなかった。
その力の一部は次元の壁をも突き抜け、日本のとある高校の教室で炸裂してしまう。
そこにいた生徒と教師は全員死亡。
しかし彼らの魂は勇者と魔王がいた世界に逆流し、そこで転生することになる。
しかも全員が、前世の記憶を持ったまま。
ほとんどの者は人間に転生するが、人族でも魔族でもなく、本来なら知性を持たないはずの「魔物」に転生してしまった者も数人いた。
主人公である女子高生は死亡した後に異世界転生を果たします。
同級生や教師が貴族や王族、エルフなどに転生している中、下級の魔物である蜘蛛に転生します。
異世界転生した後は苦難の連続で、自分よりも強い魔物との連続戦闘を経て
人間にも狩られそうになるという不幸具合です。
原作者は転生したらスライムだった件の影響を強く受けているそうで、確かに異世界転生した主人公が魔物としての人生を送るというストーリーは似ている部分があると思います。
そして強大な力を持った主人公無双する様はオーバーロードを連想させます。
しかし、本作の主人公(以下蜘蛛子)はリムルやアインズ様の様に最初から強かった訳ではありません。
どこにでもいそうな下級の魔物だったのに、生死を掛けたジャイアントキリングを数えきれないほど繰り返し強くなってイク物語です。
そして蜘蛛子の話と同時進行で同級生たちの話も展開されます。
↑は勇者の弟であるシュンくんなのですが、王族でもあります。
同級生も境遇や才能に恵まれた人間が多いのですが、この人間パートが大変不評でした。
「人間パートがつまらない」
「人間パートを無くして蜘蛛子の話だけにして欲しい」
ニコニコ動画のコメント欄やアニメの感想を述べるサイトでは、こんなコメントばかりでした。
確かに蜘蛛子パートの方が面白いのですが、人間パートは物語の進行上外す事が出来ません。
人間パートの方は平和な日常を送っていたり、温い戦闘を行っていたりする中、蜘蛛子の方は超絶ハードな戦闘に明け暮れているという対比を楽しむモノだと思って視聴していた私です。
ちなみに本作の主人公は非常に可愛いです。
蜘蛛の魔物が主人公と言う事で敬遠されてる方も少なく無さそうですが、
悠木碧さん演じる蜘蛛子は超絶ラブリーです。
ストーリー的には強くなった蜘蛛子と同級生たちが敵味方として対峙する、という図式が最初から思い浮かぶのですが、その時の戦力差がどれだけ開いてるか?を予想するという楽しみがあります。
ちょっとネタバレさせて頂きますと、勇者の弟であるシュンくんが冒険者学校に通い始めてしょぼい魔物相手に苦戦している大分前に、
蜘蛛子は最強の魔王と戦ってたりします。
これ以上のネタバレは避けますが「ここまでの差があるのか・・・」と思われる事でしょう。
オーバーロードが大好きな方は高確率でお楽しみ頂けるはずです。
◆やはり残念な人間パート
人間パートの登場人物の大半が無能なので、そこでイライラする方もいらっしゃるかもしれません。
最初は「人間パートは必要」と思ってた私ですが、人間パートの作画が色々と酷いのです。
蜘蛛子の戦闘シーンは高い作画力なのですが、その分人間パートの方は手抜きとなってます。
恐らく外注に作らせてるのだと思いますが、この酷さが回を増すごとにパワーアップしてイキます。
最後の方は作画ミスなどもありまして、明らかに息切れした感がありました。
物語自体は非常に面白いだけに残念でなりません。
設定や物語の面白さだけで採点するなら文句無しで★4なのですが、人間パートの手抜きにより大きく評価を下げ、総合評価としては★3となります。
続編を期待して止まない私ですが、万人ウケする感じでもありませんし、オーバーロードが好きかどうかで視聴するか否かを判断した方が良さそうです。
TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」アニメノンクレジット視聴動画/OPテーマ「keep weaving your spider way」歌:安月名莉子
OPをご覧頂ければ面白そうなのが伝わりそうですが、
TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」アニメノンクレジット視聴動画/後期EDテーマ「現実凸撃ヒエラルキー」歌:「私」(CV:悠木碧)
このカラオケで歌うのが困難そうなEDも大好きですw
蜘蛛子の生命力というか執念を多くの方に知って頂きたく存じます。
それでは、良きアニメライフをノシ