アニメ批評その839 異世界薬局
評価:★★(最後は暴力)
概要
高山理図による日本のライトノベル。イラストはkeepoutが担当している。
MFブックス(KADOKAWA メディアファクトリー)より2016年1月から刊行されている。
小説投稿サイト『小説家になろう』にて2015年7月1日より連載が始まり、2016年1月に加筆・修正されてMFブックスより書籍化された。
また、本作を原作とするコミカライズ版が『コミックウォーカー』および『ニコニコ静画』に2016年11月から連載され、KADOKAWAより書籍化されている。
2021年7月時点でコミカライズ版の累計発行部数は120万部(電子版含む)を、シリーズ累計発行部数は230万部をそれぞれ突破している。
実在する医薬品と疾患を題材としているため、専門家や医療従事者による指導のもとで執筆されている。
また、原作の小説版より後に制作される漫画版との間に生じるタイムラグにより、その間にエビデンスや科学的証拠の変更が発生した結果、小説版と漫画版に内容の差異が生じていることがある。
あらすじ
薬学研究に勤しむ日本の若き主人公は、志半ばで過労死して宮廷薬師見習いのファルマとして転生する。
ファルマは医学が未発達な世界で、転生前の知識と転生後に手に入れたチート能力を活かして多くの人々を救おうと奮闘する。
薬学研究に勤しんでいた主人公は過労で死亡し、異世界転生を果たす処から物語が始まります。
現代人が文明レベルが劣ってる世界に転生して知識マウントを取る作品は数えきれないほどありますが、本作は専門家や医療従事者による指導の元で執筆されているだけあって、チート能力だけに頼らず豊富な知識で問題を解決してイク処には好感が持てました。
魔術の師匠が主人公の能力に怯えて逃げ出す場面もありましたが、
女王陛下の病を治してから主人公の信用と地位が飛躍的に向上してイキます。
私が本作を最も評価していた点は暴力に頼らない処です。
暴力で訴えてきた相手に力を見せて退けるという場面はありましたが、敵を倒して終わりでは無く、治療する事により相手の信用を得ております。
なろう系の異世界転生モノだと暴力で解決して終わり、という展開が多い中で本作は良い意味で異質な作品です。
お父さんが非常に有能なのも良かったです。
現代の知識がある主人公が驚愕するレベルの有能さで、大変立派な人物です。
それ以外にも有能かつ主人公に好意的なキャラが多く「人に恵まれすぎだろ」というご意見も目にしましたが、女神や悪魔や勇者が仲間になるなろう系に比べたら全然地味だと思います。
妹ちゃんも可愛いし、これは良い作品だなぁ〜と楽しく視聴していた私ですが、
主人公が空をビュンビュン飛び始めた辺りから「コイツもう隠す気ねぇな?」と思いました。
己のヤベー力が周りにバレる事を警戒していたはずでしたが、途中からは無双し放題です。
一番残念だったのは最終話で「お前だけは治せない」と暴力で解決してしまった点です。
ここまで不殺の精神だったのに、ガッツリとぶっ殺してます。
「地味な作品」とそれほど人気があった訳ではありませんが、知識の無い人間に対してマウントを取る感じでは無く、出来るだけわかりやすく説明する主人公や、自身が経営する薬局の店舗拡大する手腕に関しては他の作品には無い良さを感じました。
ですが、やはり地味な印象は拭えず、異世界転生モノで成功するには派手なバトルシーンや腹を抱えて笑える様なシーンが無いと厳しいと再確認する事になりました。
最後のバトルシーンがああいった感じになってしまったので、人様に「暴力で解決しないなろう系」という紹介の仕方が出来なくなりました。
威嚇行為までは許容出来たのですが、直接攻撃はアカンです。
まぁ、ああいった敵の出現は必要でしょうし、暴力以外の方法では解決出来なかったかもしれませんが、それが出来ていたら名作としてご紹介出来たと思います。
最後に文句を垂れてしまいましたが、珍しいタイプの異世界転生モノです。
一般人向けでは無い気がするので評価は★2とさせて頂きますが、結構色んなアニメを観たという方にはオススメしたい作品です。
それでは、良きアニメライフをノシ