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【名馬列伝】ナイスネイチャ【ブロンズコレクター】

ウマ娘で一際人気が出たネイチャさんですが、GⅠ未勝利ながらも元々人気のある競走馬でした。
そんなネイチャさんの紹介記事となります。

◆生い立ち

1988年、北海道浦河町の渡辺牧場にて誕生。
馬名は英語で「素晴らしい素質(Nice Nature)」
母のウラカワミユキはチューリップ賞を含む3勝を挙げた名牝でしたが、ネイチャさん自体は幼駒の頃はこれといった特徴のない平均的な馬で、育成牧場でも目立つことはなかったそうです。
1990年夏、栗東トレーニングセンターの松永厩舎に入厩しますが、ネイチャさんのお姉さんが初戦で筋を痛めてそのまま引退していた事から慎重に調教を積まれ、デビューは12月と比較的遅い時期になりました。

◆デビュー

1990年12月1日、京都開催の新馬戦でデビューしますが、前が塞がれる不利があって2着。
2週間後の2戦目で1番人気に応え初勝利を挙げます。
年明けの3戦目は条件戦で6着でしたが、続く若駒S(OP)は皐月賞出走を賭けて是非とも勝ちたいレースでしたが・・・

後に無敗でダービーを勝つあの馬も出走してました(ネイチャさんは3着)
その後骨膜炎を発症し、休養に入ります。

◆覚醒の夏

7月の復帰戦となる条件戦で2着。
その後条件戦を2連勝し、小倉記念(GⅢ)まで勝ってしまいます。
一度は諦めかけたクラッシックですが、最後の1冠である菊花賞を目指すべく京都新聞杯(GⅡ)に出走し、見事勝利を収めます。
トウカイテイオーが故障により不在の中「夏の上がり馬」として注目されたネイチャさんは、本番の菊花賞で2番人気に推されます・・・

が、4着。
小倉記念や京都新聞杯では鋭い末脚を魅せたのですが、菊花賞以降は何故かジリ脚と呼ばれる鈍いけどジリジリ上がって来るスタイルになったそうです。
1か月後の鳴尾記念(GⅡ)で勝利を挙げ、有馬記念では何と2番人気になります。
菊花賞もですが、ウマ娘から競馬を知った方はネイチャさんがGⅠで2番人気になるというのが想像出来ないかもしれません^^;
レースは人気薄のダイユウサクが勝ち、ネイチャさんは3着に終わります。

◆勝てない日々

年明けから持病の骨膜炎が悪化し、休養に入ります。

復帰戦となる毎日王冠(GⅡ)では1番人気に推されるも、ダイタクヘリオスの3着でした。
天皇賞(秋)ではテイオーに次ぐ2番人気も4着。
マイルCSではまたしてもヘリオスに負け3着。
有馬記念ではメジロパーマーの大逃げを許し3着で「期待を裏切る馬」と評する方がいる一方で「何だかんだ頑張って入着してるよね」と健闘を称える方とに二分化されている印象でした。

◆ブロンズコレクター

有馬記念での走りが評価されてか、1番人気で挑んだ日経新春杯(GⅡ)は2着。
「長距離は菊花賞で入着してるからイケるだろ?」という事で1番人気で挑んだ阪神大賞典(GⅡ)はメジロパーマーが勝利し3着。
続く産經大阪杯(GⅡ)ではメジロマックイーンに敗北し2着。
メジロにボコられ捲りなネイチャさんでしたが、更に骨折してしまい休養と踏んだり蹴ったりです。
復帰戦の毎日王冠は3着でしたが、本番の天皇賞(秋)では2番人気に推されます。
「強そうな馬がいないし今度こそ!」

ヤマニンゼファーが距離の限界突破をして優勝し、ネイチャさんは15着と惨敗してしまいます。
続くジャパンカップも7着で「やっぱネイチャは強く無いな」という評価で、有馬記念では10番人気となります。

トウカイテイオーが奇跡の復活を魅せたレースで、またしても3着のネイチャさん。
有馬記念3年連続3着という記録は後にも先にも無い異業とも言える偉業であり、ネイチャさんの「ブロンズコレクター」というイメージが完全に定着した瞬間でもありました。

◆久々の勝利

年明け初戦はアメリカジョッキーC(GⅡ)で、マチカネタンホイザに敗れ7着。
産經大阪杯で2着の後、ビワハヤヒデが勝った天皇賞(春)と宝塚記念は共に4着でした。
そして当時は夏に開催されていた高松宮杯(GⅡ)で、

ウイニングチケットも出走してましたが、2年7カ月ぶりの勝利を挙げます。
この時の中京競馬場には、競馬ブームを起こしたハイセイコーが出走した1974年以来となる6万5159人の観客が集まっており、GⅠレースに匹敵する声援が送られました。

◆4回目の有馬記念

ここから13戦して、最高順位は京都記念(GⅡ)の2着が最高で、1996年11月のアルゼンチン共和国杯(GⅡ)を最後に引退しました。
ちなみに4回目の有馬記念は5着で、ナリタブライアンの圧勝劇で幕を閉じました。
ヒシアマゾンやマヤノトップガンなど、ウマ娘ではお馴染みな馬が勝つ中、ネイチャさんは寄る年波のせいかかつての走りは出来なくなってました。
6回目の有馬記念が引退レースとなる予定でしたが、右前脚の不安により回避を余儀なくされたのは残念でしたが、GⅠ競走出走16回、重賞34回連続出走は、いずれも当時の史上最多記録で驚かされたモノです。
しかしよくよく考えてみると、GⅠの時は大体ネイチャさんがいた様な気がしたので当然といえば当然の記録とも言えます。

◆引退後

種牡馬としては産駒の目立った活躍は無かったのですが、1999年にJRA がワイド馬券の販売を開始した際のキャンペーンキャラクターに起用されたり、2000年に実施したファン投票による名馬選定企画「20世紀の名馬大投票」では1193票を集め第71位に選出されました。
GⅠ級競走未勝利馬の100位以内選出は、他にステイゴールド(34位、企画実施後にGⅠ勝利)とツインターボ(91位)のみであった事から人気の高さが伺えます。
現役時から既に人気は高かった様で、松永善晴厩舎の調教助手であった稲垣茂氏は「彼以上のスターホースもいるが、トレセンを訪ねてくるファンの数とその思い入れの深さでは、栗東で一二を争うアイドルホースだった」とおっしゃられております。

◆馬場秀輝氏について

ネイチャさんの担当厩務員であった馬場秀輝氏の結びつきは非常に強いモノで、若馬の頃のネイチャさんは我が強くスタッフが手を焼く存在でしたが、馬場氏は全く怒ることなく接し続け、やがてネイチャさんは馬場氏に対しては引き綱なしで後ろを付いて歩くほど大人しい馬となります。
一方では競馬の時に馬場氏が付いていなければ発馬機に近づこうとせず、調教でも駐立したまま動かなくなってしまう事があった程です。
また、レースの一週間前程度からは1回分で15000円(日に3回)もするマムシの粉末を餌に混ぜ、ネイチャさんのために食べさせていたのですが、その費用は全て馬場氏の自腹だったそうです。
引退の原因となった脚の怪我を発見した際にはごく小さいひび割れで、ラストランの予定となっていた有馬記念を走っても問題ないほどのものでしたが、馬場氏は馬の将来を思い、万が一があってはいけないと涙ながらに松永善晴調教師を説得しました。
連続出走記録の懸かった競走前であり、その記録を誇りとし誰よりも楽しみにしていた松永調教師は「(ナイスネイチャのことを誰よりも知っている)お前がそういうのだったら、仕方が無いな」と言い、出走を取り消しました。

また馬場氏はネイチャさんのファンとの交流も欠かさず、送られてきた膨大な千羽鶴を馬房の扉に飾り、競馬の後にはメンコやゼッケンを気軽にファンに配布してました。
実はネイチャさんに会いに栗東を訪れるファンのうち、相当数が馬場氏のファンでもあったそうです。
馬場氏は1998年に交通事故に遭い41歳で死去しますが、これはネイチャさんを通じて知り合ったファンの結婚式に出席した帰路での出来事でした。

◆バースデードネーション

29歳を迎えた2017年4月16日の誕生日に、本馬の所有者である引退馬協会がバースデードネーション(直訳すると誕生日の寄付)を開始。
寄付金は本馬に限らず、引退馬が余生を過ごすための支援金として使用されるのですが、最初は設定した1ヶ月間の目標額50万円に対して48名から19万8千円の寄付でした。
翌年以降もバースデードネーションが実施され、2018年は275名から67万円、2019年は325名から108万円、2020年は404名から176万円と、企画の認知度が上がるにつれて寄付額も増額してイキます。

そして、2021年には目標額である200万円をわずか1日で達成し、その後一週間ほどでその10倍となる2000万円を超える額が寄付され、最終的には前年比約40倍の16296人が支援し、前年比約20倍の3582万9370円が寄付される事となりました。
この2021年に得た資金を元にして、ディープスカイ等の引退馬を新たに受け入れたことが発表がありました。

この急激な寄付額増加の理由については、同年2月に配信が開始された『ウマ娘 プリティーダービー』の人気が後押ししているとして各種メディアに取り上げられ、youtubeのネイチャさん関連の動画も再生数が爆増しました。
翌2022年のバースデードネーションは開始初日に目標額850万円を突破、その後わずか4日間で前年の最終額3582万円を超え、最終的には5410万6129円もの寄付が集まりました。

安定感があったからこそ入着率が多かったという印象を持たれている方が多いのですが、実際は故障が多く、クラッシック期後半では瞬発力を失い、古馬になってからは掛かり癖まで付いてしまい安定感があるとは言えない競走馬でした。
強い相手にも健闘し、マイルから長距離まで幅広くこなせたネイチャさんではありますが、スタッフの苦労とご尽力の賜物であった事は言うまでもありません。
ネイチャさん、いつまでも長生きして下さいね。
それでは、良きウマ娘ライフをノシ

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