アニメ批評その1042 AIの遺電子
評価:★★(後味の悪い回が好き)
概要
山田胡瓜による日本のSF漫画作品。
『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で、2015年49号(同年11月5日発売)から2017年39号(同年8月24日発売)まで連載された。
続編の『AIの遺電子 RED QUEEN』(アイのいでんし レッドクイーン)が、『別冊少年チャンピオン』(同社刊)にて、2017年11月号(同年10月12日発売)から2019年7月号(同年6月12日)まで連載。
『AIの遺電子 Blue Age』(アイのいでんし ブルーエイジ)が、同誌にて、2020年8月号(同年7月10日発売)から連載中。
人間、ヒューマノイド、ロボットが当たり前のように存在する近未来を舞台に、ヒューマノイドを治療する人間の医者を主人公として、人間とヒューマノイド双方の考え方の違いによって起きる問題を戦争、テロ、殺人事件、陰謀、暴力、憎悪ではなく「愛」「友情」をベースに描くオムニバスストーリーである。
第21回(2017年)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した。
あらすじ
ヒューマノイドを治療する専門医の須堂光は人間である。
須堂の病院では、さまざまな悩みを抱えたヒューマノイドが治療に訪れる。
基本的に一話完結だが、徐々に明かされていく須堂自身の事情が物語の縦糸として機能している。
須藤はヒューマノイドの母親に育てられ、その母親が違法行為であるコピー人格の販売を行って収監されており、母親のコピーを探すことを目的としていた。
本作の主人公、須堂 光です。
須堂新医院の院長でもある彼ですが、
ヒューマノイド専門医なので、手術はこんな感じとなります。
ヒューマノイドとは?
人間と同レベルの知性、感情のある人間の脳を模倣したヒト指向型人工知能(電脳)を搭載した存在で、本作では世界の総人口の1割に達しているという設定です。
PVを観た際に「グロいヤツ?」と思われた方もいらっしゃりそうですが、そんなにグロいシーンはありません。
SF作品ではあるのですが、何となく設定や世界観は感覚的に理解出来ますので、特殊な用語を覚えたり理解する必要はありません。
バトルシーンもありませんし、人間とAIの違いについてや在り方について描かれた物語です。
ストーリーはとても面白く、コメディー色が強い訳では無いのに笑ってしまう様なシーンや、
物凄く考えさせられる回もありまして、作品に深みを感じます。
中には物凄く闇が深い回もありまして、形容し難い後味の悪さを感じる時もあるのですが、その点について私は高く評価しております。
ネタバレになるのでどんな感じかは解説しませんが、他の作品では味わえない様な感覚です。
内容的には名作といっても過言では無いのですが、どうにもこうにも不人気かつマイナーなまま放送を終えてしまいました。
原因はハッキリしておりまして、それは・・・
キャラデザです。
↑の子はメインヒロインなのですが、デザインが30年ぐらい前の感じです。
原作の画が悪いとは申しませんが、アニメ化に際して大幅に変えるべきだったと思います。
アニメは大体そのクールで40作品以上放送されておりまして、劇場版やOVAまで含めたら年間200では収まらないほど製作されてます。
その中で、このキャラデザのアニメを観ようと思う方は少なく、私の様なレビュアーはコアなアニオタ以外はスルーする事でしょう。
ストーリーが良くて作画崩壊も無いのに不人気な理由は、ほぼほぼキャラデザの問題です。
正直良作と言いながらも内容は地味なので大ヒットする未来は見えませんでしたが、アニメ向けのキャラデザにしなかったのは明確な失敗理由だと思います。
将来自我が芽生えるAIが誕生するかもしれませんが、そうなる前にこういった作品を視聴して自分の考えや価値観を纏めておくべきだと思いました。
内容は本当に良いのですが、どうしてもキャラデザの部分が受け入れられないので評価は★2にしておきます。
それでは、良きアニメライフをノシ