アニメ批評その1015 マクロスΔシリーズ
評価:★★(Fの人気を引き継げなかった)
概要
『超時空要塞マクロス』から続く「マクロスシリーズ」のアニメ作品としては7作目。
テレビアニメとしては2008年放送の『マクロスF』に続く4作目かつ、毎日放送が製作に関与していない初の作品である。
アニメ放送終了後の2018年2月9日、シナリオを再構築した劇場アニメーション『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』が公開され、2021年10月8日には完全新作の『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』が公開された。
当記事ではテレビアニメ版と劇場版2作品について解説した記事となります。
私は初代マクロスからのファンで、前作のマクロスFには最高の★5評価をしております。
ですが、本作の評価は★2で「コアなファン以外にはウケ無かったアニメ」だという認識です。
マクロスシリーズをご存じ無い方にざっくりと解説させて頂きますと、
・カッコいいロボアニメ
・でっかい船がロボに変形する
・女性(たまに男)が歌うとバフやデバフが掛かる
・歌が素晴らしい
というのが特徴です。
で、本作ではその要項が満たせていたのかと言うと、かなり微妙です。
マクロスといえば歌が一番のウリなのですが、前作のFと比べるとかなり厳しい評価となります。
本作の楽曲が悪いとまでは申し上げませんし、CDの売上も決して悪くはありません。
しかし前作と比べるとCDも円盤も売上の差は歴然で、マクロスシリーズに思い入れの無い方からは「マクロスはカッコいいと思ってたけどイメージと違った」という声が多々聴かれました。
今観るとネタにしか見えない前々作も、評価の高かった前作も当時はカッコ良さが高く評価されていたのですが、本作に至っては「ラブライブにでも影響されたのかな?」と思わざるを得ない改悪をしてしまった感が強いです。
前作の様にツインヴォーカルだったら良かったかもですが、本作は5人組のユニットです。
1話目だけでもご覧になれば分かると思うのですが、コアなファンでない限りは受け入れるのが難しいと思います。
作画面に関しても全然良い方ではあるのですが、やはり前作の出来を鑑みると、もう少し良いモノを期待してしまいます。
この二人とか結構好きなのですが、前作と比べてしまうと全体的というか、全てにおいて劣っている様にしか見えません。
私の中で「マクロス=カッコいい」というイメージが崩れてしまいました。
一応テレビアニメ版も見どころというか名シーンはあるのですが、これほどまでに内容が薄く感じたマクロスアニメは初めでです。
◆劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレについて
劇場版の1作目は総集編とされてますが、内容はテレビアニメ版と大きく異なります。
全26話のアニメを1本に纏めておりますので、内容が大幅にカットされている上に、一部のストーリーが大幅に改変されております。
尺の都合はあるにせよ、主人公とヒロインが秒で仲良くなってるのがちょっと驚きでした。
劇場版を観た後にテレビ版を観ると、温度差で風邪をひくんじゃないかと思いますw
またテレビ版では三角関係というテーマもあったのですが、劇場版ではその要素がガッツリと削られておりますので、ミラージュさんのファンに方は脳が壊れるかもしれません。
「マクロスに強い興味は無いけど、紳士の嗜みとして観ておこうかな?」くらいの方には全26話もあるアニメよりも劇場版の方をオススメ致します。
しかしテレビ版ではここぞという場面で歌うシーンも、尺の足りない劇場版ではもう歌い捲りです。
隙さえあれば歌う感じで、まるでオペラを観ている様な錯覚に陥るかもしれません。
◆劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!について
2作目の劇場版は完全新作となります。
1作目の劇場版かテレビ版を視聴済で無いと、お楽しみになる事が困難です。
「1作目までは割と絶望してたけど、2作目が素晴らしかった」という感想を割と目にしたのですが、私の中では然程評価が高くはありません。
マックスが登場した時はビックリしましたし、めっちゃ嬉しかったのですが、
それ以外の部分については、本作の悪い処がそのままで「期待していた程では…」と感じてしまいました。
主人公に限らず、戦闘中によそ見ばかりしているのが気になって仕方ありませんでしたし、
楽曲も「良い」とは感じましたが、前作ほどでは無いという印象でした。
※前作のCDは色々と買い漁っております。
また秒でコスチュームが変わる演出にも違和感を感じてしまう視聴者も多かったでしょうし、空を自由に飛ぶのもどうかと思いました。
ラブライブの様にイメージ映像という訳ではありませんので、ちょっとヤリ過ぎかなと・・・
CGの多用は仕方が無いとは思うのですが、劇場版の方はもっと頑張って欲しかったです。
今はライブシーンといえばウマ娘は最も優れているという風潮ですが、この部分で負けてしまっては立つ瀬がありません。
ちなみに劇場版の円盤は万超えの売上を記録しておりますが、興行収入は爆死レベルの様です(約1.5億円)
多くのマクロスファンに支えられているおかげでCDも円盤も売れておりますが、そうで無い層からの支持は低そうです。
古くからのマクロスファンである私でさえもガッカリしましたので、マクロスシリーズの次回作には期待したい処です。
結論としては、
・マクロスシリーズの中では最も評価が低い
・知識を得るための視聴であれば劇場2部作のみで良い
・大きな期待はしない方が良い
というのが私の評価です。
マクロスファンの方の中にはこの評価に納得がいかない方もいらっしゃると思いますが、賛否が分かれた7ですらここまで否定派は多く無かったです。
好き嫌いは個人の自由ですが、作品の評価は世論を重視して受け止めるべきだと思います。
それでは、良きアニメライフをノシ