アニメ批評その909　プリマドール

2023/02/15 17:00

キャラデザの可愛さからかなり気になっていた作品なのですが・・・
そんなプリマドールをechoさんがレビューしてくれました。

評価：★★(1話から泣けと言われても…)

概要
プリマドールは、Keyによるメディアミックスプロジェクト。
「歌と人形」をテーマにキャラクターたちの想いと成長を描く。
2022年7月からTOKYO MXほかにて放送された。

あらすじ
喫茶・黒猫亭。それは皇都五区の片隅に、ぽつんとある喫茶店。
そこで働くのは、技術の粋を結集した、自律人形（オートマタ）の少女たち。
数年前に終結したばかりの大戦争。
そこで兵器として作られた彼女たち。
やがて迎えた戦後の平和。
新品同様に修復されて、ぴかぴかの着物に身を包んで、新しい役目を探して、高らかに歌声を上げていく。
あなたも彼女達と素敵なひとときを過ごしてみませんか？

灰桜
喫茶・黒猫亭の給仕人形。好奇心旺盛な頑張り屋。
一度初期化されているため、とても世間知らずなポンコツ？人形。
歌が好き。自分で歌うことも、誰かの歌を聞くことも大好き。

鴉羽
黒猫亭のリーダー。
真面目で責任感が強く、ちょっぴり勝ち気な性格。
面倒見はよく、周囲からも親しまれている。
一方で慎重なところもあり、新しいことや、想定外の事態は苦手。

月下
元偵察用人形。
義体は軽量化されており、一見すると子供のよう。
軍属時代の名残で、ぶっきらぼうな口調で言葉数も少なく最低限。
言われたことは忠実にこなすものの、それ以上の関わり合いは望まない。

箒星
黒猫亭の厨房係。
料理の腕はぴかいち。おっとり丁寧で楚々とした人形。
いつも朗らかで、周囲を和ませる、お姉さん的存在。
筆まめで、毎日几帳面に日記を付けている。

レーツェル
ローベリア製の自律人形。
皇軍による研究観察依頼を受けて、黒猫亭に引き取られる。
気品を感じさせる優雅な物腰ながら、ふとした瞬間に毒を吐く。
ただひとりの異国生まれという境遇から、時折寂しさを覗かせる。

遠間ナギ
黒猫亭のオーナー。
人形技師で、メンテナンス全般も担当する。
飄々とした物腰でつかみ所のない性格ながら、人形たちの可能性を誰よりも信じている。
かつては軍属の技術将校として、戦地に赴いていたことも。

泣きゲーと言うジャンルを確立した、Keyのオリジナルアニメです。
Keyといば「CLANNAD」や「Angel Beats!」など数々の泣ける名作を送りだしてきた老舗のヒットメーカーですが、最近では「神様になった日」など賛否両論を巻き起こす事も少なくありません。
「神様になった日」では前半の日常パートが長すぎて、後半からのシリアス展開で尺を足らずに唐突な感じで感動話に突入してしまった為に、なにがやりたいのか分からない、急展開過ぎて感情移入できないといった声がありました。
その反省を生かしたのか、今回のプリマドールは1話から主人公の背景やキャラクターの紹介もそこそこに、いきなりゲストキャラクターの切ない話から始まっていて、どうだ！泣けるだろ！と言わんばかりに感動話を持ってきました。

いやいや、いきなり泣けと言われても…ｗ
今作は、戦争用に作られた自律人形（オートマタ）が戦後、不要の存在になってしまって、行き場を失ってしまった世界です。
その世界で元将校で人形技師のナギは、オートマタを集めて喫茶店をしています。
戦争は終わったと言っても、まだ世界の情勢は不安定でオートマタも存在意義を問われる様な場面が何度も出てきます。
世界観や舞台設定はしっかりと出来て、上手く作れば感動的なストーリーになりそうな予感はあったのですが、日常描写やキャラクターの深堀がされてない状態で、毎話1話完結の感動話をされてもいまいち乗りきれず、結局最後まで悪い話じゃないんだけど感動まではいかないという中途半端な作品になってしまいました。
せめて、2～3話かけて日常パートやキャラクター紹介をやっておけば、もうちょっと感情移入できたのではないかと思います。
またメディアミックス作品なので、今後のゲーム展開などを狙っていたんだろうと思いますがキャラクター数が多すぎます。
ただでさえキャラクターの深堀が少ないのに、キャラクター数も多くて余計にキャラクターに愛着が持てませんでした。
作画は良いですしキャラクターデザインも可愛い、ストーリーも悪くないんだけど、ストーリー構成が悪いせいで乗りきれない作品でした。
昔のkeyの作品は名作ばかりだったんですけどねぇ…。