アニメ批評その920 境界戦機
観ようと思ってたけど評判が良く無かったのでスルーした作品でした。
という事でレビュアーはechoさんです。
評価:★(心に響かないロボットアニメ)
概要
境界戦機は、サンライズビヨンドとバンダイスピリッツによるオリジナルロボットアニメ。
テレビ東京ほかにて、2021年10月から放送された。
登場ロボットはバンダイスピリッツからプラモデル化されている。
あらすじ
西暦2061年、日本は支配された。
4つの世界主要経済圏によって分割統治されるに至り、日本人は隷属国の人間として虐げられる日々を送っていた。
日本は各経済圏が投入した人型特殊機動兵器AMAIM(アメイン)が闊歩する世界の最前線となった。
機械好きの少年椎葉アモウは、ある日自律思考型AI「ガイ」と出会う。
これをきっかけに、アモウは日本を取り戻すための戦いに身を投じることになる。
自ら組み上げたAMAIM「ケンブ」に乗って。
サンライズ制作のロボットアニメです。
社長自らプロデューサーを務めるほどの気合いの入れようで、アニメと同時にプラモデル化もされ、ガンダムシリーズに続くロボットアニメとして売り出そうとしていたようです。
舞台は近未来の日本、経済崩壊した日本は4つの国に分割支配され日本人は迫害されています。
ロボットイジリが趣味の主人公椎葉アモウは、廃材から巨大ロボットを作り上げた事でテロリストと勘違いされ、捕まりそうになります。
たまたま拾った高性能AI「ガイ」の導きにより日本解放を目指すテロリストと合流したアモウは戦いに巻き込まれていくと言うストーリーです。
しかしこのアニメ、これだけ力を入れて2クールも放送したのに全く話題になりませんでした。
あれだけ売れまくって品薄になっているガンプラの棚の横で、山積みになっているプラモデルがネタにされるほど不人気でした。
実際私も最後まで惰性で見ましたが、作画や戦闘シーンはそれなりに良いところがあるものの、全く引っかかるところの無いアニメでした。
設定だけ見れば「コードギアス叛逆のルルーシュ」に似ていますし、面白くなるポテンシャルはあったと思うのですが…。
1. ストーリーがダメ
初期の頃はコードギアスの様に日本解放を目指すテロリストなんだろうなと思っていたのですが、いつまで経っても日本中を逃げ回っているだけで、ちっとも日本を取り戻す気配がない。
しかも1クール目の終わりはどこの勢力にも属さない謎のロボットに襲われて命からがら撃退するのですが、ただでさえ敵勢力が4つもあるのにさらに敵陣営を増やしてどうするんだろうと思ってました。
で、2クール終わってどうなったかと言うと、日本自治区が増えて5勢力になりましたと言うエンドw
2クールかけてほぼ何も起きてないw
オリジナルアニメなのにこれはどうなんだろうって終わり方です。
2. キャラクターに魅力がない
キャラデザからして、地味でちょっと古い感じもあり引っかかりのないキャラクターです。
それでも個性的な性格付けや、信念みたいなものがあれば魅力は出てくると思います。
ところが主人公はロボットいじりが好きなだけで巻き込まれていて、特に信念もなく、仲間が死んだショックでレジスタンスを抜けたかと思うと2話くらいで戻って来たりと、流されるままフラフラしてるだけに見えてしまい、いまいち感情移入出来ませんでした。
ヒロインのシオンも焼き物職人になりたい女の子で、ドラマチックな過去も無ければ、恋愛展開もなく、ただのパイロットの一人になってしまっていて魅力を感じる前に終わってしまった印象です。
焼き物職人って渋過ぎるよ…。
もう一人のパイロット、ガシンは親の仇を取るため復讐に燃えているキャラクターで、ちょっと暗めですが、アモウよりよほど主人公をしている感じがあります。
そして何より世界観に合わないのが、「ガイ」をはじめとするAIたちです。
やたら明るくて、世界観が暗くなりがちな作品の中でマスコット的に入れたのでしょうが、コイツらがむやみやたらに優秀で、ロボットの制御から敵の発見、ハッキングでの妨害までなんでもやっちゃうのでパイロットの活躍がかすんじゃうんですよね。
それをコミカルにやってしまうので、シリアスさが薄れてしまいストーリーに入り込めない要因になっていました。
3. 戦闘シーンもなんか地味
AIマスコットたちが現実感がないアニメチックなキャラクターな割に、ロボットはリアルよりで必殺武器があるわけではないですし、派手な作戦などを行って敵をはめるような頭脳戦もなく、基本的には巻き込まれてなんとかやり過ごす展開が多いので爽快感は皆無です。
戦闘作画は悪くないのに、ひたすら地味であまり見どころがありませんでした。
こんな感じなのでプラモも売れず山積みになっているのも納得です。
個人的には大失敗だと思っていたのですが、なんとこの度新作の制作が発表されましたw
次回作はロボットアニメの巨匠「大張正己」さんが監督を務めます。
次こそは日本のロボットアニメここにありと言うところを見せて欲しいものです。
では、良きアニメライフを!