アニメ批評その789 群青のファンファーレ
評価:★(3クールくらい必要だった)
概要
Lay-duce制作による日本のテレビアニメ。
2022年4月から6月にかけてTOKYO MXほかにて放送された。
入学倍率が最大20倍に達する競馬学校を舞台にしたオリジナルアニメ作品であり、厳しい学科試験と身体・運動機能検査を突破して騎手課程に在籍することとなった少年少女たちによる青春群像劇が描かれる。
本作は、2021年8月28日にBS11で放送されている『BSイレブン競馬中継』の番組内においてティザー映像が解禁された。
制作にはJRAが全面協力し、実際のJRA競馬学校での取材を基に、学校内部や騎手候補生の生活、競馬界や騎手の世界の現実なども描写される。2021年12月からは、JRAとのコラボレーション企画として『はじまりのファンファーレ』というサイトが公開された。
競馬を題材としたアニメは貴重です。
漫画はそこそこあるのですが、競馬モノのアニメはウマ娘とマキバオーしかありません。
しかもJRAが全面協力して制作されたそうなので、当然本作に期待をしていた私でしたが・・・
著名なアニヲタの方々からは2022年春アニメで最低の評価を受けておりました。
今回は作品の紹介というよりかは「どこが悪かったのか?」に特化した記事となります。
ネタバレも含みますので、視聴予定の方はブラウザバック推奨です。
◆設定がクソ
主人公の有村 優くんは人気アイドルでしたが、急に騎手を志します。
志した切っ掛けも謎で、ふわっとした動機を語るのですがこれは最後まで謎のまま終わりました。
そもそも何故主人公に元アイドルというキャラ付けが必要だったのか?については、OP/EDを担当した「JO1」というグループのメンバーが本作に声優として出演してるので、その辺が関係してるのだと思います@クソですね。
他にも馬の気持ちがわかる上に、観てもいないレースの展開がわかる異能力者も登場します。
本格派競馬アニメとは聞いて呆れます。
メインとなる登場人物も「調教師の息子」「主人公の元ファン」「減量に苦しむおかっぱ」「才能はあるが我儘な奴」「真面目君」と紅一点の女性キャラなのですが、登場人物が多過ぎです。
キャラの掘り下げは皆無で、1クールで終わらせるなら同期のキャラはこの半分でも良かったかもしれません。
「主人公の元ファン」の子とか全く必要ないでしょ^^;
とって付けた様なBL要素も鼻につきます。
◆競馬を舐めてるとしか思えない
レースシーンはほぼCGでショボく観える・・・のは仕方ありません。
競馬アニメが少ない最大の理由は、四足歩行の動物を大量に描くのが大変だからなのでここだけは勘弁してあげて欲しいです。
ですが、ダービーのゼッケンの色がおかしいとかはどうなんだ?と思います。
JRAが全面協力してくれてるとは到底思えません。
一番アリエナイと思ったのは放馬した馬を追うのに二人乗りで追走したシーンです。
馬に掛かる負担を考えたらヤってはイケない事で、この1シーンだけでも駄作の烙印が押せてしまいます。
更に二人乗りで空馬に追い付くのもどうなんだwとも思いますし、音に敏感な馬の前で大声で喧嘩するシーンや競馬学校に通い始めたヒヨッコがプロの騎手に騎乗の仕方についてツッコミを入れるシーンなどもあります。
JRAの協力が本当にあったのか疑問です。
◆ファンタジーで萎える
最初から最後まで謎のファンタジーで誤魔化すシーンが多過ぎです。
ウマ娘の方が余程本格的にスポーツをしている感じで、こんなおためごかしで誤魔化されるほど視聴者は馬鹿ばかりではありません。
騎手や馬にエフェクトがある程度だったら許容出来ましたが、そんなレベルのファンタジーでは無かったので許せません。
◆描かなければならない部分がカットされている
若者達の成長を描かなくてはいけないかったと思うのですが、成長の過程が大幅にカットされてます。
主人公が苦悩するシーンは一応あるのですが「え?そこからここまで飛ぶの?」といった展開となり、いつの間にか主人公が交代して微妙な終わり方をします。
本作は1クール13話でしたが、競馬学校編とトレセン修行編でそれぞれ1クール必要だったと思いますし、各キャラの掘り下げや主人公の過去についてのエピソードを挟んだら最低3クールは必要だったはずです。
それを1クールに詰め込もうとして、更にアイドル要素まで詰め込んだのですから内容が濃そうで薄味の駄作となってしまいました。
◆どうするべきだった?
・登場人物を減らす
主人公のファンとおかっぱは不要だった。
・アイドル要素を削る
全くもって不要だったし、主人公が騎手を志す動悸がずっと謎なのがアカン
・ファンタジーを無くす
素人でも思いつく様な誤魔化し方をプロがするべきでは無い
・2クール以上必要だった
上記に挙げた全てを満たしたとしても2クール以上は必要だった
・本格派競馬アニメ
JRAの協力があったとは思えない不勉強さだった
制作会社はLay-duceで同時期に放送されていた「ヒロインたるもの!〜嫌われヒロインと内緒のお仕事〜」は良作でした。
実績の浅い会社ではありますが有名会社の傘下で制作力が高そうなのですが、何故この様な駄作に仕上がったのか?
きっと予算が思ったほど貰えなかった上に、急にアイドル要素を入れろと命令されてよくわからない作品になってしまったのでは無いかと予想します。
「ヒロインたるもの!〜嫌われヒロインと内緒のお仕事〜」はアイドルを主軸に据えた作品でしたが、そうで無いモノにアイドルや芸能人を絡ませると高確率で駄作になるという法則があります。
OP/EDと一部のキャラの声優を担当した「JO1」は被害者かもしれませんが、作品の評価が低ければ「コイツらのせいで駄作になった」と言われてしまいます。
今回の件は「JO1」に非はありませんが、このプロジェクトに絡ませた事務所サイドは反省すべきだと思います。
素人がアニメに絡んで成功する例は稀だという事を忘れてはいけません。
競馬モノのアニメはレアなのでそれだけでも評価出来るのですが、内容が余りにも酷いので評価は★1です。
無難な作りにしておけばここまで酷評はされなかったはずです。
企画を持ち込んだ人間とアイドル要素を強要した人は深く深く反省して欲しいです。
それでは、良きアニメライフをノシ