アニメ批評その852　サマータイムレンダ

2022/11/02 17:00

タイムリープものとしては珍しい内容の名作だそうです。
レビュアーはechoさんとなります。

評価：★★★★(タイムリープものの新しい名作)

概要
サマータイムレンダは、少年ジャンプ+にて配信された漫画を原作としたTVアニメ。
原作漫画は完結済みで全13巻。
アニメは2022年4月からTOKYO MXほかで放送された。全25話。
また、今後、実写化やゲーム化が予定されている。

あらすじ
幼馴染・小舟潮の訃報を聞き、和歌山市『日都ヶ島』へ2年ぶりに帰郷した網代慎平。
葬儀に参列した慎平は、親友の菱形窓から「潮には他殺の可能性がある」と打ち明けられる。
さらには潮の妹・澪までも潮は殺されたと訴える。
日都ヶ島には、自分と同じ姿の「影」を見たものは死ぬという伝承があった。
生前、澪は潮の「影」を見たという――。

網代慎平
物語の主人公。
中学校の卒業を期に東京へ行ったが、幼馴染の小舟潮の葬儀に参列するため、2年ぶりに故郷の日都ヶ島へ戻った。
夢の中に現れたウシオから「私を見つけて」と不思議なメッセージを受け取る。

小舟潮
故人。
慎平とは同い年。フランス人である父譲りの金髪。
慎平とは両想いであったが互いにそのことを伝えられないまま喧嘩別れし、気まずい関係のまま海難事故で命を落とす。

小舟澪
潮の実妹。姉とは違い黒髪。
姉が亡くなった直後だが、持ち前の笑顔で努めて明るく振る舞う。

南方ひづる
作家・南雲竜之介として執筆活動をしている女性。
知らぬ間に録音されたボイスレコーダーのメッセージに導かれ、14年ぶりに日都ヶ島を訪れる。

ジャンプ＋からアニメ化された、タイムリープもののアニメです。
最近のジャンプ＋はSPY×FAMILYの大ヒットを筆頭に、今後もアニメ化が続々と発表されていて非常に勢いがあります。
サマータイムレンダはすでに完結済みで、連載時はSPY×FAMILYとジャンプ＋の人気ランキングを争っていた漫画のアニメ化です。

舞台は和歌山県の離島、その町に住む幼馴染の女の子が不審な死を遂げ葬儀に出席する為に島へ戻るところから始まります。
島には自分の「影」を見てしまうと命を落とすという言い伝えがあり、澪も潮が亡くなる数日前、潮の「影」を見たと言うのですが…。
少しネタバレになりますが、この作品STEINS;GATEやRe:ゼロから始める異世界生活、ひぐらしのなく頃にと同じく、いわゆるタイムリープものの作品です。
過去に名作の多いタイムリープものアニメですが、本作も過去作に負けない名作になりました。

○ストーリーが凄い

サマータイムレンダの何より凄いところは、ストーリーのテンポの良さです。
通常タイムリープものは伏線や設定を張り巡らせる為に、序盤は退屈になりがちなのですが、本作は最初からジェットコースターの様に怒涛の展開でどんどんと謎や伏線を張り巡らせつつ、次々と回収して行くので飽きることがありませんでした。

○キャラクターも良い

主人公をはじめキャラクターが賢く、常に最適の行動を取ろうとするのでストレスが溜まりにくいです。
それではすぐに解決してしまうのでは？と思うかも知れませんが、敵も物凄く賢くてせっかく見つけた糸口もすぐに塞いでくるため、与えてくる絶望感も凄いです。
普通、主人公がタイムリープをすると、主人公側だけが情報を持っていて有利に立ち回れたりすると思うのですが、敵が逆にタイムリープを利用して主人公を追い込んできたりと新しい展開も見せてきます。
同じ手段は2度と通じない敵で、中盤までこれはどうやって打開するんだろうとハラハラしながら見てました。
ただ、迷いがないキャラクターはストーリーを追う上では良いのですが、若干人間離れして見えるので感情移入しづらくカタルシスに欠けると言う欠点はあると思います。

○作画が凄い

本作の配信はディズニープラス独占だったのですが、資金が豊富だったのか？作画の良いアニメが多かった夏アニメの中でも頭ひとつ抜けて良かったです。
アクションシーンは良く動くし、ヒロインたちも可愛いし、カッコ良いし文句のつけようがありません。
ちょっとホラーチックなシーンやグロ描写もあるので苦手な人は注意してください。